恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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295部分:第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその十
第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその十
次の日には早速一行が旅立つ。他の仲間達と兵士達が見送る。
「何か俺も出たいなあ」
「ああ、止めておけ」
真吾には二階堂が言った。
「御前が行くと何かトラブルが起こるからな」
「トラブルって」
「御前はそういう星の下にあるんだよ」
随分と物騒な言葉だった。
「動くとそれだけでな」
「そんなあ、そんな理由でなんて」
「残れ」
大門は一言だった。
「そして修行しろ」
「とほほ、何てこった」
「じゃあ瑠々ちゃんはね」
「私達が面倒見るわね」
舞とユリが黄忠に話す。
「黄忠さんは安心して」
「旅に出てね」
「有り難う」
黄忠は微笑んでその言葉に応えた。
「御言葉に甘えて」
「ええ、じゃあ」
「行ってらっしゃい」
「ただ」
黄忠はここでユリを見てだ。こう言うのを忘れなかった。
「ユリちゃん、いいかしら」
「どうしたの?」
「カレーを作るのはいいけれど」
少し咎める口調だった。
「ただね。それでもね」
「それでも?」
「あまり甘いものにはしないでね」
こう告げるのだった。
「それはね」
「えっ、甘口のカレー駄目なの?」
「ユリちゃんの作るカレーは甘過ぎるのよ」
「そうなのよね」
マリーも黄忠のその言葉に頷く。
「あんまりにも甘くて。あれは」
「子供の歯のことも考えないと」
黄忠はそこまで考えていた。
「だからよ。それは御願いね」
「じゃあカレーは俺が作るか?」
今度はリョウが言った。
「ユリのカレーは確かに甘過ぎるからな」
「リョウ君もね」
ところがだ。黄忠はリョウにも言うのだった。
「カレーは辛過ぎないようにしてね」
「俺もか」
「そうよ。リョウ君のカレーはまた辛過ぎるから」
カレはカレーは辛口派なのだ。
「だからね。いいわね」
「ううむ、俺も駄目か」
「じゃあカレーはどないするんや?」
二人の間にいるロバートが黄忠に問うた。
「瑠々ちゃんの大好物やし栄養摂れるしな」
「ロバート君頼めるかしら」
彼女が言ったのはロバートについてだった。
「瑠々のカレー。御願いできるかしら」
「わいかいな」
「ええ、いいかしら」
こう言うのである。
「よかったらだけれど」
「ああ、わかったで」
ロバートもそれに応えた。
「ほな大阪風のカレーでやな」
「それで御願いするわ」
まさにそれだというのだった。
「あれでね」
「御飯とカレーをまぶしてそこに卵を入れて」
ロバートはそのカレーについて具体的に話す。
「そんでソースをかけたあれやな」
「あれ美味しいわよね」
「そやな」
アテナと拳崇も話しながら頷く。
「あのカレー食べやすいし」
「俺も愛着あるで」
「大阪はいい街だからな」
テリーも悪い顔はしていない。
「留守番の間そのカレーをもらおうか」
「そうさせてもらうか。そういえば」
ロックは周囲を見回してだ。ふと気付いた。
「馬岱は何処なんだ?」
「むっ、そういえばだ」
「いないな」
関羽と趙雲が周囲を見回した。
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