ハイスクールD×D/EXTELLA
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旧校舎のディアボロス
新たな住人
棟夜side
休日。駒王学園には部活に励んでいる生徒が多くいた。
そんな中、俺はアーシアとバックに入った黒歌と旧校舎に来ていた。
「入るぞ」
ノックをして入ると、全員揃っていた。
「おはよう棟夜。早速で悪いんだけど、昨日何があったか教えてくれるかしら」
来て早々にか・・・まぁ、それが今日の集まりだした。
一誠side
休日。俺は何時も通り部長を地獄のトレーニングをしてる最中に部長が・・・。
「昨日、トーヤが悪魔に襲われた女性を助けた件で話をするから、今日は部室に来てちょうだい」
って言うから来てみたら朱乃さんや、木場、小猫ちゃん。全員が揃っていた。待っていると悠夜がアーシアと部室にやってきて部長と話し出した。
話し終わると、バックから黒猫を取り出した。何で黒猫を部室に?
「? その猫はどうしたの」
「ちと待て・・・戻って良いぞ」
部長が困惑気味に聞くと、悠夜が猫に向かって声をかけると姿が猫から人に変わり・・・え? 人になった?? 俺が驚いてると部室の空気が変わった!
「!!・・・黒歌・・・姉さま!」
「あなた! SS級はぐれ悪魔の黒歌ッ!!」
小猫ちゃんが何時もの表情から目を見開き驚いていると、部長が席から立ち上がり、朱乃さんは両手に雷を迸らせ木場は剣を構えていた!! ちょ! 何でみんなそんなに険しい表情をしてるの!? それに姉さまって・・・。
「・・・一誠君、はぐれ悪魔については説明したよね?」
何時もの爽やかな笑みを消した木場が緊張した言ってきた。はぐれ悪魔は主を殺して好き勝手に生きようとする悪魔だよな?
「彼女、黒歌はSS級はぐれ悪魔。最上級悪魔に匹敵するほどの強さを持ってるはぐれなんだ。そして・・・小猫ちゃんの実の姉だよ」
ちょ!! 小猫ちゃんにお姉さんがいたのかよ!! いや、それ以前に最上級悪魔に匹敵って部長より強いんじゃねぇか!? それ以上に何で棟夜がはぐれ悪魔、小猫ちゃんのお姉さんを連れてんだよ!
「ブ、ブーステッド・ギア!!」
『Boost!!』
叫ぶと腕に籠手が現れて、力が流れ込んでくる。
俺たちの動きを見た黒歌が僅かに動きを見せるが・・・。
「はいストップ」
その前に棟夜が庇うように立った。何で!? 部長や朱乃さん、木場も棟夜が取った行動に驚愕していた。
「ユウ! 何で彼女を庇うの!? 彼女はッ!」
「みなまで言うな。黒歌が何をしたのか分っている・・・だが少しだけ待ってくれないか? もしここで黒歌を捕まえるっつうなら、悪いが俺は黒歌の味方になるぜ」
両手に黒と白の短剣を持ち、構えて鋭く睨んでくる。
・・・冗談じゃなく、結構マジって感じだ。
その行動に部長は、暫く唖然としてたけど、溜息をついてイスに座りなおした。
「・・・分ったわ。あなたがそこまでするなら、それなりの理由があるのよね?」
静かに問いかける部長。でも、その視線は鋭く棟夜を見ていた。その視線に臆することなく棟夜は真っ直ぐ見る。
「まぁな。納得させる材料がなけりゃここには来ないよ」
そう言うなり、棟夜は黒歌の過去について話し始めた。
「これが、黒歌がはぐれ悪魔になる前のものだ」
・・・俺は言葉が出なかった。悪魔に引き取られた姉妹。黒歌と小猫ちゃんだ。幸せな日々かと思ってたけど、その主が無理やり小猫ちゃんを強化しようとして、黒歌がそれを止めた。でも術が自分にかかり暴走。そして主とその眷属を殺してはぐれ悪魔になった。これが黒歌と小猫ちゃんの過去・・・酷すぎる。
中でも、一番困惑してたのは小猫ちゃんだった。
「・・・姉さま・・・私を見捨てたんじゃないんですか?」
声を震わせ、目元に涙が浮かんでいた。
「バカ! 見捨てるわけ無いじゃない!! 冥界から逃げ延びて、白音に会いたい一心でここまで来たのよ。あなたがいなくなって、私がどれだけ心配したと思ってるの?」
黒歌は涙声で小猫ちゃんに近づき抱きしめた。
「・・・あの時、あなたを助けられなくてごめんね。白音」
「!ッ・・・姉・・・さまッ!!」
小猫ちゃんも抱きしめ返し、二人は声を殺して泣き続けた。
「うおおぉぉぉぉん。良かったな~小猫ちゃん」
「はうぅぅ~・・・良かったですぅぅ」
ついでに俺とアーシアも貰い泣きしていた。
「何でお前が泣くんだよ」
棟夜には呆れられた視線を向けられた。良いんだよ! こういうのは!!
「・・・まぁ、事情は理解したわ。でも、問題はその悪魔ね。トーヤに報復に来ると言ったのなら一人になった時を狙うかもしれないわね・・・トーヤ? どうしたの」
棟夜は窓の外を見ている。俺も外を見てみたけど、何の変哲も無い青空が広がっていた。何にも無いけど・・・。
「わりぃみんな。ちと用事を思い出したから先に帰らせてもらう・・・そだアーシア、家の鍵だ」
早口に話すと鍵をアーシアに放り投げ、早々に部室から出て行った。
俺はその行動に首をかしげていた。
棟夜side
・・・ハァ。途中で気づいたけど、露骨に殺気飛ばし過ぎだろう。
学校を出て途中で見つけた廃棄工場の中に入る。『入るな!!』と看板が立てられているが、気にしない。
「・・・ここならだれも邪魔は入らねぇ。結界も張ったしさっさと姿を見せろよ」
「チッ。気づいていやがったか」
振り返ると、そこに昨日の悪魔が手に剣を持っていて、殺気を飛ばして睨んでくる。
「あんなバカ正直な殺気に気づかないほど、俺はマヌケじゃねぇよ」
干将莫邪を投影し身構えると、いきなり斬りかかってきた。それを受け流し距離を取り、今度はこちらから攻める。
干将莫邪と蹴りによる連続攻撃。
相手は剣でこっちは双剣。速さと手数で悪魔を攻め立てる。
「ぬぅ!」
顔を顰め一度大きな横なぎを繰り出し離れ息を整えている・・・もう止めを刺すか。
干将莫邪を消し八極拳の構えを取り、息を整え活歩で距離を埋め全身を捻り、心臓めがけて拳を繰り出す。
「金剛八式、衝捶」
-ズドン-
踏み込むと地面が陥没し激しく地面が揺れ建物全体に衝撃が走る。感触からして骨は折れ心臓は破壊したはずだ。
「グハァッ!」
吹き飛んだ悪魔は壁に直撃し吐血し倒れこんだ。ピクリとも動かない。
・・・一応近づいて見てみると、心臓部が陥没していたから確実に死んだな。
さて。これで終わった事だし、帰るか。
勿論、死体は焼却しといたぞ。
「お帰りなさいトーヤさん」
昼過ぎに家に着くとアーシアが出迎えてくれた。話声からして小猫と黒歌もいるようだ。
「二人はどうしてる?」
「はい。仲良くお話をしてます」
そうか・・・仲直りできたのか。良かった。
リビングに入ると、小猫と黒歌が楽しそうに話し合っていた。
「あ・・・トーヤ先輩」
「トーヤ!」
気づいた二人が俺の前に来て、頭を下げた。
「先輩・・・姉さまを助けてくれて・・・ありがとうございます」
「私も。あの時助けてくれてありがとう、トーヤ」
「お礼を言われる程じゃない。仲が戻ってよかったな。これからもよろしくな」
そう言うと2人は頬を紅潮させた。風邪か? それより気になるのは・・・。
「なぁアーシア。俺たちが家を出る前に、あんな大きな荷物はなかったよな?」
邪魔にならないよう部屋の隅に置かれている大きなバック。大の大人が背負うような荷物が置いてあった。誰んだ?
「私と姉さまの・・・荷物です」
・・・・why?
「ちょーーっと待てよ小猫。聞き間違いじゃなきゃ、今自分と黒歌の荷物だと聞こえたんだが・・・」
「はい・・・今日から先輩の家で・・・お世話になります」
「私もお世話になるにゃん♪」
「なんでやねん!!」
思わずツッコンでしまった! そりゃそうだ! 家に帰ってくると何で小猫と黒歌が住むことになってんだよ!?
俺の疑問に小猫が手紙を渡してきた。そこにはこう書かれていた。
『トーヤ。この手紙を見てることは小猫がいることに驚いている頃ね。話が終わった後、小猫が黒歌と一緒にいたいって言い出してね、私がトーヤの家に泊まらせてもらえばと提案したらすぐ食いついたわ。それに、あなたが話してくれた事。納得したわけじゃないわ。そこで、あなたが責任もって黒歌を見てあげてね。ちなみに拒否権は無いわ、よろしく』と書かれていた。
「オーマイゴッド」
俺は天を仰ぎ手で顔を覆う。
・・・幾らなんでも横暴じゃないか? 男は俺一人なんだぞ。
「先輩」
「トーヤ」
「「よろしくお願いします」にゃ♪」
笑顔で言う二人に俺は、力なく「ああ」と答えた。
「うう。折角二人だけでしたのに・・・ああ、主よ。これも試練なのでしょう・・・あう!」
視界の隅で祈りをささげたアーシアが頭を抑えていた。
・・・先が思いやられるな。
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