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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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293部分:第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその八


第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその八

「成程、そういうことか」
「見つかったというより手掛かりかしら」
「手掛かり?」
「そう、手掛かりよ」
 また話す神楽だった。
「それが見つかったのよ」
「手掛かりか。それか」
「ええ。今は袁紹殿が持っているらしいわ」
「袁紹殿か」
 関羽はその名前を聞いてだ。いささか難しい顔になった。
「あの方も難しい方だな」
「そうなのだ。気分屋で妙にお高く止まっているところがあるのだ」
 張飛も困った顔になっている。
「とりあえず政や戦は得意みたいなのが救いだけれど困った奴なのだ」
「お母上のことが気になってですね」
 孔明は袁紹がそうした性格になった原因を既にわかっていた。
「それでどうしても」
「妙に気を張ってだな」
「それでだよな」
 趙雲と馬超も話す。
「そうでなければあの方ももっと安定した性格になっただろうがな」
「それで本人損してるよな」
「曹操さんもそうね」
 黄忠は彼女についても話した。
「あの人も宦官の家だから」
「はい、あの人もそれを気にしています」
 孔明は曹操のこともわかっていた。
「それがおかしなことにならないといいのですが」
「ううむ、全くだ」
 また話す関羽だった。
「どうしたものかな」
「だから私はあの人達のところには行かなかったの」
 神楽はここでその二人のところに向かわなかった理由も話した。
「それにね」
「それに?」
「劉備さんでなければ駄目だったし」
 こうも言うのだった。
「それでなのよ」
「私でないと?」
「そうよ、貴女でないとね」
 また話すのだった。
「貴女でないと駄目なのよ」
「その剣で、ですよね」
「その通りよ。貴女の剣でないと駄目なのよ」
「ううん、一体何が」
「貴女の剣には特別な力があるの」
 劉備を見ての言葉だった。
「貴女が持つことによってそれが発揮されるのよ」
「特別な力が」
「この世界のことはまだよくわからないけれど」
 ふとこんな話もした。
「ただ」
「ただ?」
「貴女の剣はこの世界を救うことができる。私はそうはっきり感じているわ」
 神楽の今の言葉を聞いてだ。孔明が察した。
「まさかこの人」
「ああ、神楽は巫女なんだよ」
 草薙がその事情を話す。
「巫女だからな。そうしたことがわかるんだよ」
「そうなんですか。やっぱり」
「ああ、だからこいつが来たってことはな」
 草薙は神楽を見たままだ。言葉を続ける。
「それだけで何かがあるって言ったよな」
「はい、さっき」
「そういう理由だよ」
 こう話してだった。さらに神楽の話を聞く。それはだった。
 神楽はだ。自身の話をさらに続けていた。劉備に対して話していた。
「それでね。袁紹殿に会ってね」
「それで剣をですか」
「返してもらいましょう」
 こう劉備に提案した。
「それでどうかしら」
「あの剣が戻れば」
 劉備はかなり呑気に考えていた。
 
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