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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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29部分:第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその四


第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその四

「今度は私の番だ」
「何なのだ!?」
「行くぞ」
 趙雲がその槍を幾度も縦横に振ってきた。そのうえで攻める。
 だが今度は張飛がその槍を防ぐ、何度も何度も防ぐ。完璧と言ってもいい。
「ふむ。守りもできるのか」
「鈴々は攻撃を身体に受けたことはないのだ」
「そうなのか」
「そうなのだ。負けたことはないのだ」
「わかった」
 趙雲は己の槍と張飛の蛇矛を交差させながら言った。
「貴殿の腕はな」
「わかったというのだ?」
「そうだ、わかった」
 まさにそうだというのである。
「貴殿の腕はだ」
「ではどうするというのだ?」
「確かに腕はいい」
 それは認めた。
「それはその関羽殿もだ」
「私もか」
「ナコルル殿もだ。三人共私と同じだけの強さだな」
 趙雲はこう言うのだった。
「その腕は見事だ」
「そうなのか」
「しかし。やはり張飛は今度の戦いには向かない」
 それは言うのだった。
「それはすぐにわかる」
「わかるとはどういうことなのだ」
「まずは席に戻ろう」
 そうしろというのだ。
「それでいいな」
「そうだな。話をしよう」
 公孫賛もここで言う。
「話の続きをな」
「わかった。しかし趙雲殿」
「どうした?」
「何故私達の強さがわかったのだ?」
 そのことを問うのである。
「何故それがわかったのだ?」
「気だ」
 それからだというのだ。
「それでわかったのだ」
「気か」
「貴殿達の気はそこの張飛と同じだけの気を出している」
 それを見ての言葉だというのだ。
「だからだ。それはわかった」
「そうか、それでか」
「私自身の気は見られなくともそれは見ることができる」
「それでか」
「そういうことだ。では行こう」
 こう言ってである。彼女達はまた席に戻った。席に戻ると趙雲はすぐに張飛に対して言うのだった。
「まずはだ」
「どうしろというのだ?」
「じっとしていてくれ」
 こう言うのである。
「いいな、暫くじっとしておいてくれ」
「何だ、簡単なことなのだ」
 張飛はそれを聞いて何でもないといった口調で返す。
「ではこのままじっとするのだ」
「実はだ」
 また公孫賛が話してきた。
「今度の山賊退治は忍び込むことを考えている」
「忍び込むのか」
「宝を入れていそうな箱の中にわざと入り山賊に襲わせてだ」
 公孫賛の説明が続く。
「そのうえで忍び込むつもりなのだ」
「作戦としてはいいな」
 関羽はその話を聞いて納得した顔で頷いた。
「中から忍び込むのはいい」
「だからだ。張飛よ」
 趙雲はまた彼女に声をかける。
「じっとしていてもらおうか」
「ふん、そんなこと簡単なのだ」
 こうして張飛はそのまま腕を組んでじっとしだした。そして三分後。
「・・・・・・・・・」
 いうらいらとしだした。そして五分後。
 何か我慢できそうにもない様子になってだ。遂に。
 爆発した。顔を真っ赤にさせたうえで本当に爆発してしまった。関羽はそれを見て慌てて声をかける。
「り、鈴々!大丈夫か!」
「ああああああ・・・・・・」
「それ見たことか」
 その爆発した張飛を見て冷静に言う趙雲だった。
 
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