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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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284部分:第二十三話 楓、思い出すのことその十五


第二十三話 楓、思い出すのことその十五

 一行は見たのだった。巨大な鳥の仮面の男にだ。
「何だありゃ」
「怪物かよ」
 夜血と灰人がその男を見て顔を顰めさせた。
「この世界にはそんなのがマジでいやがるのかよ」
「とんでもない話だな」
「そうだな。しかしそうなればだ」
 花房が早速槍を構える。
「そこの妖怪!成敗してくれる!」
「妖怪!?モンスターのことか」
 しかしであった。ここでその鳥の仮面の男も周囲を見回すのだった。
「私が相手をしよう。何処だ?」
「あんたのことよ」 
 沙耶がその彼に突っ込みを入れる。
「っていうか自分で自分を探してどうするのよ」
「モンスター!?私がか」
 だが男はまだ自覚していない。
「馬鹿な、私は人間だ」
「じゃあその鳥の顔は何なんだよ」
「それで人間っていうのか!?」
 夜血はその鋸を思わせる禍々しいまでに歪な刀を抜いている。灰人はもう既に刀を抜いている。戦闘態勢に入っているのだった。
「若し人間っていうんならな」
「証拠を見せてみろ」
「ううむ、致し方ない」
 それを聞いてだ。男は仮面を取った。そこにあったのは。
「ああ、人間だな」
「間違いないな」
 夜血も灰人もこれで納得した。
「じゃあそれはお面か?」
「よくできてるな」
「グリフォンマスクの仮面だ」
 この男グリフォンマスクは答えた。
「そして私自身でもある」
「ふむ。貴殿にとってはそれはだ」
 花房はそれを聞いて言った。
「武士の心と同じものだな」
「そうなるな。見たところユー達も」
 グリフォンマスクは五人を見てから言った。
「こちらに来たのだな」
「ええ、そうよ」
 沙耶が答えた。
「あんたもそうなのね」
「そうだ。私もまた同じだ」
 グリフォンマスクはまた答えた。
「この世界に来た」
「縁でしょうか」
 凛花はそれを聞いて述べた。
「つまりこれは」
「そうね。縁なのは確かね」
 沙耶は彼女のその言葉に頷いた。
「それはね」
「そうですか。それなら私達以外にもこの世界に」
「来てるでしょうね。乱鳳君達は間違いないわね」
 彼等は絶対だというのであった。
「来てるでしょうね」
「何となくわかります」
 凛花もそれは感じ取ることができた。
「彼等にはこうした世界の方が相応しいと思います」
「そうね。それでだけれど」
「はい」
「この人は一体」
「私か。私はグリフォンマスクという」
 彼は自分から名乗った。
「宜しく頼む」
「グリフォンマスクさんですか」
「子供達と正義の為に戦っている」
 こうも言うのであった。
「ユー達もそれは同じか」
「大儀の為に」
 花房が答える。
「本来は幕府の為なのだがな」
「うむ、この国には幕府はない」
 グリフォンマスクはこのことは断った。
「残念だがな」
「幕府を知っているのね」
「日本の武家政権だな」
 グリフォンマスクは沙耶に対して答えた。
 
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