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歌集「春雪花」

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 はげし風に

  空さへ雲に

   とじにける

 夢にも逢えね

    君ぞ待ちにし



 朝から強い風が吹き続けているからか、ずっと空は雲に覆われて薄暗い…。

 今にも雨の降りそうな空を見ていると、心に彼のことばかりが浮かんでくる…。


 夢でさえ会えない彼を…ただ待つしか出来ない自分が虚しい…。



 もの思ふ

  独り寝の夜は

   長々し

 灯る明かりも

    見えぬ空かな



 彼のことばかりあれこれと考えてしまい…寝付けずにいると、夜がなおも長く感じてしまう…。

 窓には洩れる光もなく…雲が月を隠しているのだと解る…。

 雲よ…一時でも良い…月を見せてはくれないだろうか…。


 彼に会えない私を…哀れに思うならば…。




 
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