恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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253部分:第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十四
第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十四
「今は」
「そんな、じゃあこのまま」
「まだに決まってるだろ」
その真吾に草薙が言う。
「城壁を破られたら俺達がその城壁になるんだよ」
「俺達がですか」
「戦えるなら戦うんだよ」
草薙はまた言った。
「それでわかったな」
「はい、じゃあ」
「この村は何があっても護る」
草薙は本気だった。
「いいな」
「はい、じゃあ」
「そうです。何があっても守り抜きます」
孔明も草薙のその言葉を受けて意を決した。
「私達で」
こう言って今は仕方なく下がろうとした。しかしその時だった。
「朱里ちゃん、皆!」
「無事か!」
何かが来た。それは。
騎馬の一団だった。それが烏丸の兵達を薙ぎ倒していく。
「まさかあれは」
「援軍!?」
「もう来たのか!?」
「それにあれは」
見ればだ。その先頭にいるのはだ。
劉備だった。そして。
「関羽さん」
「それに張飛も!」
「お姉様もいるわ!」
馬岱は従姉の姿を認めていた。そして瑠々も。
「お母さんも」
「その通りだ!」
そしてだ。何故か彼等がいる門の上の物見櫓ところからだ。あの声がしたのであった。
「今我々は義の為に来たのだ!」
「!?あんたは」
「一体」
キングと舞はその声の主を見た。するとそこにいたのは。
誰がどう見ても趙雲だった。ただ仮面をしているだけである。その彼女が櫓の上に颯爽と立っていたのである。
「おい、あれって」
「そうだよな」
「誰がどう見ても」
「やっぱり」
皆彼女を指差してあれこれと話す。それは最早誰がどう見てもであった。
「あの、趙雲さん」
リムルルが呆然としながら彼女を見上げながら問うた。
「何をされてるんですか?」
「あっ、リムルルちゃんそれは」
しかしだった。ここで孔明が言う。
「言ったらいけないことになっています」
「言ったらなんですか」
「はい、あの人は華蝶仮面さんです」
彼女は流石にわかっていた。
「ですから。ここはですね」
「華蝶仮面さんと御呼びするんですね」
「そうです。あの人に合わせないとメンマを取り上げられた時と同じだけ怒りますから」
「難しい人なんですね」
真吾も呆れながら言う。
「それって」
「まあ気にしないで下さい」
強引にそういうことにする孔明だった。
「それでなんですが」
「乱世に舞い降りた一輪の花」
趙雲の言葉は続いていた。
「人呼んで華蝶仮面!」
「という設定なんだな」
「成程」
「じゃあそういうことで」
「やっていきましょう」
皆それに合わせることにした。そうしてであった。
「それで華蝶仮面さん」
リムルルはこう言い換えた。
「それで私達をですか」
「そうだ、助太刀に参った」
まさにその通りだというのだ。白い満月を背にして颯爽と言う。
「今ここに!参る!」
天高く跳んでだ。そのうえで何処からともなく来た愛馬に乗った。
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