グランドソード~巨剣使いの青年~
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第1章
4節―茨の旅の決意―
ギルド長の話と装備
前書き
ここから手直ししていないので、一気に文章が稚拙になります。
それでも良いという方はどうぞお読み進めください。
閉ざされた空間、書斎のような部屋の中でソウヤ、ルリ、受付嬢、そしてギルド長と思われしきガルフがそこにいた。
ソウヤがまず口を開けてしゃべりだす。
「はい、確かに私は18人目の2つ名持ちです」
ソウヤがそう言って『ギルド板』に目を移して超簡易ステータスのようなものをさきほどの強烈な光無しで現れさせると、ギルド長らしきガルフに渡す。
ガルフはそれをふんだくるように取ると、ジロリとそれを見てからある呪文を唱える。
すると、『ギルド板』が初めての時のように目がつぶれそうなほど光り、その光が収まるとソウヤに押し込むように返す。
「…確かに本物みてぇだな。で、お前はなんでギルドに入ろうと思った」
そうガルフは言ってジロリとソウヤを見ると、そう低い声でそう言い放った。
つまり、言葉次第で対応が変わるのだろう…とソウヤは思ったので、思ったことを言う。
「目立ちたくないからです」
「目立ちたくないからだぁ?それは矛盾だな。ギルドに入るということはお前みたいなやつは必然的にランクがS以上にはなるからな。目立つよなぁ?」
物を試すような目でソウヤをジッと見つめるガルフは、そう言い放つが、ソウヤは全く怯えもせず、淡々と言葉を返す。
「いえ、今私たちには一生分を暮せるお金があります。が、目立ちたくないのでただ淡々と宿で暮らすのは姿は見えませんが目立ちます。なので適度にギルドで稼いで終わりにしようかと」
「ほぅ…?」
ガルフが目をスッと細めると、試すような目から薄く…しかし鋭い殺気がこちらに向かってくるのが瞬時にソウヤはわかった。
そして次の瞬間、ガルフとソウヤは同時に動き始める。
「おらあぁ!」
普通の冒険者には見えない速度でソウヤに向かってくる拳…しかし、見えないのはあくまでそれは”普通の冒険者には”だ。
ソウヤはそれに反応すると右手の手のひらに力を張り、拳と同じ方向で突き出す。
バコォン!という筋肉同士がぶつかるような音がすると周りに強大な風が舞って小さな台風を作り出した。
「クッ…!」
ガルフは力を込めて極太の腕の筋肉が盛り上がって、格段にパワーが増えるが、それもこの状態でそのままソウヤは受け止めた。
そして、そのままソウヤは左手にも同じ張り手を作ると、ガルフの腹に打ち込む。
「はっ…!」
「ぐふっ…」
ガルフは唾を口から吐き出すと、後ろに少し吹っ飛ぶ。
吹っ飛ばされたガルフは巨大な事務机と言える机に背中をぶつけると、メキッ!と嫌な音が机から聞こえる。
ソウヤは相手から仕掛けてきたから別にいいか…と場違いなことを考えると、ガルフに手を差し伸べた。
「…やるじゃねぇか。さすがは均等を破壊する者『均等破壊』を持ったものだ」
「その2つ名はあまり好みません…」
ガルフが賞賛の言葉をソウヤにかけると、ソウヤは申し訳なさそうに頭を書きながらそう言った。
すると、ガルフがいきなり大きな声をだして笑い始める。
「ガッハッハ!そうかそうか、面白いなお前…。自己紹介を忘れてたな。俺のはここのギルド長、ガルだ、よろしくな。あと敬語はよせ、強いやつに敬語使われると背中がかゆい」
「わかり…わかった。俺はソウヤだ。よろしく」
そう言ってソウヤとガルは互いにニッと笑い合い、握手を交わしてソウヤはガルを引き上げる。
「ガル、悪いが俺が2つ名の事は…」
「あぁ。わかってるさ、黙ってるぜ。お前は俺の親戚ということで呼び出したことにしておく。おい、受付嬢。お前は他言無用だぞ」
「は、はい!」
ガルがニッと笑ったままソウヤにそう言うと、いまだこの部屋にいた受付嬢にガルは注意をする。
それに背中が冷や汗でびっしょりになりながら元気よく答えた受付嬢。
それにうなずいたガルは、ソウヤの方に向かって、申し訳なさそうに言葉を発する。
「悪いな。今から試験があるんだが、Cからで初めてくんねぇか?」
「あぁ。Cから始めることにするよ」
「すまねぇな」
そのガルの言葉にソウヤは首を横に振ってこたえる。
そして、ガルはルリの方に目を向けると、苦笑いしながらソウヤに言った。
「おい、ソウヤ。お前はこんな上玉と付き合ってんのか?」
「な、ないよ!俺みたいなやつがルリと付き合えるとかないだろ!?」
「な、ないですよ…!」
ガルがそう言うと、ソウヤとルリはほぼ同時にありえないと答え、その次にソウヤが言葉を続けた。
それを聞いたガルが「わかったよ」と言ったので、ソウヤは収まる。
ガルはソウヤを見て苦笑いした後、改めてルリを見ると、真剣な表情でルリに質問した。
「おい、そこの御嬢さん。あんた、どれだけ強い?」
「わ、分かりません…」
その問いに申し訳なさそうに答えるルリ。
それはそれで当然と言えるだろう、なぜならルリにはほとんど獣しか狩らなかったからだ。
しかし、その問いにソウヤが代わりに答える。
「あぁ。こいつなら希少能力『怒りの炎』相手に少しは持ちこたえたな」
「な!?あの『怒りの炎』の使い手、ラグール相手に持ちこたえたのか。それは…Aは確実そうだな」
「みたいだな」
ソウヤとガルが互いに話し合ったあと、ガルはルリに向かって顔を向ける。
「お嬢さん、悪いがCくらいで止めてくれないか?」
「えっ?別にいいですけど…」
「悪いなルリ。あんまり目立ちたくないからな、俺」
困惑するルリにソウヤは苦笑いをしながら伝えると、ルリは「いいですよ」と笑って返してくれた。
ソウヤはルリにありがたみを感じながら「ありがと」と伝えて、ガルに視線を向ける。
「ガル、悪いが明日まで試験は待ってくれないか」
「別にいいが、そりゃあなんで?」
「力を制限する用の重りを買うんだよ、そうしないとわざと負けるのが分かりやすいからな」
「そういうことか、わかった。」
「すまん」
ガルに向かってソウヤは頭を下げると、ガルは「よせよ、背中がかゆい」とか言いながら苦笑する。
ソウヤは頭を上げると、苦笑して「そうだったな」と答えて、今日の面会は終了となった…。
「…で、重りが欲しいんだが」
「どれくらいの重さでほしいんだ…?」
ここは鍛冶屋。
武器屋や防具屋、ましては道具屋ではなく、鍛冶屋だ。
その鍛冶屋で、店長らしき人物とソウヤが注文の話をしているところだった。
「そうだな…。じゃあ15kgぐらいのものを貰おう」
「1…15kg!?何考えてんだお前…!そんなひょろい身体で支えるのも苦労だろう!?」
「じゃあ、この店で15kgぐらいな奴運んできてくれよ」
ソウヤは店長にそう言うと、しぶしぶながらも奥の部屋に入っていった。
ソウヤが15kgがほしいといったのはしっかりとした計算をしていた結果、こういうのになったのだ。
まず、普通に考えて大剣の重さは約5kgで、俺の当初はやっと大剣が持てる程度の腕力で、その数値が15。
なので1kgでの腕力の数値を計算で図って15÷5=3…つまり1kg=必要腕力が3ということになる。
長剣は大体1kgぐらいなので必要腕力は大体が3~多くて6ほどで、それプラスその武器の重さを感じなく動けるようになるには2倍ほど腕力が必要。
つまりそれを考慮した結果、現時点で戦士にしてあるため2.5倍ぐらいも足して今の腕力は75。
それで持てる腕力を調べなければいけないから75÷3=25で、約25kg持てることになり、楽に動けるのは多く見つもって10ぐらいが適当だと判断する。
なので25-10=15という結果になったのだ。
「ほら、これぐらいが15kgだ。もてるなら持ってみやがれ」
「む、確かに重たいな。だけど…」
ソウヤは重い重い言いながらも必要腕力が15×3=45であるため少し重たい程度で楽に持ち上げられた。
店長はそれをみて絶句している…ルリも絶句ほどではないが驚いているようだ。
「これは戦士の効果だ」
「あ…あぁ。なるほどな。戦士の効果か。ま、良いだろう。いいぜ、作ってやる」
「すまないな。あと、その重りは明日までにやっといてくれ。2倍は払う。あと、これは時間はかかっていいが…」
ソウヤは注文を言いながら『瞬死の森』で手に入れた部品を1つの武器を作れるような多さを店長の前にどさりと置く。
店長はそれをみてソウヤを見たり部品を見たりして、驚愕に顔を歪めている。
「これで極上の武器を作ってくれ、代金は弾む。あとは鋼製の長剣3本と短剣一本。最後は鋼製のピックを20本ほど制作してくれ。代金は前払いで良いか?」
「あ…あぁ」
店長はあまりのすごさに絶句しかしなくなっていた。
ソウヤはそれに対して苦笑しながらも『金結晶』に現実化したお金をある程度注ぎ込んで、皮袋から取り出す。
「代金は10万Rほどで良いか?」
「1…10万R!?い、良いのか…そんな大金…?」
「あぁ。だがその中に俺のことをばらさない口止め料と腕がよかったらこれからも使わせてもらう迷惑料も入っている」
「…よし、あんたに喜んでもらえるような最高の武器を作ってやる。まってな。俺の名前はルグドだ」
「俺はソウヤだ。この連れがルリ。腕がよかったらこれからもよろしく頼む」
それだけ言って、ソウヤとルリは外に出て『窮龍亭』に向かうと、ルリが話しかけてきた。
「良いんですか?これだけやってもらっちゃって…?」
「ん?ああ。これの半分は2週間の間の恩返し。あとの半分は足手まといになって貰いたくないからな」
「はい、全力で頑張ります…!」
ソウヤは心意気万全のルリに苦笑して、帰路についていた…。
「重りはできたか…?」
「ソウヤか。あぁ、重りと短剣は出来だぞ。どちらも最高傑作だ、ほれ」
ソウヤはルグドから装備を貰うと、どんな感じか見てみることにして、心の中で『武器ステータス表示』と唱える。
すると、短剣だけのステータスが出てきた…重りは装備として認定されていないようだった。
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鋼の短剣 質…最高質 必要腕力…2
攻撃力+70 防御力+30 素早さ+50 魔力±0
武器スキル…素早さ+60 リーチ+10cm 空き
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これはすごい…とソウヤは心の中で感嘆の声をあげる。
「最高質で武器スキルが3つ…か。すごいな、これは」
「ソウヤは武器の能力が見えるスキルが使えるのか?」
「あぁ。『下段鋼魔法』が上級ほどな」
「ほう…!すごいな。冒険者でそれだけあげられるとは」
「まぁ…な」
ソウヤはこの最高質であと少しで固有名が付きそうな短剣を後ろに居るルリに渡す。
「い、いいんですか?」
「良いも何もこの短剣はお前のために作ったようなものだからな」
「ありがとうございます…」
ルリはソウヤに向かって頭を深く下げて礼を言うが、それはソウヤは苦手だったので「いいよいいよ」と簡単に答えを返して笑いかける。
そして、ルグドに礼を言ってから外に出て、それぞれ装備を付けた。
鋼の短剣は良く見てみると普通の短剣よりも艶が出ていて、少しきれいだ。
ソウヤは重りの形はリストバンドにしてもらったので、それを両腕にはめて動きを確認する。
「異常に重たくなった感があるな。しかし、普通に動ける…か」
ソウヤは腕を振ってみたりしてみるがなんともなく、大丈夫そうだ…と思うとルリと共にギルドへ向かい始めたのだった…。
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