提督はBarにいる。

　さて、うどんが2品続いたからな、お次は蕎麦といこうか。まずはさっぱりと食べられるサラダ仕立ての蕎麦を一品。

《さっぱりツルッと冷しゃぶ蕎麦！サラダ仕立て》米分量1人前

・蕎麦:1～1.5玉

・豚小間切れ肉:50～100g

・ほんだし:小さじ1

・大根:適量

・玉ねぎ、キュウリ、レタス等:適量

・万能ネギ:適量

・ポン酢:適量

・めんつゆ:適量



　さて、作ろうか。鍋に水400cc位とほんだしを入れて、沸騰したら豚小間を入れてサッと茹でる。

　蕎麦を茹でて流水で洗った後、氷水で〆る。しっかりと〆たら、ザルにあけてしっかりと水を切る。

　大根はすりおろして大根おろしにする。万能ネギは小口切りにして、玉ねぎやレタス、キュウリ等は食べやすいように刻んでおく。これ以外にもトマトやベビーリーフなど、野菜サラダに使う野菜なら好みで使ってもOKだ。

　タレは爽やかさをプラスする為に、めんつゆとポン酢を自分の好みに合わせて混ぜ合わせる。かなり塩気が強くなったり酸味が強くなったりするから、調合は慎重にな。

　深めの皿に野菜を盛り、蕎麦をその上に乗せる。茹でた豚肉と大根おろしを乗せたら、仕上げにタレをかけて万能ネギを散らせば出来上がり。食べる時には大根おろしと豚肉、野菜とよく絡めて食べよう。




　さて、続けて冷やし蕎麦をもう一品。今度も混ぜ蕎麦に近い物だが、ちょっと変わった味付けだぞ。トマトを活かしたサルサソース風の混ぜ蕎麦だ。

《ひんやりHOTに！サルサ風まぜそば》※分量1人前

・蕎麦:1玉

・トマト:1/2個

・玉ねぎ:1/4個

・めんつゆ:大さじ1

・レモン汁:小さじ1

・胡椒:少々

・タバスコ:5～6滴

・にんにく(チューブでOK):少々

・ガラムマサラ(あったら):1ふり


　さて、作っていこう。といっても工程は少ないんだけどな。蕎麦は茹でておいて冷たく〆る。トマト、玉ねぎはみじん切りにして調味料と混ぜ合わせておく。

　蕎麦をしっかり水気を切って器に盛り、タレと具材を上からかければ完成だ。コクが欲しいなと思ったらオリーブオイルをひと回し。また、ガラムマサラが無ければとんかつソースやウスターソースを隠し味程度に加えると含まれているスパイスが良い仕事をしてくれるぞ。
　

「どっちも美味しいです」

「五十鈴的にはこっちのトマトの奴の方が好みだわ」

　美味そうにズルズルと啜る択捉と五十鈴を見る限り、かなりの好印象だ。

「司令、冷たい蕎麦にはどんな具が合うっすか？」

「そうだなぁ……ネギ、生姜、大葉、ゴマ、海苔、茗荷辺りは定番だろ？変わった所だと玉ねぎとか、ツナ缶とかサバ缶も相性いいな」

「え、ツナ缶ってお蕎麦に合うんすか？」

「あぁ。というかツナ缶は大概の麺料理に合うけどな」

　どれ、それならツナを使った冷たい蕎麦を一品作ってやろう。



《玉ねぎとツナの冷やし蕎麦》※分量2人前

・蕎麦:2玉

・めんつゆ:つけ汁用で2人前

・玉ねぎ:小1個

・ツナ缶:1缶(80g)

・きざみのり:なるべくたっぷり

・おろし生姜:お好みで

・マヨネーズ:お好みで


　さて、作っていこう。蕎麦は普通に茹でて、冷水で〆ておく。

　玉ねぎを薄くスライスしたら、めんつゆの半分に浸しておく。こうすると玉ねぎにめんつゆが染み込んで、辛味が和らぐぞ。

　水気を切った蕎麦とめんつゆに浸した玉ねぎを和えて、器に盛る。そこにツナ缶、マヨネーズ、きざみのりを盛り付けたら残りのめんつゆをかけ、仕上げにおろし生姜を散らせば出来上がり。これまたよく混ぜて食べてくれ。



「いや～……蕎麦とツナよりマヨネーズが合うのがビックリっす」

　ズルズルと啜りながら、占守が食べての感想を述べる。まぁ確かに、普通は蕎麦とマヨネーズ合わせようなんて思わねぇよな。




「……ねぇ、冷やし中華って出来る？」

　さっき出してやった冷やし蕎麦を択捉と分けて食べ終わった五十鈴が、そう切り出した。冷やし中華自体は夏場の定番メニューだしよく注文されるから、作り慣れているからサッと作って出してやる事は出来るが。

「でも、ありきたりの冷やし中華じゃ面白くないのよね……」

「じゃあ何か？変わった冷やし中華を出してやればいいのか？」

「……あるの？」

「あるよ」

　ったく、五十鈴も俺との付き合い長いんだから、出来そうかどうか解りそうなモンだろうに。

《アッサリ＆コッテリ！蒸し鶏のネギまみれ冷やし中華》※分量2人前

・中華麺:2玉

・鶏モモ肉:1枚

・キュウリ:1/2本

・長ネギ:1/2本

・生姜:1片

・にんにく:1片

・醤油:大さじ2

・酢:大さじ1

・砂糖:小さじ2

・ごま油:大さじ1




　さて、作るとするか。鶏モモ肉に軽く酒をかけ、ラップをして電子レンジで5分チンする。引っくり返して更に5分加熱し、しっかりと火を通しておく。

　中華麺は茹でて流水でぬめりを取り、しっかりと〆ておく。長ネギはみじん切り、キュウリはすりおろしておく。

　調味料を全て混ぜ、タレを作ったら刻んだネギと下ろしたキュウリを軽く絞ってから加え、馴染ませておく。

　器に水気を伐った中華麺を盛り付け、その上に食べやすい大きさにカットした鶏モモ肉を乗せたら、仕上げにネギだれをたっぷりとかければ完成だ。もう少し野菜が欲しければ、茹でたもやしなんかを添えると相性が良いぞ。




　さて、変わり種の冷やし中華という事でもう一品。今度はナンプラーを使ったエスニック風の冷やし中華だ。

《ゴマとナンプラーが香る！エスニック風冷やし中華》
※分量1人前

・中華麺:1玉

・牛ハラミ:100g

・キュウリ1/3本

・玉ねぎ:1/4個

・パクチー:お好みで

(タレ)

・白練りごま:大さじ2

・白すりごま:大さじ1

・醤油:大さじ1

・酢:大さじ1

・砂糖:大さじ1

・鶏ガラスープの素:小さじ1

・豆板醤:小さじ1/3

・塩:ひとつまみ

・水:80ml

(タレその2)

・レモン汁:大さじ1.5

・ナンプラー:大さじ1.5

・砂糖:小さじ2

・生唐辛子:2本

・お好みのナッツ:適量



　さて、作っていくぞ。牛ハラミ肉は軽く塩をして(分量外)焼いておく。

　キュウリは縦半分に割ってから斜め薄切りに。玉ねぎはスライスして水にさらしておく。

　中華麺を茹で、流水で洗って〆ておく。その間にごまだれを調合しておく。このごまだれ、作るのが面倒だというなら『マルちゃん正麺　ごまだれ冷やし中華』が一番味が近いのでそいつで代用してくれ。

　レモン汁、ナンプラー、砂糖、生唐辛子を刻んだ物、お好みのナッツを細かく砕いた物を混ぜて、具材の味付け用のタレを作る。出来たら焼いておいた牛肉、玉ねぎ、キュウリを加えて和える。

　よく水気を切った麺を器に盛り、ごまだれを回しかける。その上に和えた牛肉と野菜を乗せ、仕上げにパクチーを飾れば完成だ。




「そらよ、『蒸し鶏の冷やし中華』と『エスニック冷やし中華』だ」

「どっちも美味しそうね、貴女達も食べる？」

　五十鈴は箸を取りながら、海防艦の3人にも尋ねるが、既に腹がくちくなっていたのか、首を横に振る3人。

「あら残念、じゃあ私一人で頂くわね」

　五十鈴はそう言うと、チュルチュル、ズルズルと休む事なく冷やし中華を啜っていく。その姿に唖然としている占守達。まぁ、ウチの連中はよく動くから総じてよく食べるんだよなぁコレが。お陰でエンゲル係数がエラい事になってるらしいが……まぁ、必要経費と割り切っている。

「ふぅ、ご馳走さま。また来るわね提督」

「毎度。明日も出撃頼むな」

「ふふ、任せといて！」

　4人分の勘定を済ませ、颯爽と去っていく五十鈴を見送りながら、

「私、ここでやってく自信無くなったかも」

　と国後がポツリ。

「安心しろ、あと一ヶ月もすりゃあ慣れるから」

　事実、この数ヵ月後にはこの3人も訓練課程を終了して毎日の対潜掃討に駆り出される様になり、毎日の食事量は他の連中と大差ない位にはなるのだが、それはまた別の話。 

はい、という訳で今回はここで終了という事になります。本当は変わり種の冷やし中華やら冷しうどん、素麺、パスタ等々やりたかったんですが、やろうとするとあと10話くらいは必要そうだったので別の機会にする事にしました。期待していてくださった皆さん、申し訳ないm(_ _)m