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太陽が一杯

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第四章

「そう思うわ」
「あのまま部屋にいたら」
「クーラーかけてその中で漫画読んだりゲームして」
「それで暑い暑いって言って」
「コンビニにアイス買いに行ってね」
 ついでにお昼御飯もだ。
「そこでまたね」
「暑い暑いって言って」
「何も建設的じゃなかったわね」
「そうだったね」
「そう思うと」
 シーツの上で三角座りをした姿勢でアイスを食べつつ言った。
「海に来てよかったわ」
「そうだね、今日は」
「暑い休日は」
 まさにその時はだ。
「こうして海に行くといいわね」
「うん、本当にね」
「まあお盆過ぎたらね」
 私はその時のことは笑って言った。
「海じゃなくてプールね」
「もうその頃の海と来たら」
「海月が出てね」
「酷いからね」
 もう泳げたものじゃない、その頃になると海も静かになる。
「誰も行かないよ」
「そうよね」
「うん、ただね」
「今はね」
「こうして海にいるのもいいよ」
「全くよね、じゃあ午後も泳いで」
「ビーチバレーとかしないんだ」
 彼は私にこの遊びも聞いてきた。
「それはしないの?」
「二人でするの?」
 私は彼にどうもという顔で問い返した。
「それはね」
「ああ、ちょっとね」
「そうでしょ、あまりね」
「楽しそうじゃないね」
「そうよ、後暑いじゃない」
 砂浜にいるとだ、冷たい海の中にいるのならともかく。
「だからね」
「それはしないんだ」
「暑いのが嫌だから」
 だから海に来たしだ、四十度はあるんじゃないかと思う。
「だからね」
「それでだね」
「それは止めましょう」
 ビーチバレーはというのだ。
「海で泳げばいいから」
 波が銀色に輝いている文字通りマリンブルーの何処までも続くその海を観ながら彼に言った。
「そうしましょう」
「それが涼しいから」
「是非ね、夕方までね」 
「泳ぐんだね」
「そうしましょう」
 こう言って実際にだ、私達は海で遊び続けた。そしてだった。
 五時位になってやっと泳ぐのを終えてだ。私達は部屋に帰る準備をした。やっぱり車の中で着替えてだった。
 勿論道具もなおして返してだ、私達は帰路についた、そこでだ。
 私は走る車の助手席から車道の向こうの海と空を見てだ、こう彼に言った。 
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