イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜
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プロローグ 円堂との出会い
〜鉄塔広場〜
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10………うわぁ!」
日が暮れた鉄塔広場に茶髪の少年の声が響く。少年は頭に橙色のバンダナをはめ、リフティングをしていた。その近くに寝癖がついた短めで黒髪の少年が駆け寄ってくる。少年は小学生とは思えないくらい美形だった。
「君、大丈夫?」
「いてて………って、だれお前?」
「おれは、廣川駿吾。君は?」
地面に尻をついている少年を少年──廣川は手を差し伸べて立たせてあげた。服についている土埃を払って少年は廣川に向かってニカッと笑う。
「おれは円堂守! お前もサッカーやってるのか!?」
「まあ、楽しむていどにね。それより君のこと気になってみてたんだ」
少年──円堂守の言葉に廣川はそう答えた。それから2人でリフティングをしたり、ボールの取り合いをやって汗を流した。そして今、おじいさんの必殺技ノートというのを廣川は円堂に見せてもらっていた。
「きたない字だな……円堂はよめるのか?」
「よめるところはよめるぜ! それよりスゲェなお前! おれもがんばらなきゃな!」
「円堂はここでずっとれんしゅうしてるんだ」
「ああ! まあ、おれはGKだなら1人じゃれんしゅうしづらいんだけどね……」
廣川の言葉に円堂は寂しそうな表情を浮かべて答えた。それを聞いた廣川は少し考えた後口を開く。
「………ならおれもここでいっしょにれんしゅうするよ。円堂といっしょなら楽しめるから」
「! ホントか!? ヤッターッ!!」
「あ、ああ……」
先程の表情とは違い嬉しそうに喜ぶ円堂に、廣川は苦笑していた。廣川は円堂に尋ねる。
「じゃあ円堂のまわりにはサッカーをしている人はいないんだ」
「ん………ふゆっぺも転校しちゃったし、風丸もたまにしかあいてしてくれないし」
円堂は再び寂しそうな表情をした。それを聞いた廣川は笑みを浮かべて言う。
「円堂、おれたち同じ中学校に行こうぜ。そこでサッカー部に入って、ぜんこくたいかいでゆうしょうしよう」
「おお!! ならさ、雷門中にいこうぜ!! そこがじいちゃんのノートにあるひっさつわざのイメージにぴったりなんだ!!」
「雷門中か……じゃあそれまでおれはべんがくとサッカーをがんばらないとな」
目標が決まった廣川は良い笑みを浮かべたいた。そして廣川は円堂に向かって手を出し
「じゃあ、明日もここでれんしゅうだな」
「ああ!よろしくな、廣川!」
円堂は手を握った。この日を境に円堂と廣川はお互いに自身のサッカーを磨き出し始めた……この日が伝説の始まりであると………
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