世界をめぐる、銀白の翼
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第四章 RE:BIRTH
遺跡爆発!!
砂、砂、砂、砂しか見えない。
それしかない。
砂漠に踏み込んだ蒔風たちの目の前に広がる光景はただ砂ばかりである。
日光が上から蒔風たちを照らし、砂で跳ね返って下からも焼き付ける。
光に視界は眩むし、目印が見えないのでこまめに方角を確認して進み直す。
と、普通は三人共にキツイ状況なのだろうが・・・・・
「よ、翼人の翼はこういうのじゃない・・・・」
「涼しくて快適~」
「だな。よっ、さすが!!」
辛そうにしているのは蒔風一人だ。
汗はだらだら、帽子をかぶり、ストールを顔に巻きつけている。
一方、フェイトとランサーは蒔風が開翼した翼を屋根にして、その影で平然としていた。
翼がバサバサしていて、適度に涼しい風も来る。
こうなったのも数分前のこと、蒔風が砂漠に入って大変そうになっている二人を見て、提案したのだ。
もちろん、蒔風も大変なことは大変だったのだが、まあこの距離なら、と甘く見たのが運の尽き。
方向の確認、砂によるスピードの遅れで、思ったよりも時間がかかってしょうがないのだ。
最初の五分くらいは良かったが、そこから一気にツラくなってきた。
しかし「到着するまで俺が何とかしてやんよ」と調子に乗ったことを言ってしまった手前、いまさら「やめていいか?」などとは言えない。
「へぇ・・・ふぅ・・・・」
「おらおら~がんばれ~」
「ほら、もう少しだよ~」
二人も蒔風の口元にストローを持って行って水を飲ませて労をねぎらっているが、何とも気の抜けた声だ。
「おぅ・・・まかせんしゃ~い・・・」
蒔風が力なく答える。
大丈夫、目的地は見えてきた。
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「あぅ~~~~~~」
「お疲れ様」
「ご愁傷様」
「フェイト・・・お前それ違・・・もういいや(グテッ)」
そして、ついに遺跡にたどり着いた三人。
蒔風は岩を枕にして、顔にタオル掛けて倒れている。
この遺跡は、巨大な岩をくりぬいてできたような場所だ。
高さ三十メートルはあろうという巨大な岩に亀裂が入っており、そこから入ってすぐのところで三人は休んでいる。
ちなみにここから遺跡は始まっており、この先に神殿のような入口が設けられてるようだ。
組み上げて作った、というよりは、もともとあった巨大な岩に穴があり、そこを削ったりなんだりで作った感じだ。
「こんな感じの遺跡、インディ・ジョーンズで見たぞ」
「あ、思った。そんな感じだよね」
「ジョーンズってのはなんだ?」
テレビとかでたびたびやる映画を思い出し、頭にタオルを置いた蒔風が一人ごちた。
それにフェイトも共感し、映画に興味のないランサーが「なんだそれ?」と言う顔をする。
「映画だよ、映画。確か聖杯を巡った物語だったな」
「聖杯?」
「お前の知ってるのじゃなく、宗教的にマジもんのな」
「なんだよ」
こっちの方がすごい気がするのだが、それをなんだの一言で切り捨てる男、ランサー。
流石である。
「ま、あくまで映画さね」
「そうそう、この先にあるのはただの隠れ家だし・・・・」
と、そこで踏み込もうとしたフェイトの足がピタリと止まった。
どったん?とフェイトに聞く蒔風だが、直後に理由がわかった。
ここは岩の亀裂の中だ当然左右は壁に挟まれている。
問題はその壁に開いている無数の穴の中から、同じ数だけ銃口が伸びてこちらに向けられているということだ。
「この展開は映画と違うなぁ」
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「・・・なるほど。あんたらはここにある遺跡を見に来たってわけか」
「そうなる。だからあんたらの何を盗もうとか奪おうとか、盗賊を壊滅させに来たわけじゃないから」
「それにこっちは三人。そんなんでくる奴ァいねーよ」
「だから・・・行かせてくれない?」
数分後、蒔風は壁の中にあった部屋に連れて来られていた。
おそらくはこの遺跡を作る際に使用された奴隷たちの住処だった場所だろう。
そしてそのまま残ったそれを、彼らが使っているというわけだ。
その中でも一番大きな部屋であるここは、目の前のリーダーの部屋らしい。
リーダーの部屋と言っても、彼の個室自体はここの隣にあり、広さも他の物と同じらしいが。
ただこの部屋は今行われていることや、作戦会議などで使われ、ほとんどの時間リーダーがいるため「リーダーの部屋」と呼ばれているというわけだ。
その部屋で、蒔風がリーダーに言う。
先に進ませてくれないか?と
特に縛られたり拘束されていないのは相手の余裕か、それとも自信か。
しかしここで争う意味はない。
通してくれるならそれに越したことはないのだ。
「・・・・・お前ら、なんでオレらがここに住んでんのか知ってっか?」
「?」
「なんで遺跡の中じゃなく、わざわざここで生きてるかってことだよ」
「・・・・・罠か」
リーダーが忌々しそうに言う。
この遺跡にはトラップがあるらしい。
今まで何人ももっと住みやすい中を求めて行き、そして帰ってこないか、帰ってきても一部だけだったという結果しかないらしい。
「だから俺たちは奥にはいかない。ここでも十分住めるしな」
彼らは内戦で親を失った。
リーダーはこの集団の中でも古株だ。
そして放浪の末、この遺跡を見つけたらしい。
彼の同期はみんな死んだ。
親の仇を取る
こんな所より街に行く
街じゃだめだ、国を出よう
他の世界に行こう
そういって飛び出したものもいたが、噂にもならないところを見ると、おそらく結果は変わらないだろう。
そして、彼はここに残って孤児たちを連れてきては一緒に暮らしていた。
遺跡を作るために連れてこられた奴隷が暮らしていたこともあって、湧水はあるし、食料も採れる。たまにオオトカゲが出てくるので、それを狩れば肉も食える。ここでは一通りの自給自足が可能なのだ。
昔の人さまさまである。
そうしてそのまま残った者が、生活し、もはや一つの街になっているのだ。
「こんなとこに来るやつはいない。武器は死んだ兵士・・・っつってもいいのかわからないけど、そいつらからとった。ここはこの国じゃ一番安全だと言えるかもな」
そう言うのはリーダーで、現にここが襲われたことは一度もないようだ。
「はーん、じゃあ別に盗賊じゃなかったんか。すまぬ」
「いや、まああんな対応したら普通はそう思うだろう」
そんなことを言ってぺこりと頭を下げる蒔風。
が
「だと言っても、俺はまだあんたらを信頼してない」
「え?」
いい感じに話がまとまりそうだったが、リーダーはまだ心は許していないようだ。
その言葉にフェイトが気の抜けた声をだし、ランサーが説明した。
「この話が本当である証拠は何もねぇ。こんな嘘言って適当に帰って、そしてここを奪えばかなりの要塞になるからな。それにもしかしたらオレらは「バカ」か「ボケ」の人間かもしれない。そう考えると、ホイホイ信じるわけにはいかねぇってわけだ」
「じゃあ身分を明かせば?」
「それがいい方に転ぶかどうか、五分五分だろ?」
この世界は管理局の介入を拒む世界だ。
「EARTH」だから大丈夫、という保証はない。むしろない方が可能性は高い。
今ある状況から、下手にマイナス方面にはもっていきたくないのだ。
「じゃ、どうすれば俺たちはいいのかな?」
「・・・・まあ、遺跡に行くのはいい」
「ありゃ、いいの?」
「どうせ行っても死ぬだけだ。お前らが仮に帰ってこれたら、その時考えてやるよ」
「ま、確かに。でも中に抜け道があって逃げたらどうする?」
「その時はその時だ。まあ、人生なんてそんなもんじゃないか」
「?」
「いつだって、最期にモノを言うのは実力云々よりも「運」ってやつさ」
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そうして、蒔風たちは遺跡の入り口にまでやってきた。
ちゃんと中に入るかどうかを見るため、リーダーと数人も来ている。
「一応言っておこう。じゃあな」
「ああ、またな」
そういって、中に踏み込む。
三人の姿は、あっという間に暗闇に飲まれて見えなくなった。
「アイツら、何もんでしょうか?」
「わからん。だが、悪い奴らでないことを祈る」
「悪い奴だったら?」
「黙ってこいつをぶち込むだけだ」
そう言って銃をスライドさせるリーダー。
そこに一人の少年が駆け込んできた。
「大変だ!ボルボダロンの奴らが・・・・」
「どうした?」
「こっちの中に入ってきやがった!!バルガの方もやられちまった!!」
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暗闇の中で、明かりが三つ灯る。
それはゲイボルグの先端の炎で、蒔風の獄炎で、バルディッシュのコアの光だ。
少し中に入り、この光が外に漏れないくらいの内部。
思っていたとおりの内装である。
足元は砂まみれ
両脇を石像が固めている
これが映画なら石像が動き出して襲い掛かり、足元の砂が落ちていくところだ。
「大丈夫だよね?」
「さぁ?ま、落ちたら飛べばいいし、襲ってきたらぶち壊せばいい」
そういって、奥に進んでいく三人。
途中途中で人骨が見え、それは何百年以上も前の物だったり、ここ数年の物だったりとまちまちだ。
おそらくはトラップの犠牲者だろう。
「あちゃ~、理樹連れてくればよかったかな?」
「ねェちゃんから貰った地図あんだろ?大丈夫かよ」
「だってこれ見てよ」
ランサーが地図もあるんだから罠ぐらい平気だろうと言うが、それに答える形で蒔風が地図を見せた。
フェイトも一緒になってそれを見るが、二人の顔が固まった。
「ここにトラップ。それを回避するとそこ以外の足場にもトラップ。飛び越えて行ってもその先にトラップ。どこもかしこもトラップ」
「ってことは・・・・」
「とりあえず踏んでけ、ってこと?」
「鬼畜だ・・・・」
どう選んでもトラップだった。
と、そこで蒔風がもうめんどくさいと「林」を取り出して三人を包むようにボールの形にバリアを張った。
まるでハムスターボール、というかまんまそれだった。
「理樹なら壁全部にバリア張れんだけどな~」
「これでも十分だよ」
「これだと落とし穴あったら落ちるけどね」
そういってごろごろ転がしながら先を進む三人。
槍やら魔法弾やらが飛んでくるが、たいていはバリアに弾かれて消える。
そうして歩くこと十分後
ここか、とランサーが呟く。
それは遺跡には似つかわしくない厳重な扉だった。
金庫に使われるかのような扉だ。
ルネッサの話とも合う。
そして、そこを開いた。
そこには――――――――――――――
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「やべぇ!!こっちに来るぞ!!奴ら人間狩りしてやがる!!」
「ボルボダロンの噂はホントだったのかよ!?」
「あの悪魔どもめ・・・・!!」
「なあ!!ここは大丈夫なのか!?」
「逃げたってどう生きるんだ!?どっちにしても同じなら俺はここに残る!!」
リーダーの顔は堅い。
決断が迫られる。
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「・・・・子ども?」
「なんで?」
扉を開いた先
そこには一人の子どもがいた。
いや、よく見るとその奥にもまだ数人いる。
ぽーーー、とした顔で突っ立っており、三人の顔を見つめていた。
「なんでこんなところにいるの?危ないよ?」
別に時間に追われているわけでもない。
フェイトがその子にやさしく問いかける。
その間に蒔風は見つけたコンソールに手を当て、起動させていく。
ランサーは奥の部屋に入り、何かないと物色していった。
「君たちだけ?お父さんお母さんは?」
「・・・・・」
質問されるも、言葉は発さない子供たち。
奥にいる子は暗がりで顔が見えない。
「そっちの子もおいで?外に出ようよ。危ないよ?」
そういって、フェイトがむこうにいる子を呼んだ。
同時、蒔風がコンソールであるモニターを開く。
検索事項は「兵器」「製造」
そこに、検索結果といくつかの画像が出てきた。
ランサーが奥の部屋を見ていると、壁を叩いた時の音が一部違う。
ためしに槍で突くと、ガラリと崩れて向こうが見えた。
そこには生体カプセルが七つほどあり・・・・
「「「え?」」」
それぞれの場所の三人が、全く同じ声を上げた。
フェイトが見たのは、暗がりの向こうから近寄ってきた子。
今まで話し掛けていた子と同じ顔をした子ども。
蒔風が見たのは、モニターに映った、さっきの子ども。
「マリアージュの能力、複製成功」と書かれている。
ランサーが見たのは、カプセルに浮いた三人の子ども。
七つのうち四つはわれており、今フェイトの目の前にいるのはその四人だろう。
直後
「「「ッッ!!!」」」
ドオォン!!!
フェイトがバリアジャケットを展開させ、後退した瞬間に子供が爆発した。
どろりと溶け、液体のように変質し、一気に着火、爆発したのだ。
蒔風の背中に、子供が一人飛びついてきた。
目がグワッ!と開かれ、口元が真っ赤に光って、炎を巻き上げ爆発する。
ランサーの目の前では三つのカプセルの中の子どもの目がギョロリと開かれ、ガラスをぶち割って襲い掛かってきた。
「うぁっ・・・!!舜!!ランサー!!」
「ッッ―――ガァッ!!大丈夫だ!!そっちは!?」
「ガキどもが出てきやがった。こいつら人間じゃねェぞ!!!」
部屋から飛び出し、各人が確認しあう。
蒔風はとっさに開翼し、翼で爆発から身を守ったらしい。
フェイトも頬にすすがついているが問題ない。
ランサーは爆発されていないので無事だ。
「マリアージュの子ども版!?」
「トレヴィアはスカリエッティのテロに参加する予定だった。こいつらを使うつもりで、研究中に死んだんだ!!」
しかし、七体はすでに製造中で、うち四体がここの維持に動き、三体は眠っていたのだろう。
七体全員がいたということは、ここまで侵入していた人間は一人もいなかったということらしい。
「子どもを模した爆弾・・・・管理局員が近づいて保護したところで施設ごとドカンか・・・なんてことを」
「えっげつねぇな!?」
「効果的だ。現にさっきもフェイトは危なかった」
そんなことを言っていると、ガシャァ!と言う甲高い音を立てて、残った子供五人が蒔風たちに突進してくる。
うち三人は裸だが、手に持つ凶器がそんなことは気にさせなくなる。
まともな武器は持ってないのか、そこら辺にある岩や鉄パイプを握って突っ込んでくる子どもはかなり怖い。
「ランサー!!頼む!!フェイト行くぞ!!」
「うん!!バルディッシュ!!真ソニック!オープン!!」
《Limit Break.Open Wing》
それを見て、蒔風とフェイトが背を向け、ランサーが槍を投げるように構えて魔力をためた。
フェイトは背中から魔力を翼のように展開し、バルディッシュをライオットにして片手に持つ。
蒔風も加速開翼を準備して、二人がランサーの左右に、背を向けてに立った。
「行くぞ!!」
「いつでも!」
「どーぞ!!」
「き穿つッッ!!死翔の槍!!」
ギャッ・・・・ォオッッ!!!!
ランサーが宝具・ゲイボルグを放つ。
それを同時に、蒔風とフェイトがランサーの脇を抱えて全力疾走して出口に向かう。
そして、後方で大爆発が起きた。
あの子供たちにゲイボルグが命中し、一気に爆発させたのだろう。
そしてそれだけ爆発させれば、当然この遺跡は崩れる。
だから、加速開翼と真ソニックで、一気にこの場を突破しているのだ。
「ランサー!!大丈夫か!?」
「密室やべぇ!?すげぇ勢いで炎が来てんぞ!!」
「やっぱり無茶だったんだよぉ(泣)!!」
ひーん、と半分笑い半分泣くフェイトだが、当然諦めているわけではない。
そうして走っていると、出口の光が見えた。
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「だめだリーダー!あいつらここまでくんぞ!!」
「ち・・・・おいお前ら」
遺跡の近くまで後退したリーダーたち。
彼らは今襲撃を受けていた。
内戦は、急に終わりを告げた。
勝者はボルボダロングス・ケルッツァーリン。
陰惨な戦争の次に訪れたのは蹂躙だった。
ボルボダロングス・ケルッツァーリンは、ほかの二国の領土に押し入り、奪えるものは奪っていった。
それは何もおかしくはない。それが戦争だ。
しかし、彼らが奪っているのは財産や食料ではなく「人間」だった。
そして今、ついにここのことも嗅ぎ付け、襲い掛かってきているのだ。
逃げるものは逃げた。
しかし、大半の人間はここに残った。
理由は、リーダーが声をかけた「彼ら」にある。
「おいお前ら」
リーダーがもう一度声をかける。
かけられたのは、一番上でも十代前半ほどの子どもたちだ。
「この先に隠し洞窟がある。危ないからいつも入るな、って言ってる場所だ」
「う、うん」
「今日は特別に入っていい。中にはたくさん飯もあるはずだ。そこで静かにしてなさい」
「お、おじちゃんは!?」
「オレは・・・・あのうるさい人たちを少し懲らしめてくるから」
ダメだよ!!
死んじゃうよ!!
一緒にいて!!
いやだいやだ!!!!
リーダーの言葉に、年が上の方の子どもたちが泣く。
まだ小さい子はいつもはだめと言われた場所に入れると聞いて、ウキウキしている。
現状を理解していないのか、それともこんなことは理解したくないのか。
しかし、リーダーは子どもたちを抱えて、遺跡の入り口わきにある隠し洞窟に押し込んだ。
実際には抜けられない穴なのだが、大きいために「洞窟」と呼んでいる。
あそこなら地下に入っているから大丈夫だろう。
もともとこういうことに使うつもりだったから、強化もしてある。よほどの攻撃じゃなきゃ崩れない。
一緒にいてと言う子供たちを押し込み、リーダーと四人の男、二人の女が、銃を担いで迫る敵をにらむ。
リーダーの武器はストレージデバイスだ。
若草色の魔力が、そこにたまっていく。
「弾は何発ある?」
「今日までにあんたが込めてくれた分、500発」
「ってか、それ以上カートリッジ持ってねぇし」
「お前らは子供たちと一緒じゃなくていいのか?」
「あら、あんたたちじゃ不安だからね」
「今は女も戦う時代よ。管理局を見て見なさい」
「管理局、か。この国が頼ってくれればな」
そんなことを言っていると、目の前にぞろぞろと敵が出てきた。
そいつらは、クリスタルのようなものでできた人形だった。
中には管理局員のような姿をした者もいれば、大きな剣を握ったもの、装甲を纏った戦士などまちまちだ。
そして
「絶対にここから先には行かせん!!!」
「「「「「「うォォォオオオオオオオオオオオオ!!!」」」」」」
リーダーの雄叫びと共に六人の仲間が吼え、敵に向かって突っ込もうとし―――――――
「あっぶなぁい!!!脇に伏せろ!!!」
背後の遺跡の中から、蒔風たちが飛び出してきて、彼らをひっつかんで入口の脇に引きずり込んだ。
直後、遺跡の入り口である穴から、一気に炎が噴き出して目の前のクリスタルどもをまとめて焼き払い、消滅させた。
「!?!?!?!?」
「うぉあ!?すげぇ!?」
その炎が止むころには遺跡の入り口は二倍くらいに広がっており、目の前の敵は少しの欠片と、どろどろに溶けた何かになって残らず消えていた。
「・・・・・えっと・・・」
「大丈夫か!?いやぁすまん。遺跡焼いちゃった」
「いや、それはいいんだが・・・・助かった」
「?」
そこで、蒔風が事情を聞く。
内戦が終わったこと。
地獄が始まったこと。
見たこともない兵器を使っているということ。
守るため、彼らは応戦していること。
敵はまだ来るということ。
「・・・・わかった」
全てを聞き、蒔風が外に向かう。
「戦って・・・くれるのか?」
その蒔風に、リーダーが問う。
蒔風が笑いながら答えた。
「そんな上等に考えんなよ。オレらだってこのままじゃ帰れないからさ」
そういって外に向かう三人。
見たことのないような兵器。
大いに心当たりがある。
to be continued
後書き
遺跡では何もわからなかったけど、これからわかりそうですよ!!
蒔風
「オルセアに手掛かりはあったが、遺跡にはない、か」
フェイト
「じゃあこの敵、っていうのが?」
ランサー
「あのクソ機関らしいな」
その通り!!
さあ皆さん、がんばっていきましょう!!
次回、翼人対抗兵器
ではまた次回
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