世界をめぐる、銀白の翼
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第四章 RE:BIRTH
レッツフィスティボー!!
雛見沢村、古手神社、境内
そこには今夜、実に多くの夜店が並び出ており、その場にいる全員が浮足立っている。
そう、今夜は縁日。ようはお祭りの日だ。
「全員浴衣着たー?」
『はーい!』
「お金持ったー?」
『はーい!』
「じゃ、行きましょう!」
ここは雛見沢一の名家、園崎家の広間。
そこで数名の女性が、浴衣の着付けを行っていた。
クド、美魚、魅音、詩音とが着付けを見て回り、ほかのメンバーがやってもらってるという形だ。
この場に来ているのはまず年長者の光夏海
クド、美魚、葉留佳、そして葉留佳が誘った佳奈多
大和が行くということでついてきた川神百代、一子
それに祭り好きの星に、一刀についてきた愛紗、華琳、蓮華
後はティアナ、スバル、キャロとルーテシア
最後に当然ながら、雛見沢部活メンバー女子陣だ。
ちなみに梨花、羽入、沙都子はすでに境内でお神酒を配っている。
巫女服で。
そう、巫女服で。
大事なことなので二回言いました。
羽入もいつものではなく普通の巫女服で。
三回目いただきました。
「ふぅ~、こんなもんかねぇ」
「おお」
「すごいね~。私たちより年下なのにね!!」
皆のを見て回り、最終的な手直しをしていた魅音が汗を拭う仕草をして一息つき、見事な着付けに百代と一子が感心していた。
まあこの中では一番和服だとかに精通しているし、魅音に頼るのもわかる気がするのだが、この二人は武道ばっかじゃなくてもっと女子力を磨くべきだ。
「わふ~、魅音さんさすがですッ!」
「本物を見させてもらいました」
「ふむ・・・・これが麻?とかいう生地なのね?」
「ご主人様の文化はこう何か・・・・一つ一つに芸術を感じます」
そんなこんなで、冒頭での夏海の言葉に戻る。
男性陣は前原邸で浴衣に着替えているので、神社の階段下で合流することにしているのだ。
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と、言うわけで男性陣側の前原邸である。
いるのはまず蒔風、理樹、真人だ。
恭介は海での盗撮が原因で理樹の書類を押し付けられていて、謙吾は剣道の大会が重なってしまった。
謙吾は「大会などどうなっても構わん!!」とかいって屋上からバンジージャンプなど無謀な遊びを幾度も敢行していたらしい
だがしかし、なんということか
神は言っている。ここで死ぬべきではないと。
謙吾はなぜか擦り傷程度で済み、普通に大会に出れてしまったのだ。
理樹の必死の説得で何とか大会には出てもらえたそうだが・・・・
余談だが、謙吾は天下無双を起こして圧倒的優勝を飾った。
・・・・・・憂さ晴らしでないことを祈る。
あと、直枝大和、北郷一刀というハーレム野郎。
話を出した時には今こっちに来ている人間しかいなく、それ以上連れて行こうともしたのだが
「お祭りでの食費」
という一言でそこから話を広げることはなかった。
おそらく全員連れて来たら雛見沢の食材は消え去るだろう。
無論、彼らの懐の中身もだ。
一人につき「さらば諭吉」×15くらいは行けるかもしれない。
それと圭一、悟史、エリオ、以前来たときは祭りどころではなくなってしまっていた士、海東、ユウスケだ。
しかし・・・・・
「これどう着ればいいんだ・・・・?」
非常に残念なことにこっち側に浴衣の着方を熟知した人間はいなかった。
だから「俺に苦手なものはない」という士と海東のかじった程度の知識をもとに、全員で頑張って着てみたのだ。
真人はめんどくさいだとかで甚平にしているが。
「野郎の着付けして何が楽しいのか・・・・・」
「俺だって野郎にしてもらってもうれしかねぇよ!!!」
「うひょーー!!まっつっり!!まっつっり!!」
「「・・・・・・」」
「いや、あのバカは別だろ・・・・」
「アホって言って!!」
「聞こえてた!?」
そんなこんなでこちらも終了。
家を出て、神社に向かう。
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「みんなおっそいねー」
「こういう時は普通ガイズ逹の方が早いんじゃないですかネ?」
神社の階段下で待つ女性陣
まあ、男性陣の手間取りを知らないので、こうも気楽に言えるのだが。
そうして待っているとほどなくして男性陣が到着。
「悟史君!!なんで私柄の浴衣着てくれないんですか!?」
「詩音の顔がプリントされた浴衣なんて着れないって!!」
そんな言い合いも流し、さて行こうということで階段を上り始めた。
「俺たちはのぼり始める。この長い長い階段を・・・・・」
「人生はじまりそうだな、それ」
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階段序盤
「いやぁ、見上げると結構長いなこの階段」
「俺なんかこの一番上から一気にジャンプしたことあるぜ」
「ま、張り切っていこー!」
中盤
「ちょっときついかな?」
「いやいや、大丈夫!」
「わははははは!!三往復目!まだまだ行くぞ一子!!」
「はーい!!あと四往復!!」
「危ないから走んな!!!」
少し上
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ご主人様?大丈夫ですか?」
「・・・いやいや大丈夫。はは、ちょっと甘く見てたねこりゃ。すこし・・・本気出すとしますかね・・・・」
「姉さん・・・・助けて・・・・」
「大和ぉ、お前体力無いなぁ」
「もう八往復してる姉さんと一緒にしないで・・・・」
もう少し上
「ご、ご主人様?」
「い、いや!大丈夫!ほら!!最近あれじゃん!あれだったからさ!!そうだよそうそう、だからだよ!」
「わふ~、楽ちんです~」
「筋肉さんが役に立ったぜ」
「でも私にクドさんに美魚さん、華琳さんを乗っけて大丈夫なんですか?」
「キャロ、こういう時は利用できるものは利用するものよ」
「華琳さんは早々にめんどくさいって言ってましたもんね・・・」
また少し上
「ほ、ほら!!蚊に刺されたから!!蚊のせいだから!!だから疲れてんだよ!!きっと貧血だな、うん!!」
「二十三往復目ーーーー!!!」
「運んでくれるのはいいけど姉さんそのまま何往復もしないで振動が・・・・・!!うぷっ」
「な、なんでこんなに段数があるんでしょうか・・・・?」
「も、もうだめだ・・・・(バタリ)」
「ユウスケ!?」
「い、一体何が・・・起きて・・・・」
そしてついにユウスケが倒れる。
ここまでくればもう分る。
この階段おかしい。
と、そこで隣を歩く蒔風がペロリと舌を出して謝ってきた。
「あ、やべぇ幻術やりすぎちった」
「「「「蒔風テメェ!!」」」」
「笑いのツボッッ!!!」
「ふげっ!?・・・・くっくっくっく・・・っはっはっは、あーーーー!!!っはっはっはっはっはっは!!!ふふふ、うふふふふふふふふふふふ!!!あはははははははははははははははは!!!アハハハハハハハハ!!!!」
「るっさい!!(ドカッ!!)」
「あっはっは~!?(訳:すんませんッ)」
笑いのツボを刺され、それでも苦しむことなく笑い続ける男、蒔風。
背中から蹴り落とされ、階段下に放り込まれたのは言うまでもない。
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雛見沢にはお祭りというと有名なのが六月にある「綿流し祭」のことを指すが、当然のように夏祭りもこうしてある。
今回来たのは後者の方で、やはりいくつもの出店でにぎわっていた。
「じゃあこっから自由行動な?二時間後くらいに花火やるから、もっかい集まってなー」
「うーーい」
頭や腕を星に包帯で巻いてもらいながら、蒔風がキリッ、と言う。
そして、彼らがそれぞれ見たい方へと向かって歩いていった。
「じゃあ舜、我々も行きましょうか?」
「そう言いながら祭具殿の方へ行くなアホゥ」
雛見沢には禁忌がいっぱいだ。
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「ティア!!リンゴ飴!!」
「はいはい」
「ティア!!綿菓子!!」
「そうね、おいしいわね」
「ティア!!チョコバナナ!!」
「面白くておいしいのがたくさんあるわね。でもね?スバル」
「んにー?」
「次のモノ買う時はとりあえず両手の物を消費してからにしなさいね」
「わかってるよティア~私もさすがにそこまで馬鹿じゃないよ」
「そうよね」
「あ!!おじさん焼きそば一つ!!」
「わかってなーーーーい!!」
「あ、ごめん!!おじさん!!ティアの分もネ」
「そうじゃなーーーーーい!!」
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「では雛見沢分校部活メンバーと!リトルバスターズ選抜メンバーでの早食い勝負を始めます!!」
「「「「おぉーーー!!!」」」」
「最初のお題はこれ!!かき氷ーーーー!!!」
「罰ゲームはメイド服着てお祭りのステージに立ってもらいます!!」
「(詩音&美魚)わざと負けるのはありですか!?」
「(理樹&悟史)男子より欲望に忠実だ!?」
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「エリオ君!たこ焼きだって!!」
「あ、ほんとだ・・・・・じゃあ二つくださーい」
「エリオ・モンディアル。たこ焼きは「一つ、二つ」ではなく「一舟、二舟」と数えるんだよ?」
「え?はぁ・・・・あ!!」
エリオがたこ焼き屋に注意を受け顔を上げると、なんとそこにはフィリップがおり、さらに鉄板の前には翔太郎が鉢巻巻いてたこ焼きを作っていた。
何だろう、いつもの帽子よりも似合っているのは気のせいか。
「フィリップさん!?何やってるんですか?」
「いやぁ、最近翔太郎への依頼もめっきり減ってしまってね」
「お金がないんですか・・・」
「そ、だから僕ら二人でこうしてたこ焼き屋をしているのさ」
と、言うことらしい。
ちなみに亜希子は照井と旅行に行ってしまっているようだ。
「ちっくしょーーー!!こうなったらハードボイルドに焼いてやる!!」
「ハードなのはいいが焦がさないでくれたまえよ?翔太郎」
そう言いながら二人にたこ焼きを渡すフィリップ。
値段は一舟500円と少し高い気がするが、確かにうまい。
「当然さ。僕が検索してアキちゃんが手ほどきをしたんだ。まったく、翔太郎はこういうのは何気に得意なんだよね」
「・・・・・・探偵さん・・・なんですよね?」
「キャロ・ル・ルシエ。時に純粋な疑問は人を傷つけてしまう物だよ?」
「俺は探偵なんだーーーーー!!!!(ブワッ!!)くぅぅ、おやっさんごめんなさい。あなたの弟子はこんなとこでこんなことして食い扶持稼いでます・・・・」
「(にぱー)こんなとこでとは言ってくれますね翔太郎★」
「!?」
「頼み込んでくるから私のつてで夜店を出させてやったのをお忘れかしら?クスクスクス・・・・・」
「申し訳ございません梨花さん!!!(土下座)」
「そうね・・・・ボクはたこ焼きが食べたいのです」
「え、ごひゃ「(ズイッ)食べたいのです」どうぞお持ち帰りください!!!(涙)」
「・・・・翔太郎さん、もう三舟ください」
(パァァァァアアアア!!!)
「翔太郎さんが光ってる・・・」
「よっぽど優しさが身に染みたんだね・・・・・」
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「さあ!!うまく命中して台の後ろに落ちたら商品ゲットだ!!五発で五百円!!九発八百円だ!!」
「九発だ!筋肉狙撃法を見せてやるぜ!!」
「井ノ原さん、がんばってくださいっ!」
「ヤハハ!真人君、大当たり狙ってこー!!」
「まったく・・・・こんなので大当たりなんてもらえるわけが・・・・」
キュ、キュ(コルク詰める)
ググッ(振りかぶる)
「!?」
「筋・肉!!!」
ブンッッ!!!!(振り下ろす)
スッパァン!!!
「よっしゃぁ!!」
「はぁぁぁぁああああ!?」
そのコルク一発で標的が吹っ飛んだ。
腕をふるう遠心力のみでここまでやるとは恐ろしい筋肉だ。
標的だったのは「大当たり」と書かれた空き缶で、中には釣り具に使うような重しがゴロゴロと入っていた。
卑怯だぞおっちゃん
「アガーーーーー」
そのおっちゃんは( ゜ Д ゜)な顔をしてポカーンとしていた。
「なあ、これ何でも持ってっていいんだよな?」
「ルールだとそうですネ!」
「井ノ原さんさすがですっ!」
「じゃあこのゲーム機もらってくぜ!!」
「あうあーーーー!!!」
「おっちゃん!!あと八発あるぜ!!」
「オマイガーーーーーーーー!!!!」
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宝釣り、というものを知っているだろうか?
巨大な水槽のような箱の中に多くの景品が入っており、それには紐が付いている。
そしてその紐は一か所で束ねられており、どれがどれにつながっているか分からない、というものだ。
そのうちの一本を引いて景品をゲットという、運試しに近いゲームだ。
今回引こうとしているのは
どうせロクなの当たらないと大和に忠告されたが欲望を開放して挑戦、一子
一刀がなにか一つおごってくれるというので、確実に物として残るのを狙って、蓮華
あとは
「お宝なら僕の出番だNE☆!!!!!」
と超大声で騒いで雄介と士にド突かれ、笑いのツボで絶賛抱腹絶倒中の海東である。
ちなみにその海東を士はバシャバシャカメラに収めており「将来国語辞書に載せる」とか言っていた。
こいつならやりかねん。
抱腹絶倒之図
↓
写真
みたいな
一回百円というので、それぞれ三回ずつ挑戦してみるということでオッチャンに金額を払う。
まず一人目、一子が三つ選んで一気に引いた。
せっかちというかなんというか・・・・あまりの即断におっちゃんも唖然だ。
が、とりあえず何かは引いたらしくその景品を受け取る。
「辞書だったよぅ・・・・」
「あっはっは!!ベンキョーしろってことなんじゃねぇの?見せてみ?何語辞書?」
「グロンギ語辞書」「オンドゥル語辞書」「グディーン・ヅゥー!」
ポン、と一子の肩を皆の手が同情の意味を持って叩かれた。
というか最後のは違うだろ。
超電子!?超電子なのか!?このエゲ声め!!
「じゃ、じゃあ次は私ね・・・・」
一子の引いた景品を見ながらも、いまさら後には引けない蓮華が両手をグッ、と握って気合を込める。
そして、一本を選んでまず引いた。出てきたのは・・・・・
「んにゃぁ?」
猫だった。しかもただの猫じゃない。
こう・・・・型月シリーズを引っ掻き回す感じの、どっかの真祖に似た感じの猫だ。
「ニャニャ!!次元の穴をくぐってネコアルk」
「帰りなさい(ポイッ)」
なんだか自己紹介でも始めようとしたそいつを、一刀がひっつかんで次元の穴に落とした。
世界が一つになっているなら多分アイツはこの世界の住人なんだろうが、もうこの方法でいいと思う。
「か、一刀・・・・・せっかく引いたのに・・・」
「蓮華、あれはだめだ。なんだかそんな気がするんだ・・・・・ごめんな?」
「え?あ、うん、いいわ。まだあと二回あるものね!!」
蓮華、いい子である。実にいい子である。
そしてもう一度引く蓮華。
出てきた景品は・・・・・
「プハァ~!やっと出れたよ~」
鳥だった。しかもただの鳥ではない。
見た目からして思いっきりメカニックだし、何より言葉をしゃべる。
まるでどこぞかの宇宙海賊の舟で大いなる力の手掛かりを言ってるような鳥である。
きっと中身は梨花ちゃんやなのはと同じ人だ。
「レッツ!お宝ナビゲーt」
「ゴーカイ返却!!」
すると、また一刀がそれをひっつかんで次元の穴に放り込む。
多分これで帰れるだろう。
「一刀・・・・・」
「ごめん蓮華!!あれは・・・・まだ完結してないから作者もいじりにくいんだ!!」
「一刀が何を言ってるかわからないけど、メタいということは解ったわ」
蓮華さん、あなたよくわかってるでしょう。
ちなみに当時の話です。
あれはいい戦隊だった・・・
え、お前もメタいって?
サーセン
と、言うわけで蓮華はこうしてせっかくの景品を二回連続で失ってしまった。
もう次しかない。
深呼吸し、目を閉じ選び、掴み取った一本のひもを勢いよく引き上げる!!
「私は呉の国王だ・・・・自らの運命は!!自ら切り開くっ!!」
グイッ!!!
そして、現れたのは!!!
ゴトン!!(岩の棺桶が地面に落ちる音)
「「何事だーーー!?」」
ギギギ・・・・(棺桶、開く)
「もっと僕を笑顔にしてよ・・・・」
「ウををオオオオオオオオオオオオオオ!!!??」
ドカッ!!バタン!!!
そこの言葉聞くやいなや、士が棺桶の扉を蹴り締めて中から出てこようとした少年(?)を閉じ込めた。
よく見るとその棺桶には模様のように文字が刻まれており、何やら厳重に封印されているもののようだった。
「ダグバだった!!いまの絶対ダグバだった!!!」
『アハハハハハハハ!!!(ガタガタガタ)』
棺桶の扉を背中で押さえながら叫ぶ士、棺桶の中から聞こえてくる笑い声。
「士!!それを絶対に開くな!!」
「わかってる!だからそのディエンドライバーをこっちに向けんな海東!!」
「え?俺ごとやれって?流石は士!!ライダーの鏡だね!!」
「海東てめぇええええええええええ!!!」
そんな漫才をしている間にも棺桶は大きく揺れ、ついに扉が開いて士が前に突き出される。
士は海東に突っ込んでいって二人は転び、棺桶の中から飛び出していったものは真っ直ぐユウスケの元へと走り・・・・!!!
「もっとボクを笑顔にしてよ」
なんだかそんなことを言ってきた。
いや、こいつが言うとこの言葉は恐怖にしかならないのだが、何かが違う。
「えっと・・・・?」
「もっとボクを笑顔にしてよ」
いうなれば「僕」が「ボク」になってた。
なんだろう、それだけでかなりかわいい。
あと、姿も変わっていた。
形態はあの究極の闇「ン・ダグバ・ゼダ」なのだが、大きさがひざ下くらいしかない。
後いうなれば「ちびキャラ」になってる。
そんなダグバがユウスケの脛のところをヒシッ、と掴んで「笑顔ー」とか言ってる。
なにこれかわいい。
呆気にとられるユウスケが手に持ってたリンゴ飴をなんとなしにダグバに与ええると、それを受け取ってカリカリと食べ始めた。
流石はクワガタ怪人である。
そしてかわええ。
「おっもちかえりぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!」
そのダグバをどこから探知したのか、レナが疾走して掻っ攫っていた。
「ンーーーー!?」
「はぅう!!かぁいいよ!!この子かぁいいよーーーーー!!」
「ゼダ!!ゼダーーー!?」
なんかダグバのほうも「ン!」と「ゼダー!」としかしゃべらなくなってる。
ホントにただのちびキャラじゃん。
結局、何とかしてダグバをレナから解放し、そのダグバはユウスケのもとへと走って行った。
そしてしがみつく。
どうやらなついてしまったらしい。
「「なに・・・これ・・・・」」
ちなみに海東がゲットしたのは「紙飛行機」「銀玉鉄砲」「ハリセン」だった。
うまくやればネタにできたのだろうが、今更あれ以上は不可能だ。
「ま、残念だったな、海東」
「最初からボケるつもりもなかったけどね!?」
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「じゃあみんな集まってー!花火やるよー!!」
そうしてこうして時間も過ぎ、みんな得花火をしようと詩うことで再度集まった。
それまでの間に理樹と悟史がステージで「ふたりはプリキュア」を歌ったり、大食い勝負を全部スバルがかっさらって言ったりといろいろあったらしいがここでは割愛する。
「じゃあ全員に花火いったー?」
「はーい!」
「あの」
「じゃあ火の方向だけは気をつけてねー?」
「りょうかーい!」
「ちょっと」
「ん?どうした?舜」
星や愛紗がみんなに花火を配り終わり、さあ楽しもうというところで蒔風が星に向かって声をかけた。
「オレ、これしかもらってないんだけど」
「ああ、それはですね・・・先日海で舜が結構やらかしたと聞きましてな」
「あ、はいそうです」
「だからヘビ花火です」
「だからってこいつはひどくないですか!?」
線香花火さえも渡してもらえない蒔風。
まあこいつに持たせたらねずみ花火は投げるだろうし、ポンポン飛び出すものはひとまとめにして一気に発射とか馬鹿なことしかしないだろうから正解といえば正解なのだが。
みんながワイワイやってるのを見ながら、一人さみしく(頭の上にダグバのっけて)ニョロニョロ伸びる蛇花火を眺め続けた蒔風であったとさ。
チャンチャン☆
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ある場所、ある施設の一室
そこには様々なものがある。
天井からは刀が何十本と無造作にかけられ、それが量産品であることを示している。
壁には取っ手があり、それを引くと薄い板がスライドしてきてそこにいくつもの銃が掛けられていた。
部屋をぼんやりと移すモニターには人体の構造を映し出した映像が流れ、より効果的に人体を破壊する方法が計算され続けている。
また別のモニターにはそれをもとに何十人という人間が殺し合っている映像も流れていた。
さらには様々な用途に使えそうな小道具から、薬、注射器、拷問用の椅子、洗脳用のヘルメット、エトセトラエトセトラ・・・・・
そんな部屋に、また新たなモニターが映し出される。
そこに映ったのは、一人の青年。
プロテクターとも思えるようなメットをかぶり、それと一体になっているバイザーが目元を覆い隠している。
その男は、炎の中に立っている。燃えているのは様々なモノだ。
家、車、道路、木、空
そして、人
それらのモノにはすべて「だった」という過去形を用いるのが適切であろう。
家だった、車だった、道路だった、木だった、空だった
人だった
今や何が燃えているかもわからないし、その炎でもはや臭いも何も感じない。
だが、その青年はその熱すらも感じていないかのように、燃えた街並みを機械的に進み、その先に何があろうとも越えれるなら踏み越え、邪魔なら破壊して進んでいった。
「上質ですね。やっとここまで来ました」
「はい。ここまでの成果は初めてになりますね」
その町から少し離れた安全圏で、一人の丁寧な物腰な男と、その後ろにつく研究員のような女性がそう言った言葉を交わしている。
「いままで、多くの先人達が夢破れてきたことが、ついに実現するんですね!!」
「そうです。これこそが私がご先祖から受け継いできた夢なのです」
「じゃあ、今日はここら辺でやめておきましょう。下手に暴走しても困りますし・・・・ウぐっ!?」
そう言って手元のコンソールを操作し、街を歩く青年を止めようとする女性だが、その声が詰まった。
原因はさっきまで話していた男である。
女性の何に反応したのか、男の右腕が女性の頬を左右からつかみ、口を変な形に歪ませていたからだ。
「私と、私のご先祖がここまで培ってきたものが今更暴走するとでもあなたは言うんですか?」
「ひ、ひえ!!そういうわけへは!!!」
ゴキン
そんな重そうで、それでいて小さな音だけがその場に聞こえた。
「変な方向に曲がった首」という新しい特徴を得た女性の身体が、生命の反応を失いその場に崩れ落ちた。
「回収し、他の実験の素体にでもしなさい」
「はっ」
そういうと別の人間が現れ、その死体を回収していく。
「・・・・ん、ああ。今は一人にしておいて」
誰ともなくそう男が言う。
その右手はゴキゴキと骨を鳴らしており、今すぐにでも何かを握りつぶしたい、と訴えているかのように見えた。
それは目の前の「実験」がうまくいっているからか、気に食わないことがあったからなのか
おそらく、どっちでもいいのだろう。
否、この男はどっちでも同じことをしていただろう。
結局、最終的にこの街の原型がなくなったところまでいってからやっと男は青年を止めた。
この後の、男の会話から、この街は青年の、故郷であることが、わかった。
「あっはっはっはっはっは。あっっっっはーーーーー!!っはっはっはっは!!!」
to be continued
後書き
何このマッドサイエンティスト。書いてて楽しい!?
はっ!?自分もなんかやばくなってる気がする・・・・
今回最大の謎
何故現れた「ちびダクバ」
あのキャラの名前は「だぐば」です。
平仮名表記なんです。
ユウスケが保護者みたいになってるみたいです。
まあ何かあった時に対処できそうなのあいつくらいだし(スペック的にも)
本当になんで出たのかようわからん。
今後も出るのかどうかすらようわからん。
そして主人公はオチ担当。
星とのからみもやりたかったけど・・・・
あ、だめだ。
あの人相手だとどうしてもR-18まっしぐらだ!!
きっと祭具殿にでもつれだして、ビビる蒔風でも見ようとしてたんじゃないですか?
でも蒔風は「おばけやしき」はダメだけど「心霊スポット」とかのマジもんは大丈夫だから全然平気だったという
きっとそんなくらいでしょう
なんかギャグだと途端に残念になるな、主人公。
まあそんなもんか
最後の男はマッドですねぇ
最後の一文が妙に句読点多いのはあえてです。
なんかキモチワルイ気しません?
ひどい奴ですね。
まあいつかぶっとばしてもらいましょう!!
と、言うわけでまだまだ続く日常編!!
次回くらいで終わらせようかな?とか考えてます。
ではまた次回!!
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