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おぢばにおかえり

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第四十話 神戸に帰ってその四

「いいことよ」
「それじゃあ高校を卒業してから」
「アルバイトも考えてみてね」
「うん、ただね」
 私としてはです。
「大学に入ったら詰所に入らせてもらって」
「あそこでなのね」
「ひのきしんさせてもらおうかって考えてるけれど」
「それもいいわね」
「そうだな」
 お母さんだけでなくお父さんも私の今の言葉には笑顔で応えてくれました。
「ひのきしんもいいしね」
「詰所にいると勉強になるしな」
「確かにそれもいいわ」
「大学に合格したら考えてみるんだな」
「推薦入試が二学期にあるから」
 本当にもうすぐです、受験勉強も真剣なものになっています。
「それに合格したら真剣に考えていくわ」
「専修科はどうだ?」
 お父さんは私にこちらのお話もしてきました。
「そっちは」
「ううん、大学に落ちたら」
 その場合はです。
「どうなるかわからないのよね」
「そうだな」
「うん、専修科に合格したら」
 あくまで大学が第一志望にしてもです。
「その時はね」
「専修科で二年だな」
「通わせてもらいたいわ」
 言うなら天理教の専門学校です、詰所に住み込みをさせてもらって二年通うのです。起きるのは夏で朝の四時半です。
「その場合は」
「とにかくおみちを勉強したいんだな」
「ええ、やっぱりお家のことがあるから」
 本当に何といってもです。
「そうさせてもらいたいわ」
「わかった、じゃあ勉強を続けろ」
「そうさせてもらうわ」
 こうお父さんに答えました。
「これからもね」
「わかった、勉強を続けるんだな」
「そうさせてもらうわ」
「そして今はゆっくりもしろ」
「ゆっくり?」
「そうだ、折角実家に帰って来たからな」
 お父さんの顔は笑顔でした。 
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