ドリトル先生と悩める画家
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第五幕その二
「楽しんで下さい」
「うん、納豆がいいね」
先生は納豆に笑顔で言うのでした。
「御飯に凄く合うからね」
「はい、あっさりした味で」
「そうそう、見掛けによらずね」
「だから朝には最適ですね」
「そう思うよ、僕も」
「じゃあ今朝は」
「御飯に納豆をかけて」
そうしてというのです。
「食べるよ」
「そうしてですね」
「霧に気をつけて」
そしてというのです。
「登校するよ」
「皆と一緒に」
「そう、それは忘れないからね」
そこは絶対にでした、先生にとっては。
「研究室まで行くよ」
「そうされて下さいね」
「是非ね、じゃあ皆と一緒に」
「御飯を食べましょう」
何につけてもです、先生は皆と一緒に納豆もある朝御飯を食べてでした。そのうえで歯を磨いてお顔も洗ってです。登校しました。
その登校の時もです、霧が深くて動物の皆も言うのでした。
「ここまで霧が深いとね」
「車が本当に怖いね」
「自転車が来ても怖いから」
「注意しないと」
「皆離れたら駄目だよ」
先生は皆に注意しました。
「それだけで危ないからね」
「そうね、イギリス並に霧が深いから」
ガブガブは周りを見回しながら言いました。
「離れたら迷子にもなりそうだし」
「迷子になったら」
それこそとです、ダブダブも言います。
「もうどうなるか」
「車道に間違って出たら」
チーチーもその時のことを考えました。
「車が来て」
「だから皆普段より気をつけよう」
トートーも周りを見回しています、そのよく回る首で。
「先生の傍にいようね」
「先生が一番危ないしね」
ホワイティはその先生の左肩にいます。
「僕達で注意しないと」
「いい先生、信号の光や車のライトは見えるから」
ポリネシアも先生に言います。
「気をつけてね」
「匂いとかは僕に任せて」
ジップは自慢のお鼻をくんくんとさせています。
「危ない気配も匂いからわかるから」
「耳もあるよ」
老馬が耳をピンと立たせて言いました。
「どんな音も聞き逃さないから」
「目もあるよ」
「それも沢山ね」
チープサイドの家族は皆で周りを見回しています。
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