転生とらぶる
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ガンダムW
1708話
『アクセル代表、ピースミリオンが見えてきました』
通信モニタに映し出されたサリィの言葉と共に、外の映像が転送されてくる。
「そうか。……HLVの初大気圏離脱だったが、無事に成功したな」
『ええ。ガンダムの開発者が設計したHLVですが、操縦する方としては、出来ればもっとしっかりと試験をした上で大気圏離脱とかをしたかったというのが、私の正直な気持ちですが』
「そうか」
まぁ、W世界では大気圏離脱はそこまで難しいものではなくなったとはいえ、それでも危険な行動であるのは間違いない。
ましてや、このHLVはサリィも言ってた通りガンダムを開発した科学者達が設計した代物だ。
色々とピーキーな性能になるのは間違いないだろう。
実際、ガンダニュウム合金製の装甲、デスサイズヘルの試作用に作られたステルス装置、大気圏の突入はともかく、単独で大気圏を離脱出来るブースター……普通に考えれば、これだけの要素があってピーキーにならない訳がない。
それでもしっかりと使いこなし……それどころか、大気圏内の飛行すら行ったという点では、サリィも腕利きのパイロットと呼んでも間違いはないのだろう。
『ピースミリオンからの通信、入りました。アクセル代表の機体に回します』
「ああ、頼む」
サリィの言葉に頷くと、映像モニタには凛の姿が映し出された。
実際に離れていたのは1日……どころか半日程度なのだが、それでもこうして凛の顔を見ると安堵するな。
まぁ、正直にそれを口に出すと、今度は綾子が文句を言ってくるのだろうが。
『お疲れ様。地上では色々と活躍したみたいね』
「ああ、以前戦った水中用MS部隊とも遭遇してな。そっちはきちんと壊滅させておいた」
『そういう事を言いたかった訳じゃないんだけど……まぁ、いいわ。今回の件は中東連合に対する貸しとして、十分に役に立ってくれたし』
役に立つではなく、役に立ってくれた……過去形という事は、既に中東連合との交渉は終わっているのだろう。
相変わらず随分と動きが素早いな。
まぁ、その辺りは凛らしいと言えば凛らしいのだが。
「そうか、連合軍の方からは何て?」
『ノベンタ元帥と話したけど、特に問題はなかったわ。まぁ、他の人で色々と騒いでいるような人達がいたみたいだけど、そっちは連合軍の方で何とでもしてくれるでしょうし』
「……相変わらずだな」
『しょうがないでしょ。連合軍にはOZという悪い前例があるもの』
凛の言いたい事も分かる。
OZというのも、元々は連合軍にとっては外部部隊という扱いだった。
それが功績を積み上げ、ロームフェラ財団の影響力を行使し、最終的には地球方面軍、宇宙軍と並ぶ3つめの軍としてスペシャルズが結成されたのだ。
そして最終的に、スペシャルズはオペレーション・デイブレイクで連合軍を裏切り、乗っ取ろうとした。
その流れを知っている者にしてみれば、シャドウミラーというのは危険視して当然なのだろう。
もっとも、精鋭揃いでも軍と呼ばれるだけの人数がいたスペシャルズと違い、シャドウミラーが有するMSは5機……しかもそのうちの1機はピースミリオンの護衛機という扱いなのだが。
まぁ、機数が少ない代わりに、スペシャルズ……いや、OZとは比べものにならない程の精鋭揃いで、乗っているMSもW世界では最高峰の物ばかりなのだが。
その辺も、連合軍でピーチクパーチク騒いでいる奴を刺激しているのだろう。
かといって、俺達シャドウミラーを切れるかと言えば……下手をすれば敵組織に雇われでもした場合、どうしようもなくなるので、そんな真似も出来ない、と。
うん、そうして考えてみれば連合軍で騒いでいる奴等にも同情すべき要素はあるんだな。
だからって、こっちのMSを寄越せとかそんな要求には応じるつもりはないが。
まぁ、普通に考えればシャドウミラーの存在というのは、頼りになるのと同時に厄介な相手なのも間違いなく……そういう意味で、同情する余地は大いにあると言ってもいいだろう。
「ま、その辺の判断は任せるよ。凛に任せておけば大抵は大丈夫だろうし」
『あのね……シャドウミラーの代表はあくまでもアクセルなのよ? それを忘れてない?』
「どうだろうな。まぁ、凛がシャドウミラーの代表になりたいんなら、そのまま代表を譲ってもいいと思うけど」
ホワイトスターの方のシャドウミラーはともかく、このW世界のシャドウミラーは……そうだな、言わば支店? 出張所? そんな感じだし。
もしくは独立部隊的な。
『いらないわよ。こんなの貰ってどうしろっての?』
「さて、それこそ儲ける気になれば幾らでも儲ける手段はあるんじゃないか?」
実際シャドウミラーが有するMS部隊というのは、トーラスを除いてどれもが一騎当千の機体だ。
それこそ、雇いたいと思う者はどこにでもいるだろう。
……ロームフェラ財団なんか、それこそ所有する財産の半分を譲渡してでも雇いたいと言うんじゃないだろうか。
勿論、デルマイユの性格を考えれば、凛とは合わないのは確実だろうけど。
凛の性格を考えると、デルマイユを相手に下手に出るとは思えない。
寧ろ正面から堂々と論破するだろう。
そしてカリスマ性という致命的な弱点を抱えているデルマイユは、最悪ロームフェラ財団を凛に乗っ取られるという可能性は十分にあった。
何だかそこだけを考えると、原作でトレーズがやっていたみたいな感じにも思えてくるな。
そう言えば、トレーズ派はともかく、本物のトレーズはまだ行動を起こさないのか?
ゼクスの件も気になるし……
『馬鹿な話はいいから、さっさと戻ってきなさい。アクセル達の機体も、今回が本格的な実戦だったんでしょ。きちんとどんな状況か見ておかないといけないでしょうし、またいつ連合軍から仕事の依頼があっても動けるように、準備はしておく必要があるわよ』
「はいはい。じゃあ、HLVをピースミリオンに入れるから、受け入れの準備をしてくれ」
『もうとっくに準備は整ってるから、早く来なさい』
この辺りの手際の良さは、さすがと言えるだろう。
まぁ、未だに凛は機械が得意という訳ではないので、実際には他の面子が色々と手を回したのだろうが……
その辺りは今俺が気にするような事じゃないか。
ともあれ、凛からの通信が切れたのを見て、サリィに通信を送る。
「そんな訳だ。ピースミリオンに帰還してくれ」
『了解』
短く通信が送られてくると、そのままHLVはピースミリオンに向かって近付いていく。
HLVからの映像データが送られてきているので、ウイングゼロのコックピットの中からでも、その姿を見る事は出来る。
……こうして見る限りだと、ピースミリオンに異常はないな。
防衛用MSとしてトーラスだけを配備していたのだが……それでも、もしかしたらどこかの勢力に攻撃されるかもしれないと、そう思っていたんだが。
まぁ、どこかの勢力と言っても、宇宙は連合軍以外の勢力は既に消滅した。
財団派、バートン財団の財団連合は文字通りの意味で消滅したし、トレーズ派はマリーメイアがいる事もあって地上に引き上げた。
残っているのは、財団連合の残党か……それこそ宇宙海賊とかくらいだろう。
その程度の勢力であれば、ピースミリオンとトーラス1機でもどうとでもなる。
……ああ、でも財団連合の残党だとMDを持ってる可能性があるのか。
一応目に付くような大きめな残党集団はこっちで大体処分したが……それでもまだ生き残っているという可能性は否定出来ない。
そう考えると、何気に今回の件は不用心だったのかもしれないな。
連合軍に護衛を頼んでいけば良かったか。
可能なら、シャドウミラーでも護衛という限定ではあってもMDを採用したいところなんだが、科学者連中が強硬に反対するだろうし、もし強引にそんな真似をすれば、ハワードを含めて全員がシャドウミラーから抜けてしまう可能性も考える必要があるだろう。
そう考えれば、やっぱりシャドウミラーでそんな真似は出来ないんだよな。
これがホワイトスターの方なら、その辺りの心配もいらないんだが。
量産型Wのシャドウ、メギロート、バッタ……精霊の卵という戦力も存在している。
勿論無人機を前面に出せばガンダムの開発者達は嫌がるだろうが、向こう側のシャドウミラーがいるのなら、それこそプロフェッサーG達がいなくなっても大差ない。
そんな風に考えながら、ピースミリオンの格納庫に収まったHLVから、機体を出す。
「お疲れ様です、アクセル代表。ウイングゼロの方はどうでしたか?」
整備員の1人が真っ先にそう尋ねてくる。
新型機の本格的なデビューだけあって、その辺はどうしても気になってしまうのだろう。
「ああ、問題はなかった。特におかしな場所もなかったしな。ただ、2度目の戦闘で海に潜ったから、錆びないようにしっかりと洗浄してくれ」
「海に、ですか?」
そう呟く男は……ああ、ドクトルSの部下として合流してきた奴か。
なら、その辺の事情を知らなくても無理はないか。
「以前俺達が地球で活動していた時、連合軍の基地を徹底的に破壊していたMS部隊がいたんだよ。それこそ、降伏してもお構いなしにな。その部隊は水中用MSで構成された部隊で、その時は部隊の殆どを撃破はしたんだが、それを率いていた奴を逃してな。それが丁度出て来たから、倒した」
正確には色々と違うところもあるんだが、分かりやすく説明するとなれば、こんなところだろう。
機体……ウイングゼロの説明に関しても、まさか性能不足ですとは言えないので、先程の説明で適当に誤魔化す。
「……なるほど、分かりました」
降伏してもお構いなしに攻撃するというところで、整備員の顔が嫌悪に歪む。
まぁ、普通ならこれが正しい反応だよな。
やっぱり、アレックスの行動が異常だったのだろう。
もっとも、そのアレックスの行動を見て顔を顰めはするが、そこまで顕著に嫌悪感を出すような事もない俺も、そのような行動に慣れていても異常なのだろうが。
「今回出撃した機体は全て海中に潜ってるから、全機の洗浄を頼む。海水で錆びて使い物になりませんでしたなんて事になったら、シャドウミラーとしては致命的だしな」
「今時のMSは、海水にちょっと触ったくらいで錆びで動かなくなったりはしませんよ」
「それでもだよ、機体は万全の状態にしておくに越した事はないだろ?」
「ええ、勿論それはそう思います。その辺りはきちんとしますから、安心して下さい」
その他にも何ヶ所か気になったところを整備員に話すと、俺はそのまま格納庫を出る。
そうして向かった先は、当然のようにピースミリオンのブリッジ。
ブリッジの中に入ると、そこではいつものようにピースミリオンの運航が行われていた。
「あら、早かったのね」
ブリッジの中に入ってきた俺を見て、凛がそう呟く。
「いや、早いって言われてもな。それはさっきも言ってなかったか?」
「そうだったかしら? ……まぁ、いいわ。それより報告を聞きましょうか。随分と面白い活動をしてきたみたいだし」
「……何か怒ってるのか?」
「あら、何か怒られるような覚えがあるのかしら?」
「いや、全く」
凛の言葉にきっぱりとそう告げると、それが面白くなかったのか、凛は頬をヒクリと動かす。
「あのね、中東連合との契約の件よ。出来ればこの話を纏めるよりも前に私に話を通して欲しかったんだけど?」
「ああ、その件か。けど、中東連合からの依頼は連合軍を通してからって事になってるだろ? なら、特に問題はない……と思ってたんだけどな」
喋っている途中で凛の視線が見るからに厳しくなったのを見て、何とかそう言葉を誤魔化す。
誤魔化すが……凛がそれで誤魔化されてくれる筈もない。
「本当にそう思ってるのかしら?」
「あー……いや、軽率だった。けど、中東連合には生き延びて貰った方がいいだろ? シャドウミラーとしても、連合軍だけに頼ってるって訳にはいかないし」
まずないとは思うが、連合軍がシャドウミラーと敵対した場合……シャドウミラーが逃げ込む先というのは確保しておいた方がいい。
……まぁ、シャドウミラーの本拠地はこのピースミリオンで、中東連合が存在するのは地球なのだが。
その辺りを考えると、もし逃げ込むにしてもピースミリオンで地球に降下する必要が出てくる。
ああ、でもハワード達に任せれば、何気にピースミリオンを改造して地球でも使えるように出来そうな気がする。
ただ、そうなるとピースミリオンをまた宇宙に持ってくるというのは……まず、無理だろうな。
それこそ、システムXNとかを使って直接転移するとか、もしくはピースミリオンを分割して宇宙に運び、また宇宙で組み立てるといった真似をしない限りは。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1225
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1347
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