恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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181部分:第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその五
第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその五
「私のことでしょうか、それは」
「ええ、そうよ」
「噂に違わぬ奇麗さね」
孫策と孫権はここでもにこりとしていた。
「しかも趙子龍に猛猪将軍張翼徳」
「凄い顔触れが来てくれたものね」
「ふむ、私のことも知っていたのか」
「鈴々は猪なのだ?」
「それか虎ですよね」
孔明がこう話す。
「鈴々様は」
「それじゃあね」
「心ゆくまでゆっくりとして下さい」
こうして一行は揚州に客人として迎え入れられたのであった。すぐに白い豊かな髪を後ろで束ねた妙齢の美女が来た。紫の艶のある目に気の強そうな微笑みを浮かべている。濃紫のスリットが左右に入った服に桃色のガーターをしている。肌は薄い褐色だ。その美女が廊下を進む一行のところに来て声をかけてきたのだ。
「おお、御主達がか」
「むっ、貴殿は」
「誰だ?」
「わしか?わしは黄蓋という」
こう自分から名乗ってきた。
「孫家に昔から仕えている者じゃ」
「つまりあれか」
「孫家三長老の」
キングと舞がその言葉を聞いて話す。
「揃い踏みという訳だな」
「そうよね」
「話は聞いているぞ。相当な手繰れ揃いらしいな」
豪快な感じの笑顔と共にの言葉だった。
「最近この揚州にも色々人が来ているがのう」
「おいおい、久し振りだな」
「御前等も来たのかよ」
その黄蓋の後ろからだった。金色のモヒカンにサングラスの赤い上着と青いズボンの黒人と金色の髭だかけの顔にダブルモヒカンで上下つなぎのレスリングスーツの大男が出て来て言ってきた。キング達に声をかけてきたのである。
「こんなところで会うなんてな」
「元気そうで何よりだぜ」
「聞いていたよ」
「あんた達もいるってね」
キングと舞がにこやかに笑って二人に返す。
「そっちも元気そうで何よりだね」
「そうね。会えて嬉しいわよ」
「おう、ピーちゃん達も一緒だぜ」
モヒカンの黒人の上着のパーカーのところからひよこが数匹顔を出してきた。
「この通りな」
「この人達も香澄さん達の世界の人達なんですね」
「ええ、そうなの」
香澄は孔明の問いに顔を向けて答えた。
「ダックキングさんとビッグベアさんです」
「いい奴等じゃの」
黄蓋もその二人について述べた。
「明るくてそれでいて正義感があってのう」
「まあ俺達もこっちの世界に急に来てな」
「どうしていいかわからねえ時にこの黄蓋さんに声をかけられてな」
「何よりのことじゃった」
今度は白い髭の小柄な老人だった。優しい顔をしており青い上着とズボンは中国のものである。
「こうして今は客将として迎えてもらっておる」
「うむ、タン=フー=ルー殿にも活躍してもらっておるぞ」
黄蓋はさらに笑って話すのだった。
「どういういきさつでこの世界に来たかはわからぬがこうして巡り会うのも何かの縁」
「そうですよね。何か色々な人達がこの世界に集まってますけれど」
ナコルルも話す。
「皆さん楽しく過ごされてますよね」
「そうみたいだね。この連中も元気やってるし」
「へへへ、バターコーンもあるぜ」
「ステーキもな」
ダックとビッグベアが楽しく話す。
「よかったらこれから一緒にどうだい?」
「酒もあるしな」
「うむ、どうじゃ今から」
黄蓋もその酒を勧めるのだった。
「タン殿の茶玉子もあるぞ」
「作っておいたものじゃよ」
そのタンも話すのだった。
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