恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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156部分:第十四話 袁紹、お宝を探すのことその五
第十四話 袁紹、お宝を探すのことその五
「昔から。本当に」
「訳がわからないわね」
「そうね」
曹仁と曹洪も話す。
「何が何だか」
「もう」
「まあそれはいいとしてよ」
曹操がここで言った。
「麗羽よりも先に見つけるわよ」
「はい、わかっています」
「負けてはいられませんから」
こんなことを話しながら彼女達も進む。それと共にだ。
袁紹もであった。顔良達と共に森の中を進んでいた。そうしてだ。
「さて、こちらですわね」
「あの、違いますから」
「そっちではないですから」
田豊と沮授がすぐに言う。
「こっちですよ」
「方向が違いますよ」
「あら、そうでしたの」
二人に言われてだった。袁紹は足を止めた。見れば彼女だけ逆の方向に向かおうとしていた。本当に彼女だけがそこに向かおうとしていた。
「こっちでしたの」
「そうですよ、逆ですから」
「ちゃんとついて来て下さいね」
「わかりましたわ。それでは」
「何か麗羽様って」
「こういうところが抜けてるんだよな」
顔良と文醜も呆れた顔だった。袁紹の横にはすぐに審配がつく。彼女を護って一歩も引かない感じで護衛を務めていた。
「他にも策謀とか下手だし」
「子供っぽいところあるしな」
「聞こえてますわよ」
袁紹が後ろから言う。
「全く。何ですの」
「けれど。今だって方向間違えるところでしたし」
「ちゃんとして下さいよ」
「いつもちゃんとしていますわ」
本人だけがわかっていない。
「わたくし、これでも」
「じゃあ私達についてきて下さいね」
「頼みますよ」
「わかっていますわ。それにしてもこの森は」
袁紹は森の中を見回しながらまた述べた。
「随分と深いですわね」
「そうですね。熊が出て来ても」
「おかしくないですね」
田豊と沮授もそれを言う。
「何時何が出て来ても」
「本当に」
言っている側からであった。前にだ。
巨大な熊が出て来た。全長二十メートルはあるだろうか。
田豊がそれを見てだ。まず言った。
「頭のところが赤くなっているけれど」
「これはまさか」
沮授もここで言う。
「あの伝説の」
「赤兜・・・・・・」
「えっ、赤兜っていったら」
「あれかよ、この国で一番凶暴な熊じゃんかよ!」
顔良と文醜も唖然とした顔で言う。
「何でこの熊がここに!?」
「確か南蛮にいたんじゃねえのかよ」
「それはわからないけれど。ただ」
「ここにいるのは事実よ」
田豊と沮授はそれは間違いないという。
「あの赤い頭が何よりの証拠よ」
「だから」
「袁紹様、ここは」
審配はその手に剣を抜きながら後ろに護る袁紹に告げた。
「逃げましょう!」
「そうですよ、幾ら何でもこれは」
「相手が悪過ぎますよ」
「そ、そうですわね」
袁紹も真っ青になっていた。
「それではここは」
「はい、全速力で!」
「逃げましょう!」
こうして六人は必死に逃げる。流石に巨大熊が相手ではどうしようもなかった。
関羽達は官渡に入っていた。その中でだ。
張飛がまた歌っていた。関羽がその彼女に問う。
「熊や虎の為だったな」
「そうなのだ。ただ」
「ただ?」
「流石にいないとは思うなのだが」
「どうしたのだ?」
「鈴々も相手が何丈もあったらまずいのだ」
張飛のその言葉にすぐ返す馬超だった。
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