ハイスクールD×D/EXTELLA
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旧校舎のディアボロス
堕天使襲来
棟夜side
週明けの学校日。昨日のことは綺麗さっぱりに忘れて学校に到着。
教室のドアを開けると・・・。
「「大変だ棟夜!!」」
―ドバキィッ!―
松田と元浜がいきなり突っ込んできたからつい殴り倒したけど、問題はないよね?
「次はいきなり突っ込んでくんじゃねぇぞ」
気絶してる二人に言い、教室に入ると空をボーっと見てる一誠がいた。
一誠side
「はぁ~」
大きくため息をつき、俺は自分の席で項垂れていた。原因は夕麻ちゃんに殺される夢を見ているからだ。しかもここ最近だ。
彼女に殺される夢を見りゃ誰でも気が滅入るよな。
それと朝がダメで、自分で起きることが出来なくなっていた。おかげでお袋が俺を起こしに来る毎日だ。
逆に夜だとハイテンション状態になって、完全に夜型人間となっていた。
おかしい。
確かに夜更かしはするほうだったが、深夜の一時まで起きれたら奇跡と言えた。
今じゃ深夜の三時、四時まで余裕で起きれるし、日が昇ってくるのを確認してから床につく日々が続いていた。
・・・どうしたものかね、俺の体。
「よー、心の友よ! 貸したDVDはどうだった? エロかっただろ?」
「フッ・・・・今朝は風が強かったな。おかげで朝から女子高生のパンチラが拝めたぜ」
肩を叩き、声をかけてきた松田と、後ろからキザったらしい登場してきた元浜がいた。
・・テンションが低いって時に、こいつらの顔を見るとげんなりするぜ。
「いいもん手に入ったぞ」
松田がバックを開け、中身を俺の机にぶちまける。
「ひッ」
離れた席で女子が軽い悲鳴を上げた。
まあ、そりゃそうだよな。出てきたのが全部エロ本やエロDVDだもんな。
「最低~」
「エロガキ死ね」
次に女子の蔑んだ声が聞こえてきた。
「騒ぐな! これは俺らの楽しみなんだ! 女子供は見るな見るな! 脳内で犯すぞ!」
相変わらず最低な発言だな松田。女子に向かって言うもんじゃないぞ。
・・・少し前の俺なら、『おお! 何だこの秘宝は!?』と目を輝かせていただろうが、最近は朝がキツくて気分が乗らない。
そんなテンション低めの俺を見て、松田が嘆息する。
「おいおいおい。これだけのお宝を目の前にして何だよ、その顔は」
「おかしい。実におかしい。今までのお前らしくも無い」
隣で元浜がつまらなそうに言ってくる。
「そりゃあ俺だって、『すげぇ! 何だよこれ! 俺を猿にする気か!』って言いたいところなんだがな、いかんせん、ここんとこ精力減退しててさ」
「病気か? いやまさか。エロの権化であるお前が風になるわけがない」
失礼な奴だな元浜。風でこうなるかっつうの。
その時、松田が何かに思い当たり手を叩く。
「あー、アレか? 俺には彼女がいましたーッっていう例の幻想の」
「・・・夕麻ちゃんのこと、マジで覚えていないのか?」
俺の言葉に二人は、可哀想な目で見返してくる。
「だからさ、俺らそんな子知らないって。マジで病院いったほうがいいんじゃないか? なあ、元浜」
「ああ、何度も言うが俺たちは夕麻ちゃんと言う女の子を紹介なんてされていない」
・・・そう、俺が決まって夕麻ちゃんの話を振ってもこいつらは決まってこれだ。
最初はからかってると思って、話し合った結果そうでないと痛感した。
けど俺は確かに、『お前らも彼女作れよ』お余裕の言葉を突きつけてやった。なのに二人は覚えてる所か、夕麻ちゃんがいたことさえ覚えていないんだ。
麻野夕麻という女の子が存在しなかった・・・と。
そんなはずは無い・・・ッて言いたいところだけど、携帯に登録した電話番号やメールアドレスが記録に残っていなかったし、夕麻ちゃんが着てた同じ制服の高校を見つけて、彼女のことを尋ねてみたが、いなかった。
じゃあ、俺は誰とデートした? 誰と付き合った?
あの夢は俺が生み出した幻想なのか?
それに、深夜に湧き上がる得体の知れない力といい、朝日がダメだったり何かがおかしい。
はあ、俺に何があったんだよ・・・。
考え込む俺の肩へ松田が手を置く。
「まあ、思春期の俺らにそういうわけの分からないことが起きるのかもしれない。よし、今日は放課後に俺の家に寄れ。秘蔵のコレクションをみんなで見ようじゃないか」
「それは素晴らしい。松田君、ぜひともイッセー君を連れて行くべきだよ」
「もちろんだよ、元浜君。俺ら欲望で動く男子高校生だぜ? エロい事しないと産んでくれた両親に失礼というものだ」
グフフと下品な笑い声を上げる二人。
変態だ。どっからどう見ても変態すぎる。そしてその中に俺も入っているが・・・。
「悪い。今日は遠慮するわ」
「「何・・だと!?」」
気分が乗らないまま見ても、空しいだけなので断ると、二人は信じられないものを見たような目で見てきた。
「あの性欲の権化である一誠が断っただと?」
「おかしいぞ一誠・・・純粋な変態エロであるお前は何処へ行ってしまったんだ?」
こいつら本当に失礼な奴だな。
「今日は乗気じゃないんだ」
そう言い空を何気なく見る。
・・・ホンッッと、良い天気だな。
暫くボケっとしていると、足音がしたので振り返ると神咲棟夜がいた。
成績優秀、スポーツ万能・・・オマケにイケメンだ。
当然女子から人気が高くて、一度殺ろうってことになって逆にボッコボコにされて適わないと痛く思い知った。
でも以外に話を聞いてくれたりしてくれるからそこまで憎めん奴だ・・・・イケメンだけど。
「何か元気ねぇけど、どうかしたのか?」
「ああ、ここ最近朝がダメでさ。逆に夜だと以上にハイテンションになって・・・もう色々とダルいんだよ」
「それって何時もじゃね?」
「失礼だな! 俺はそこまでダメ人間じゃねぇぞ!」
「覗きをしてる時点でダメだと思うけどな・・・まぁそれは置いといてだ。何時からそうなんだ」
「え~と、確か夕麻ちゃんとデートした日からかな。そん時から夕麻ちゃんに殺される夢や朝日が辛く感じたかな? ホントまいっちゃうぜ」
棟夜に話すと・・・? 何故か驚いていた。何か俺変なこと言ったっけ?
「あーおい棟夜・・・驚いてるけど俺、何か変なこと言ったか?」
「・・・あ? あーいや別。んじゃ体調に気を付けろよに・・・・そうか。あの時何か忘れてることは一誠の・・・」
? 去り際に何か呟いてたけど、俺が気に掛けることじゃないか。
ハァー。本当に気分が乗らないぜ。
棟夜side
やべ~。昨日何か忘れてると思ったけど、一誠が殺されるの完璧に忘れてたわ・・・ハハハ。笑い事じゃねぇけど、思わず笑っちまった。確か今日も襲われるんだよな? 今回はマジで見張ろうと。
夜だけど、もうそろそろ堕天使が襲いに来るんじゃねぇかな。
「確か噴水がある・・・!!」
この気配・・・ビンゴ! 一つは一誠のともう一つは知らない気配、おそらく堕天使だ。
早急に公園にGO!
公園に到着した時にはすでに光りの槍を腹部に受けていた。ありゃまずい!
お面を付け顔を隠し、槍を突き刺そうとする堕天使に飛び蹴りを放つ。
「ぬっ!」
当たる直前で気づき、腕でガードし少し下がった。
「貴様・・・何者だ? 堕天使に楯突こうと言うのか?」
「お前が殺そうとした一誠は俺の大事な親友なんでね。見殺しにはできないさ・・・もし一誠を殺そうとするなら、俺が相手になるぜ」
八極拳の構えを取ると、男は愉快そうに笑う。
「クククク。人間の貴様が私の相手をするだと・・・笑止。高々下等な人間がつけあがるなッ!」
高速で飛んでくる光りの槍を裏拳で破壊し、懐に潜り込む。
「何!?」
壊されるとは思っていなかったのか驚愕していた。その隙をついて、身体を反転させ震脚で踏み込み体当たりを食らわす。
「靠撃!」
「がぁっ!」
堕天使は吹き飛んで、倒れこむ。咳き込み立ち上がると殺気を出して俺を睨みつけてくる。おぉ、キレちゃって。怖い怖い。
「き・・・貴様ッ!」
再び光の槍を顕現させ投げつけようとしたが、俺の横を魔力が飛んでいき槍を破壊する。破壊された衝撃で堕天使の男の腕が鮮血が迸っていた。あの魔力・・・登場が遅いっての。
「その子たちに触れないでちょうだい」
俺が思った通り、先ほど魔力を放った女性、リアスと小猫に朱乃が来ていた。二人が手を振ってきたので振りかえす。
「紅い髪・・そうか、グレモリー家の者か」
「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん」
「フッフフ。これは、この町がグレモリー家の次期当主の管轄であったとわ。その者はそちらの眷属か?」
「私の大切な後輩よ・・・手を出すというなら、容赦しないわ」
「ま、今日のところは詫びよう。だが、下僕を放し飼いにしないことだ。今日はそこの人間がいたから助かったものの、私のような者が散歩がてら狩ってしまうかもしれんぞ」
詫びると言う割には殺き満々な雰囲気をだしてんじゃねぇかこの堕天使・・・いけ好かねぇな。
「ご忠告痛み入るわ。私のほうも今度こんな真似をしたら、その時は躊躇なくやらせて貰うからそのつもりで」
「そのセリフ、そっくりそちらに返そう、グレモリー家の次期当主よ。わが名はドーナシーク。再び見えないことを願おう」
翼を羽ばたかせ、飛翔し消えていく。
「迂闊でしたわ。まさか堕天使と接触するとわ」
「・・・このままだと死にますね」
「死なせない。だってこの子は私の・・・」
一誠に近づき魔方陣を展開させる。
「助けてくれてありがとうトーヤ」
「瀕死に変わりないがな」
「大丈夫よ。これぐらいの傷なら完治できるわ。明日、木場を使いに出すからこの子と一緒に部室に来てちょうだい」
「了解しました」
俺が承諾すると、子猫と朱乃も魔方陣の中に入る。
「トーヤ君。また明日」
「トーヤ先輩、お休みなさい」
「コッチこそありがとう。お休み」
ニコニコ顔で手を振るい朱乃。綺麗にお辞儀してくる小猫に言葉を返すと、魔方陣が強く光りジャンプした。
残った俺は、血だまりを何とか消し何事もなかったかのように家に帰った。
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