とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫
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幸せな時間
前書き
湊『遂に過去編も後半に入ったね。』
美琴『そうね、でも作者が試験一週間前に入るらしいわよ。』
湊『あちゃー。てことは更新が遅れるね。』
美琴『えぇ、読者の皆さん少し待っててくださいね。』
湊『(美琴の口調がおかしい……。)』
美琴『何よ、なんか言った?』
湊『ナンデモアリマセン。』
美琴『まぁ良いわ、それじゃあ本編へ!』
俺が死ぬ日だった研究所爆破事件から数ヶ月が経過していた。
あの後、俺は気絶していた美琴を連れてある場所に向かった。
ある場所───それはlevel5『心理掌握』食蜂操祈がいる、あの蛙……ではなく『冥界還し』と呼ばれる医者がいる病院へ向かった。
「湊くん…?」
先生は俺の今の姿を見て、驚きを隠せない表情をし急いで部屋に連れていってくれた。
「いったい……何があったんだい?」
俺は、先生に全てを話した。
父さんが学園都市の力を使い、俺を殺そうとした事。
研究所を爆発させ、研究員を俺が殺したこと。
母さんが美琴を守って死んだこと。
そして………。
「父さんは生きてます、今もどこかで。」
そう、俺の父さん──城崎聖は殺せなかった。
能力の暴走で研究員を次々に殺していた時に、逃げられたのだ。
研究所を爆破させたのは、研究所内にいる可能性があったため。
「……事情は分かったよ、とりあえず僕は彼女の手当てをしよう。」
俺は先生に頷いてから美琴をベッドに寝かせ、携帯端末を操作しある人物へと連絡した。
「もしもし……。」
──あとは、美琴の記憶を……。
美琴の手当てはすぐに終わり、先生にもう一つのお願いをした。
「先生、一つお願いがあるんです。」
「なんだい?」
俺は間を置いてから、ゆっくりと真っ直ぐ先生の目を見てから言った。
「美琴から俺についてと、爆破事件、そして城崎家との関わり全ての記憶を消してほしいんです。」
「湊くん…何を言って…!?」
「それしか方法がないんです、美琴を……彼女を守る方法も、御坂家が安全で真っ白な平和な世界で過ごす方法が。」
その時だった、ガラッとドアが開き一人の女性が入ってきた。
「みなくん…!」
「美琴の……お母さん……。」
俺は隠さず、全てを話した。
話せばきっと俺との縁は切れるだろう。
下手したら殴られるかもしれない。
俺はそんな覚悟をしてから話した。
「……そんな事が……。」
──そう、これでいいんだ。
あとは、美琴の記憶を改竄し俺たち家族との関わりを消せばいい。
「美琴のお母さん、これから俺は美琴の記憶を改竄します。」
「……!?」
「俺達、城崎家と関わった全ての記憶を消して無かったことに。そうすれば、美琴にも御坂家にも危険は無くなるはずです。」
「……みなくん。」
──反対するか……まぁ、そうだよな。
娘の記憶を消します、って言ってるんだ。当たり前の結果であり予想はしていた。
しかし、美鈴さんが放った次の言葉は予想外だった。
「本当に美琴ちゃんの記憶を改竄するのなら、"城崎湊"という記憶を消してちょうだい。変わりに……」
美鈴さんは普段見せてくれる笑顔で、俺の目線に合わせるよう屈んでからゆっくりと話した。
「美琴ちゃんの"義兄"として生きてくれない?」
「え?」
俺は訳が分からなかった。
何故、危険になる理由である俺を匿うのだろうか。
しかも兄として。
「な、何言ってるんですか……?俺は、美琴を危険な目に……!」
「でも、それは君の意図的にやった事じゃないわ。それに、みなくん、君も"被害者"じゃない?」
──この人は……俺にまで……。
そして、話し合いの結果。
美琴の記憶を改竄する事は両親から許可を得た。
理由は、まだ幼い娘に幼馴染みの母親が死んだ理由が自分だという事実を隠くすため。
そして湊自身がそれは、どうしても嫌だった。
改竄するのは城崎家とのこと。
その改竄した部分を埋めるために湊が兄もいう架空の記憶を埋めることになった。
この改竄をしてくれたのは、既にlevel5となっている『心理掌握』の食蜂操祈だ。
彼女は頷いてからリモコンを取り出し、寝ている美琴の頭に近付けた。
俺は自分の能力を使い、美琴の無意識に出ている電磁波を消す。
全員が見守る中記憶の改竄は成功し、この事は美琴に黙っている事が約束された。
そして、記憶の改竄が成功してから2ヶ月後……。
「お兄ちゃーん。」
2階から聞こえてきた声に俺は反応した。
「んー?」
「運ぶの手伝ってー。」
「りょーかい、って危ない!」
俺は急いで階段を登り、後ろに倒れそうになった義理妹である美琴を支えた。
「わぁ!?、お兄ちゃんありがと!」
美琴は満面な笑みで返してきた。
「う、うん。気を付けなよ?」
俺は今"御坂湊"として過ごしていた。
2ヶ月前までは、目の前の少女を幼馴染みとして1人の女の子として見ていた美琴が今は義理の妹。
いつかは、彼女に本当の記憶を戻さないといけない。
その時、俺の存在を否定される可能性だってある。
そんなことを考えながら、俺は毎日過ごしていた。
学園都市内の寮に住むのは中学生からだった俺達は、小学生の間は母さんと共に住むことになった。
そして、2ヶ月前に起きた研究所爆破事件は過去の話へと世間が終わらせ、既に人々の記憶から消えつつあった。
──多分、俺にとってこの時間は能力を得る前の城崎家と同じほどに幸せなんだろうな。
俺を匿ってくれた美琴のお父さんとお母さん。
今では、俺のお父さんとお母さんである。
「お兄ちゃん、ぼーっとしてるよ?」
「あ、何でもないよ、これを運ぼっか。」
そうして俺は第2の人生を歩んでいた。
だが、そんな幸せな時間が壊れるのもすぐだった。
1年後。
俺が小6で、美琴が小4のlevel4の時だった。
あの日もいつもと変わらない日常を送っていた。
仕事でなかなかゆっくり出来ない母さんも一緒にいたあの日。
御坂家に再び、恐怖が訪れた日だった。
後書き
学校が始まってなかなか更新出来ませんでした。
中間試験もあるので、また遅くなると思いますが暫し待っててください(笑)
そんなんこんなで過去編も後半に入り始めまして、そろそろ現在に戻そうかな……と考えながらも書いていますが、とある科学の超電磁砲ssのアニメと同じように進めようと思っているので、過去編が終わったら木山先生ら辺を書こうと思ってます(←説明がざっくり)
では、次回予告!
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御坂家に匿われてから1年。
今日もいつもと同じように過ごしていた。
しかし、そんな幸せな時間もあの男によって壊された。
俺が御坂家から距離を置く理由になった日であり、改竄された美琴の記憶では俺が目の前で人を殺す日。
次回『壊された日常と隠された想い』
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