ドリトル先生と悩める画家
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第二幕その十四
「トーストはバターを塗って食べましょう」
「いいね、御飯の朝もいいけれどね」
「パンもですね」
「懐かしい感じがしてね」
それでというのです。
「有り難いよ」
「イギリスにいた時はずっとパンでしたからね」
「日本に来てから変わったけれどね」
「はい、御飯がメインに」
「本当に日本に馴染んでね」
先生はちゃぶ台のところにある座布団の上に座りながらにこにことして言います、その仕草はすっかり日本人のものになっています。
「御飯が大好きになったけれど」
「それでもですね」
「パンを食べることもね」
「いいですよね」
「うん、しかも日本のパンはね」
先生は自分の前に出されたそのパンを見てこうも言いました、こんがりと焼かれたとても美味しそうな二枚のトーストをです。
「これまた美味しいんだよね」
「はい、どのパンも」
「メインの主食じゃない筈なのにね」
「凄く美味しくて」
「楽しめるよ」
食べてそうしてというのです。
「本当にいいものだよ」
「じゃあそのパンを皆で食べましょう」
「そうしようね。あとオムレツは」
もうオムレツも置かれています、黄色いとても大きなオムレツです。
「プレーンオムレツだね」
「そうです」
「じゃあケチャップをかけて」
そうしてというのです。
「楽しく食べよう」
「皆で」
こうしてです、皆で楽しく食べてです。一日をはじめるのでした。
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