レーヴァティン
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第六話 神殿その八
「ここは」
「そうだよな」
「だが、だが」
「ここより大きな街もか」
「あるかも知れない」
そうした街もというのだ。
「大国の首都等な」
「そうした国もあるかもな」
「あればな」
「ここよりもか」
「人が多く栄えているかも知れない」
そうした街はというのだ。
「俺達はそこまでも知らないが」
「それでもだよな」
「そうだ、若しかしたらだが」
「そうしたことも確かめないとな」
「その通りだ、そしてそうしたことはだ」
英雄はまた神殿を見た、そのうえでの言葉だった。
「あそこでわかる」
「この島のそうしたこともか」
「そして東の島のこともな」
「神殿に行くと何でもわかるのか?」
「そう言っていい、神職者は知識人でだ」
「知識人が集まるとか」
「知識が集まる」
必然的にだ、そうなるというのだ。
「だからだ」
「情報も本もか」
「集まるからだ」
「色々わかるんだな」
「そうだ」
まさにという返事だった。
「だからいいな」
「神殿に入ったらか」
「当然それぞれ刀剣を抜くが」
「それでもなんだな」
「それで終わらせないことだ」
神殿を去るべきではないというのだ。
「神殿の中に留まってだ」
「情報を集めて本を読んで」
「時間の許す限りそうすべきだ」
「何日もかけてか」
「そうだ」
そこまで時間をかけてというのだ。
「情報を集めるべきだ」
「それだけの価値があるからだよな」
「そうだ、二つの島について知れる限りのことを知る」
「神殿にある限りのだな」
「そうだ、神職の者達が許す限りな」
そこにいる彼等の、というのだ。
「そうしてようやくだ」
「旅を再開すべきか」
「そういうことだ、とにかく知ることが大事だからな」
「成程な、やっぱり情報だな」
「こうした場所に来たからにはだ」
「徹底的に知ることか」
「それが俺達の命を助けることになる」
情報を集める、そのことがというのだ。
「だからこそそうすべきだ」
「よし、じゃあな」
「神殿に行くぞ」
「そちらも目的にしてな」
二人でこう話しつつ神殿に向けて歩いていく、しかし。
その中でだ、久志は市場で売られている様々なものを見て英雄に言った。
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