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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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121部分:第十一話 孔明、世に出るのことその七


第十一話 孔明、世に出るのことその七

「こいつと鈴々は違うのだ」
「それはそうだがな」
 それを言ってもだった。何か面白くなくなった張飛だった。そしてである。
 怪我をしている関羽は寝巻きになってベッドに寝かされた。その彼女の側には水鏡がいる。そして孔明もいた。そのうえで怪我をした足に包帯を巻いていた。
「これで後は」
「後は?」
「サロンパ草を使えば問題ありませんね」
 足も吊っている。その関羽への言葉だ。
「それで完治します」
「サロンパ草?」
「はい、ここから少し行った場所にありまして」
 その薬草の話もする水鏡だった。
「今は屋敷にはありませんけれど」
「私が取って来ます」
 孔明が自分から名乗り出た。
「明日にでも」
「けれどあの場所は」
「大丈夫です」
 師匠にも笑顔で言うのだった。
「私いけますから」
「そう。だったら御願いするわね」
「はい」
 にこりと笑って応える。水鏡はその彼女に対してまた告げた。
「それじゃあお風呂ね」
「はい、入らせてもらいます」
「あっ、愛紗」
 ここで張飛の声が聞こえてきた。
「今あがったのだ」
「そうか・・・・・・いや待て」
 関羽はその張飛の姿を見て顔を顰めさせた。ライトイエローのショーツに同じ色のタンクトップだ。かなり無防備な姿で部屋に入って来たのだ。頭をタオルで拭きながら。
「何だその格好は」
「悪いのだ?」
「ここは人の家だぞ」
 ベッドの中から彼女に顔を向けての言葉だった。
「それでそんな格好で」
「ああ、いいのよ」
 しかしそれはいいという水鏡だった。
「そういうことは。くつろいでくれたらいいから」
「しかし」
「それはそうと関羽さん」
 逆に関羽に声をかけてきた。
「貴女はどうするのかしら」
「私ですか」
「そうよ。お風呂は無理よね」
「はい、それは」
「だったらどうするかよね」
「それならなのだ」
 張飛がここで出て来て言う。
「鈴々が入れるからいいのだ」
「いえ、それには及びません」
 しかしここで孔明が言ってきた。
「私が拭かせてもらいますので」
「身体をか」
「はい、そうです」
 笑顔に関羽に応えての言葉だった。
「ですから」
「そうか。それなら」
 関羽は孔明の言葉を聞いてだ。そのうえで微笑んで言うのだった。
「御願いできるか」
「はい、それでは」
 こうしてであった。孔明は関羽の身体を布で拭きはじめた。白い豊かな裸身が露わになる。張飛はその状況を見てあまり面白くなさそうな顔になっていた。
 そして翌朝である。関羽のところに最初に来た張飛だが。まずは彼女に挨拶をした。
「おはようなのだ」
「ああ、おはよう」
 笑顔で応える関羽だった。彼女も起きていた。
 そのうえで挨拶をした。張飛似顔を向けていた。
「元気そうだな」
「鈴々はいつも元気なのだ」
 明るい笑顔で関羽に応える。
「じゃあ今から御飯なのだ」
「ああ、それではな」
「鈴々がおぶっていくのだ」
 そうするというのであった。
 
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