| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三十九話 おぢばがえりその二十

「車はいいのよ」
「あるに越したことないですね」
「絶対にね、ただ阿波野君も考えてるわね」
「何をですか?」
「だからお家のことをよ」
 そんなこと考える様な子ってイメージがなかったからです。何処までもいい加減で適当な子だと思っていたら。
「ちゃんと考えてるのね」
「そりゃお買いものとかありますから」
「お家のね」
「ですから思いました、僕が免許取って」
 そしてというのです。
「家族を乗せてって」
「いいことね、本当に教会や布教所はね」
「車がないとですね」
「もう何も出来ないから」
「だから余計にですね」
「阿波野君が教会長さんになりたいなら」
 私はあえて阿波野君に言いました。
「車の免許は取っておいてね」
「そちらも必要ですね」
「おみちにはね」
「わかりました、じゃあいよいよ」
「真柱様の閉会ご挨拶にね」
 神殿本部の南の礼拝場への出入り口で行われます。実は真柱様は身近でお姿を見たことが何回かあります。奥華にはお供えのメロンを拝借しようとして前真柱様にこれ、と止められた方がおられると聞いています。
「花火もね」
「いつも花火が楽しみなんですよね」
「そうよね、この十日間ずっと花火が上がって」
 夜にはです。
「この日もね」
「それが楽しみなんです」
「最後の花火が」
「これもまた」
「じゃあこの十日の間は」
「いいですよね」
 毎年、という感じの返事でした。
「夏は暑いのが苦手ですけれど」
「神戸は涼しいけれどね」 
 私の実家の教会があるそこはです、本当に涼しいです。ですがおぢばといいますか奈良は盆地ですから。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧