とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫
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特殊な力
前書き
湊『今回は俺が物質破壊に目覚めた時と、そのあとの話だね。』
美琴『そうなの?』
湊『うん、何か纏めるらしい。』
美琴『ふーん、作者面倒くさくなったのかしら?』
湊『さぁ、まぁでも短めに終わるわけにはいかないからじゃない?』
美琴『多分それね。』
湊『それじゃ、本編に行こうか。』
美琴『えぇ!』
『超能力』
それは、最先端技術をもってしても約4割の確率でしか手に入らないと呼ばれる、誰もが1度は欲しいと思ったことのある力。
今世紀の最先端技術でも、学園都市と呼ばれる能力開発専用の街のみが、その能力開発を唯一出来ると言われ、大人から子供まで興味を示していた。
俺が11歳の時に、学園都市は設立された。
『学園都市』
能力開発が行われる場所で、東京都3分の1の西部に位置し230万人いる人口の8割が学生が住む予定をされていた。
学園都市にある学校はどれも普通科目から能力開発が含まれ、中には貴族などお嬢様学校から公立まであり、幅広い学校が選べた。
そして学生だけでも住めるように、コンビニやデパート、家電売り場など衣食住が出来るようにされ、難なく過ごせる街になっていた。
学園都市の科学技術は、外の世界いわば今僕達が住んでいる場所と20~30年も先に進んでおり、セキュリティや便利さを取っても外の世界で一人暮らしをするよりも、安全だと保護者から言われていた。
しかし、それでも反対の声もあった。
何故なら超能力を得る、と言うことは頭の中を機械などでいじられるということ。
誰もが超能力を得られるわけではなく、最高地点が今のところlevel5。
次がlevel4、level3、level2、level1
そして、超能力を得ることが出来なかった人達をlevel0……無能力者と決められていた。
そのことから、頭をいじられても必ず能力を得られるわけじゃない。
頭をいじられて正気でいられるのか、という2点から反対意見の保護者も出てきた。
だが、能力開発を受けないで元々持っていた超能力。
彼らを原石と呼んだ。
原石である彼らは、学園都市に住み力の使い方などを学ぶのに良い場所と言われ移住する人達もいた。
それは、僕もだった。
5歳の頃に急に手に力を入れた瞬間、小さな電流が流れた。
両親に話すと、二人とも喜び褒めてくれた。
その時代では原石はとても珍しかった。
今でも珍しい原石。
それから7歳になり、学園都市内の小学校に入学。
幼馴染みで、家族交流があった美琴も学園都市に来ると決めたらしく良く遊びに来ていた。
「んー……は!」
今は能力検査と呼ばれるものを受けていた。
父さんが理事会の1人であるため、僕の記録は直接父さんのところにもいく。
『─────総合評価level3』
「1個だけlevel上がった」
──また、父さんと母さん喜んでくれるかな……
そう思いながら、月日は経った。
小学校に入学してから3年経ち、小学3年になった僕のlevelはlevel5へと変わっていた。
level5に上がった事で、能力に名前がつく。
僕の能力は、この世に存在する全ての物質を操作できる能力。
「物質破壊ねぇ……。」
──物質を破壊できる……ってそのまんまじゃん。
と、一人でツッコミを入れながら携帯電話を操作し母親に電話をかけた。
「…もしもし。」
『湊、どうだった?』
「level5になったよ、能力名は物質破壊。」
『やったのね、おめでとう。』
そんな短い会話を済ませ、もう1人電話をかけた。
こちらはなかなか通話が終わらず、苦笑してしまったのは黙っておこう。
ただ、みんな喜んでくれたのは嬉しかった。
──僕を入れてlevel5は、まだ2人か……。
もともとlevelを自慢する事はして無かったが、話をするのもあまり辞めておいた方がいいかも……と考えながら寮に戻った。
「あれ……父さん?」
寮に戻ると部屋の前には父さんが立っていた。
──level5になった事を聞いて来てくれたのかな。
そう思い小走りで父さんのもとに向かった。
「父さん、いったいどうし……」
「近寄るな!」
「え……。」
僕は訳が分からなかった。
父さんと呼び、手を伸ばしたら弾かれた。
──僕、なんかしたっけ……?
「と、父さん…?僕、何か悪い事したっけ……?」
「だから近寄るな、この"化け物"!」
──化け物…?僕が…?
「急に、どうしたの…?僕は化け物なんかじゃ……」
どうにか冷静を装いながら、父親の言動を探った。
「お前は、一方通行よりも凶悪で危険だ!しかもなんだ、物質破壊?この世に存在する全ての物質を操作できるだと?」
「一方通行…?」
「お前を生かしておけば、この世界は壊れる!この化け物が近づくな!」
──訳が分からない。
確かに、この世に存在する全ての物質を操作できる。
だが、どうして僕は化け物扱いされるんだ?
この前までlevelが上がることに褒めてくれたじゃないか
僕は訳が分からなかった、以前との扱いの差が違いすぎて頭が追いつかなかった。
「お前は私の息子なんかではない、私の息子はお前のような"化け物"ではない!」
──あぁ……そういう事か
特殊な力を持てば、羨ましがられ褒められる。
だが、それが自分の想像以上に強く果てしないほどの可能性があり、自分が持っていないのに他の者が持っていれば恐怖へと変わる。
ただ、それだけだ。
僕がこの力を持ったから、父さんは僕を怖がったに過ぎない。
「……………。」
──それなら、どうして父さんはここにいる?
殺しに来た?
化け物扱いされた僕は、もう普通の今までの暮らしが過ごせない?
物質破壊を持った事で、全てが壊れたのか。
「私はお前を殺す、私には息子など"いない"!」
それから、僕の生活は一転した。
城崎家とは縁を切られ、僕を殺すためだけに父さんは理事会を二つに分けた。
もともと原石の研究していた研究機関に、僕を殺すための研究をさせた。
だが、変わらなかった物が二つだけあった。
一つは母さん。
父さんと同様で化け物扱いするかと思ったが、父さんには黙って生活を助けてくれていた。
そして、もう一つは御坂家。
美琴はまだ分かっていないだろうが、美琴のお父さんとお母さんまでもが、僕の生活を支えてくれた。
そうして僕は小学5年生に、美琴も3年生へ進級した。
だが、そんな生活も11歳のある日で壊された。
2021年8月11日。
研究所爆破事件となった日だった。
後書き
もう少しでGWが終わってしまう……!
と、悲鳴をあげている叶愛です。
GWがあけたら中間テストが近くなってくる……(涙)
そんなこんなで、湊の過去が語られてますね。
美琴に出会い、level5へとなった湊に襲いかかる黒い影……小さい頃に辛すぎません?(←自分で考えたのに)
後書きはここら辺で終わらせて……
次回予告です!
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母さんに呼ばれて、美琴とある場所に向かった。
そこには、いくつもの機械が置かれて配線が張り巡らされていた。
襲いかかる死の恐怖。
母親が守った彼女を守るために、僕は力を使った。
次回『僕が殺される日 前編』
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