詩集「棘」
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月影にそぼ降る桜
暁を濡らす春の雨は
緩やかな時を創り出し
心に幽かな陰を差す…
君はどうしていますか?
零れた想いは淋しげに
幻の君に問い掛けた
月影にそぼ降る桜
雲間に見えた思い出は
花弁のように舞い落ちる
静かに注ぐ光はそっと
叶わぬ願いをただ映し…
溜め息ついて曇る空を
恋しさ隠して見上げれば
ポツリと涙を落とし出す…
空回る想い…雫
溢れた感情に呑まれて
望む明日を夢見続ける…
月影にそぼ降る桜
風に散りゆく儚さは
届かぬ想いに沁みてゆく
揺れし月日に流離う想い
満たされぬ心はただ求め…
嘘をつかずにいれたなら
違う景色が見れたでしょうか?
この傾いた世界の中で…
月影にそぼ降る桜
優しい夢を紡ぎ出し
明日へとその身を散らしゆく
これで終わりではないのだと
そう言いたげにそぼ降った…
月影にそぼ降る桜
雲間に見えた思い出は
花弁のように舞い落ちる
静かに注ぐ光はそっと
叶わぬ願いをただ映し…
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