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Blue Rose

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第五十二話 その手に幸せをその七

「そうしたことは人として当然の礼儀だからな」
「挨拶をして」
「こっちに帰って来いよ」
「そうするわね」
「明日の朝早くにだよな」
「ここを出て大家さんにも挨拶をしてね」
 このこともだ、優花は忘れていなかった。
「それでね」
「療養所の人達にもな」
「挨拶をして帰って来るわ」
「待ってるからな」
 龍馬は微笑んで優花に言った。
「明日会おうな」
「ええ、そしてね」
「また一緒に神戸で楽しもうな」
「何かとね」
「友達としてな。まあ俺はな」
「龍馬は?」
「まだ彼女はいないんだよな」
 このことは少し苦笑いになってだ、龍馬は優花に話した。
「残念だけれどな」
「あら、そうなの」
「これがな」 
 やはり残念そうに言う。
「まだなんだよ」
「紹介とかしてもらったら?」
「合コンとか行ってか」
「ええ、そうしてみたら?」 
 優花はこう龍馬にアドバイスをした。
「そうしたらね」
「彼女出来るかもか」
「そう思うけれど」
「だったらいいけれどな」
「いいけれどって」
「こうしたのって縁だっていうだろ」
「ええ、よくね」
「縁があったらな」
 それならと言うのだった。
「そうものだって思うからな」
「だからなのね」
「合コンとかはな」
「しないの」
「そういうの嫌いじゃないけれど飲み食いする方にな」
 むしろそちらにというのだ。
「俺はいくからな」
「龍馬はそうね」
「ああ、だからな」
「彼女のことはね」
「どうもな」
 今現在はというのだ。
「ちょっとな」
「縁があれば」
「そう思ってるさ。あと御前と一緒にいても疑う様ならな」
 女の子になった優花とだ。
「付き合いたくないな」
「やっかんだり疑ったりしたら」
「そうした娘とはな」
「疚しいことはないのに」
 優花も龍馬もそうした感情はない、実際に恋愛感情は二人の間にはなく友情があるだけである。
「それでも疑われたりしたら」
「嫌だろ」
「そうね、私にしてもね」
「そこは俺もはっきり言うさ」
 その相手にというのだ。
「絶対にな」
「私達は恋人じゃないって」
「性別が違ってもな」
「それでもよね」
「友達になれるんだよ」
「そうよね」 
 優花も頷くことだった、このことは。 
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