オズのアン王女
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十二幕その八
「ノームの国に持って帰ってね」
「我々でもだな」
「栽培していくといいわ」
「わかった、ではな」
「そしてこの国でもなのね」
アンも言いました。
「五色の林檎をこれからも」
「ええ、育てていけばいいわ」
「わかったわ」
「新種の林檎としてね」
「そうなるわね」
「黄金の林檎は非常に少ないけれど」
とにかく育たず増えないのです、やはりこの林檎は特別です。オズの国でも極めて稀少なものなのです。
「それでもね」
「この林檎は増やせるのね」
「普通の林檎と同じ位にね」
「わかったわ、じゃあ五色の林檎も育てて食べていくわ」
「そうしてね」
こうしたお話をしてです、実際にです。
一行はウーガブーの国の林檎園の空いている場所に行ってです、そのうえで種を蒔いてそこにグリンダが杖から黄色い小さな無数の星をかけますと。
種達はあっという間に木になって実が実りました、種の数だけ木がなって食べられる人が一個ずつ林檎を取って食べてです。
その林檎の種を全て蒔いてまたグリンダが魔法をかけるとです。あっという間に五色の林檎の林檎園が出来ました。
もう一回それをするともう見事なものでした、アンはその林檎園を見てグリンダに明るい笑顔で言いました。
「もう後はね」
「ウーガブーの国で充分に育てられるわね」
「充分過ぎる程よ」
こうグリンダに答えました。
「だってウーガブーの国は優秀な農民揃いなのよ」
「貴女も含めてね」
「特に林檎は得意中の得意だから」
それでというのです。
「安心していいわ」
「それではね」
「ここから増やしていくわ」
「そして我々もだな」
カリフ王はその手にある林檎と種達を見つつ言いました。
「この実と種から」
「そうよ、林檎園が出来るわ」
「我々を卵の友達にしてくれる」
「その林檎をね」
グリンダはカリフ王にもお話します。
「だから育てていってね」
「そうさせてもらおう」
「是非ね」
「若しわからなかったり困ったことがあったら」
アンはカリフ王にこうも言いました。
「何時でもね」
「この国に来てか」
「相談しに来てね」
「わかった、ではこれからはな」
「これまで以上にね」
「ノームの国とウーガブーの国は親交を深めることになるな」
「友好国同士としてね」
これまで以上にというのです。
「やっていきましょう」
「それではな」
「仲良くね」
「林檎以外のことでもだ」
他の分野でもと言ったカリフ王でした。
「そうしていこう」
「じゃあお互いの国民の相互訪問とかもしていって」
「楽しく仲良くやっていこう」
「そうしていきましょう」
アンとカリフ王は握手もしました、両国との絆はこれまで以上に深まりました。そうしてカリフ王は数個の林檎と数えきれないだけの種を貰ってでした。
ページ上へ戻る