オズのアン王女
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第十二幕その二
「オムレツも何でもね」
「そうなのか」
「そうよ、実際にね」
「では食べてみたいな」
「若しアレルギーになったら」
審判役のグリンダも言ってきます。
「お薬があるから」
「グリンダさんが持っているのか」
「若しもの時を考えてね」
「持って来たのか」
「そう、だからね」
それでというのです。
「安心してね」
「林檎に効果がなくてもだな」
「ええ、それでもね」
「わかった、ではな」
「備えはしてあるから」
「まずは卵料理を食べよう」
「食べてすぐによ」
それこそというのです。
「林檎を食べるのよ」
「そうすればいいのだな」
「それでアレルギーは無効化出来る筈よ」
「そして無効化出来なかった場合の備えもあるからか」
「安心して食べてね」
今はというのです。
「そうしてね」
「わかった、ではな」
「ただ、お薬だからとても苦くてまずいから」
だからというのです。
「アレルギーに効いてもね」
「今まで我々にも紹介しなかったのか」
「アレルギーが出てから飲むものだし」
「出ては意味がないからな」
「そうでしょ」
「うむ、そうだな」
「やっぱり林檎が効いてくれたらね」
それならというのです。
「それがベストよ」
「全くだな」
「ではね」
「うむ、是非な」
「林檎を食べてね」
「卵料理の後でな」
「それでどんなお料理なの?」
アンとカリフ王の試合を見ているドロシーはアンに尋ねました、得点も一進一退で見事に拮抗しています。
「卵料理は」
「オーソドックスにオムレツよ」
「それなの」
「それがメインで出るから」
「そうあのね」
「ゆで卵の入ったサラダにカルボナーラも出るわ」
このスパゲティもでした。
「卵が入っているわね」
「そういえばそうね」
「あえて卵尽くしにしてね」
「林檎が効くかどうか」
「確かめるのよ」
「喜んで食べよう」
カリフ王は毅然として言いました。
「卵料理も林檎もな」
「味も楽しんでね」
「そうさせてもらおう」
味についてもです、カリフ王はにこりと笑って答えました。
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