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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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49.因果と言う言葉がある。ヤッちゃうとデきちゃう。因果である。

<ラインハット城>

俺は8年もの間、心配してくれたであろうと思われる人達へ無事を伝える為、双子やサンチョ・ピエール達と一緒に各地へ赴いている。
ラインハットに来て、まず驚いたのはヘンリーの子供である。
ヘンリーのクローンかと思う程、子供時代のヘンリーに似ていたのは驚いた。
しかも、あの『子分の印』ネタは健在だし…
本人は「まったく!誰に似たのか…こんな悪戯坊主になっちまって!」って!
『お前じゃ!ボケぇ~!』って言ってやりたかったけど、大人な俺は優しくこう言った。
「ヘンリーにクリソツ!」
夫婦揃ってニガワラ。
とても仲睦まじい二人で一安心!

でも、羨ましくて何か悔しくなったので、お子さんのコリンズ君をいぢめてやろうと思い、城内を徘徊し書庫を探索していたら、すんげー美人に出会した!
「リュカさん!!」
口説こうと思ったら向こうから抱き付いてきた。
オッパイが大きく、とてもいい匂いがする長い黒髪を古ぼけたリボンで結っている。
「マリソル!?」
「リュカさん、酷いです!9年間も会いに来てくれないなんて!」
「いやいやいや!最初の1年はごめんなさいだけど、残りの8年は不可抗力だし!」
俺の腕にオッパイを押し付けむくれるマリソル…
ヤバイ…俺のバズーカが火を噴きそうだ!

「リュカさんの結婚式の夜に『愛人募集』したじゃないですか!私、あの場で応募したんですよ!なのに迎えに来てくれないなんて…ず~とリュカさんの為に守ってきたんですよ、私!」
守ったって何!?
この娘、一途なの?
馬鹿なの?
真面目なの?
一途な馬鹿真面目っ娘?

「ちょっと…待って…あのぉ~…マリソル、彼氏いないの?」
「いる訳無いじゃないですか!リュカさん、王様になったって聞いたから、きっとハーレム造るだろうなって思ったんです!だから待ってたんです!」
「いや…ハーレム造りたくても、奥さんが許してくれないだろうし…」
「その奥さんは、今いないじゃないですか。チャンスじゃないですか!ここ、今人居ませんよ!チャンスじゃないですか!!」
チャンスなんですか?
ヨクワカリマセン。
でも俺は『食える時に食っとかないとね!』(by武蔵っぽい人)ってのが信条です。
深く考えちゃいけません。
これってやっぱりチャンスなんですか?


結局、その日はラインハットにお泊まりしました。
子供達も仲良く一緒に寝てたし…
翌朝、マリソルの部屋から出てくるとこを、よりによってヘンリーに目撃されました。
めっさ怖い目で睨むヘンリーでしたが、ごっさ怖い目で睨み返すマリソルのおかげで、お小言は回避されました。
でも、マリソルが居なくなるとゴチャゴチャ言われそうだったので、すぐにお暇させてもらいました。



<サンタローズ>

気分的(自分的)には1年ぶり。
でも実際は9年ぶりに父さんのお墓にやって来ました。
未だに人口10人未満のこの村は、復興が遅々として進まない様子だ。
元実家跡の裏手に父さんの墓を建てたのは、9年以上も前の事だ…

俺達が墓の前まで赴くと、一人の少女が墓を掃除していた。
歳は双子と同じくらい。
黒い艶やかな髪の毛。
その瞳は吸い込まれそうな程澄んでいる。
………見た事がある…瞳…です……

「………リュカ様の幼い頃にそっくりですね!?」
サンチョが余計な事を言う。
少女が瞳を輝かせ俺に問う。
「貴方がリュカさんですか!?」
「ソウデスガナニカ?」
「じゃぁ…貴方が私の…「リュー君!」
少女が取り返しのつかない事を言う直前に、後ろから歓喜に満ちた声が上がった。

「やっぱりリュー君だぁ!無事だったのね!」
「フレアさん…お久しぶりです…あの…」
フレアさんは俺に抱き付き喜ぶ。
しかしすぐに離れると、少女に視線を移し恥ずかしそうに喋り出す。
「リュー君、紹介するわね」
出来れば遠慮したいのですが…
「私の娘の『リュリュ』よ」
うん。だとは思ったよ…でもね…

「ほぉう…随分と貴様に似ているな!容姿も名前も!」
ピエールがいらない事を言う。
「あ、あーそー!フ、フレアさんの…」
「ふふっ。そちらの双子ちゃんはビアンカさんとのお子さん?」
い、言い方が…
「は、はい。ソウデス」
俺の声が裏返る。

「僕、ティミーです」「私、ポピーです」
「あら、ご丁寧にありがとう。リュリュ、ティミーちゃんとポピーちゃんに村をご案内してあげて」
「はい!」
子供達は元気よくこの場を後にした…案内する様な施設など無いのに…
「さすがシスター…気が利きますね」
気が利くってどういう事?ピエール?
「さて、シスター。リュリュちゃんの父親は誰ですか?」
ピエールさんが怒っている。
奥さんでもないピエールさんが何故か怒っている。

「申し訳ありません、ピエールさん」
「「「え!?」」」
「然る止ん事無い身分の方が、あの娘の父親です。その事を口に出しては迷惑がかかります。だから、この事は聞かないで頂きたい。詮索もしないで下さい」
俺…最低だね…男として…人として…
「フレアさん。親子でグランバニアに住みませんか?僕はあのこ「私は!」
!!
「私はサンタローズから移る気はありません。リュー君にご迷惑をかけるつもりもありません。だから…リュー君が気に病む必要無いのよ」
「でも…フレアさんを幸せにしたいんです!どうすれば良いのか分からないけど…」
「じゃぁ、早くビアンカちゃんを助け出して、リュー君!そして時折遊びに来てくれれば…リュリュと遊んでくれれば良いから…ね!」
俺はただ、俯くしか出来なかった…
フレアさんが優しすぎて…

「でも、今日一晩くらいは泊まっていてくれるでしょ?」
「そうさせて頂きましょう…リュカ様」
ピエールの視線が怖かったけど、概ね楽しく過ごせました。
ただ…ティミーが…
「僕…リュリュちゃんの事が好きになっちゃった!」
ダメです!
絶対ダメですぅ~!
どんな馬鹿女に惚れてもいいけど、リュリュはダメですぅ!
貴方達はそういう関係になってはダメですぅぅぅぅ!!

手を繋ぎイチィイチャしている二人を見て、ハラハラしている俺がいる。
どう言えば良い?
何て言えば良い?

ごめんなさい。
本当ごめんなさい。
助けて下さい。
そんな愛は認められませんから!



 
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