提督はBarにいる。
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ブルネイ春のサンドイッチ祭り!その2
さて、まだまだ試作の数が足りん。お次は何にしようか……あ、そういや前にクルツの奴がNYで流行ってるとか言ってたサンドイッチがあったな。
《意外と美味い!?ワカメサンド》※分量1人前
・お好みのパン:2枚
・バター又はマーガリン:適量
・乾燥ワカメ:5g
・マヨネーズ:適量
・粒マスタード:小さじ1
・パルメザンチーズ:小さじ1
・塩:2つまみ
「え、ワカメ!?」
「あぁ、昔クルツの奴に教わってな。ヘルシー志向のニューヨーカーに流行ってるらしいぞ」
本当はハムやコーン、茹でたチキンを解して混ぜて、ワカメサラダっぽくして挟むらしいんだが、今回は試作だからシンプルにワカメのみで。まずは乾燥ワカメを水に浸けて15分程戻す。その間に、パンにバターを塗っておく。パンの種類はお好みだが、オススメはバゲットかな。ワカメのコリコリ食感とバゲットなパリパリ食感が相性良いぞ。
「そう言えば、生のワカメじゃダメなのか?」
「生だと柔らかすぎるらしくてな。乾燥ワカメの程よい噛み応えがいいらしい」
ワカメを戻し終わったらしっかりと水気を切り、食べやすい大きさに刻んでから粒マスタード、塩、パルメザンチーズ、マヨネーズで和える。
「あ、だんだん美味しそうに見えてきました!」
確かにな。後はこいつをパンで挟んで、馴染んだ所でカットすれば完成だ。
「粒マスタードのピリッとしたのが効いてて美味しい!」
「うん、ワカメがパンに合うなんて……新しい発見だ」
さて、お次もアメリカ絡みだが一風変わったサンドイッチを作るか。アメリカの有名人の名前が付けられた、その名も『エルビスサンド』だ。
《プレスリーお袋の味!エルビスサンド》※分量1人前
・食パン:2枚
・バナナ:1~2本
・ハチミツ(お好みで):少々
・ピーナッツバター:適量
・ベーコン:2枚
・黒胡椒:お好みで
・バター:適量※本式でやるならたっぷりと!
「そういやお前ら、エルビス・プレスリーって知ってんのか?」
「名前位は聞いた事あるよ?アイオワさんがレコードで曲聞いてたし」
なんと。アイオワめ、そんなお宝持ってやがったのか。後で借りよう……っと、話が逸れたな。エルビスサンドってのはその名の通り、エルビス・プレスリーの母親であるグラディスが作った、まさにお袋の味って奴らしい。プレスリーの人気と共に一躍有名になったらしいが、こいつがとんでもない代物。物凄いカロリーで、こいつをバクバク食べてたプレスリーが30超えてからブクブク太ったのはこいつのせいじゃないか、なんて話もある。まぁ今回は本式の作り方を踏襲しつつカロリーは抑え目に作るから安心してくれ……それでも凄いカロリーになるんだが。
さて、まずは食パンからだ。片面にピーナッツバターをたっぷりと塗る。2枚共だぞ?その間にバナナを輪切りか斜め薄切りにしておく。
お次はフライパンにバターを溶かして熱し、バナナをソテーしていく。
「えっ、バナナ焼いちゃうの!?」
「日本じゃそのまま食うのが一般的だがな。外国じゃあ焼くと柔らかく甘くなるから焼く方が多いんだぞ?」
両面を焼いて少しトロッとしてきた所で、ピーナッツバターを塗ったパンの上にバナナソテーを並べる。隙間なくミッチリとな。そしてここに、お好みでハチミツを少々。
「うえぇ……凄く甘そう」
実際すんごい甘い。プレスリーは大の甘党だったらしいからなぁ。結果的にそのせいで寿命を縮めて、42歳の若さで亡くなったってんだから皮肉なもんさ。また話が逸れちまったな、お次はベーコンだ。バナナをソテーしたフライパンにベーコンを広げ、軽く焼き目が付く程度まで焼く。焼けたらバナナの上に乗せ、お好みで黒胡椒を振る。もう1枚のパンでサンドしたら、今度は表面にバターを塗る。
「お、表にもバターを塗るのかい?司令官」
「あぁ、今からそれを焼くからな」
「えぇ!?焼くの!?焼いちゃうの!?」
「正気の沙汰ですか……」
正気も何も、本格的な作り方だと焼くんじゃなくて、たっぷりのバターで揚げ焼きするんだぜ?挟んだ後で。しかし流石にそれじゃあカロリーがやべぇ。って事で思い付いたのがパンにうっすーくバターを塗って、弱火でじっくりと焼き上げるやり方だ。ま、いわゆるホットサンドって奴だよ。
「もう、どんな味だか想像も付きません……」
解る、解るぞ秋月。俺も実際に食ってみるまでそんな感じだった。まぁ、味は食べてのお楽しみって事で。バターを塗ったサンドイッチをフライパンに放り込み、弱火でじっくりと焼く。両面が狐色になったら完成だ。
「ほれ、食ってみな」
3人はおっかなびっくり、小さくエルビスサンドにかじりついた。
「……あれ?」
「意外とまずくない?」
「っていうか、美味しいかも」
そうなんだよな。作ってる工程とか見てるとウエッてなりやすいが、意外や意外、焼いたお陰でピーナッツバターがとろけてクリーム状になってバナナソテーと馴染み、いい味になる。そこにベーコンの塩気が効いてきて、いわゆる『甘じょっぱい』味わいになる。好みは別れると思うが、ハマる人は案外ガッチリ心を鷲掴みにされる。糖分が多いから、脳に栄養送りたい朝ごはんにもピッタリな一品だ。どうしても甘過ぎるのに慣れない時は、ピーナッツバターを味噌ピーナッツに変えてみるとか、ベーコンの枚数増やすとか、ケチャップとかマスタード挟んでみるとか、創意工夫してくれ。
まぁもう1つ言いたいのは、『ベーコン好きすぎだろアメリカ人!』って言ってやりたい。甘い物+ベーコンって組み合わせはアメリカの定番らしくてな。
砂糖たっぷり掛かったドーナッツに、ベーコンとチーズ、ハンバーグなんかを挟んだ『ルーサーバーガー』とか、※レシピの考案者がR&B歌手のルーサー・ヴァンドロスの為
アメリカのデニーズで売ってるバニラアイスにメープルシロップとカリカリベーコン乗せちゃった、その名も『メープルベーコンサンデー』とか、
カップケーキの上にホイップクリームとカリカリベーコンを乗せた『ベーコンカップケーキ』とか、
チョコチップやナッツ、メープルシロップなんかと一緒にベーコンをクッキーに練り込んじゃったベーコンクッキーとか、
生地にもクリームの具にもベーコンを練り込んだ『ベーコンマカロン』等々……。もうね、アメリカ人の方がイギリス人より飯マズなんじゃないかと我が目を疑ったぜ。あ、画像検索するのは個人の自由だが、気持ち悪くなっても責任は取れんぞ?悪しからず。
なんかエルビスサンドの件で一気にスタミナを持ってかれた気がするが、気を取り直していこう。お次は和食+サンドイッチという和洋折衷なサンドイッチをご紹介。
「て、提督。大丈夫?エルビスサンドみたいなの出てこない?」
心配すんな、照月。あんな際物はそう簡単に生まれて来ないから。あぁ、愛知県某所にある喫茶店は除くが。あそこは魔境だ。
《オイスターソースが決め手!豚のしょうが焼きサンド》※分量2人前
・豚ロース薄切り肉:6枚
・食パン:4枚
・キャベツ:2~3枚
・小麦粉:少々
・サラダ油:適量
・マヨネーズ:適量
(たれの材料)
・オイスターソース:大さじ1/2
・醤油:大さじ1/2
・酒:大さじ1
・みりん:大さじ1
・生姜:1/2片分
さぁ、作っていくぞ。最近某有名ハンバーガーチェーンが豚のしょうが焼きバーガーを出したが、俺はそれより以前からこのしょうが焼きサンドを作っていた。よってこれはパクリではない。イイネ?さて、説明も終わった所で作業スタート。まずは生姜をすり下ろし、調味料と混ぜて合わせ調味料を作っておく。
フライパンにサラダ油を引いて熱したら、小麦粉をまぶした豚ロースを焼いていく。少しカリッとする位まで焼いた方が美味いぞ。豚肉に焼き目が付いたら、たれをフライパンに流し込んで肉と絡める。
その間に他の準備も進めるぞ。食パンはトーストして(出来れば両面)、片面にマヨネーズを塗る。キャベツは千切りにしておこう。
肉とたれがよく絡んだら、パンに千切りキャベツ、肉を乗せる。たっぷり乗せた方が食い応えがあって美味いぞ。仕上げにもう1枚のパン(こっちにもマヨネーズ塗っておく)で挟んだら、少し馴染ませてからカットして出来上がり。
「うん、凄い安心感」
「しょうが焼きとキャベツ、マヨネーズとか鉄板だもの」
「マヨネーズを辛子マヨネーズにすると、更にピリッとして美味いぞ」
エルビスサンドと比べちゃイカン。
さてもう1つ和食+サンドイッチの組み合わせをご紹介。豚の次は鶏!という事で(?)、『鶏の和風竜田揚げサンド』を作ろう。
《ケ〇タッキーに対抗!鶏の和風竜田揚げサンド》※分量1人前
・食パン:2枚
・鶏モモ肉:100g(大体でOK)
・塩:少々
・酒:小さじ1
・おろし生姜:小さじ2
・片栗粉:大さじ1よりちょい少な目
・醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・バター又はマーガリン:適量
・キャベツ又はレタス:お好みで
・キュウリ:お好みで
・マヨネーズ:適量
・酢:少々
竜田揚げサンドと言えばケ〇タッキー。異論は認める。あんな風に美味い竜田揚げサンドが家で喰いたい!と思ったのがこのレシピを作ったきっかけだ。まぁ、再現レシピでも何でも無いんだが。
まずは下拵えから。鶏肉は余分な筋と脂を削ぎ取って、味が染み込み易いようにフォークで穴を開ける。そうしたらビニール袋に塩、酒、おろし生姜と一緒に入れて揉み込む。後は暫く寝かせておく。キャベツかレタス、好きな方を選んで千切りにしておく。キュウリは薄くスライスだ。
フライパンにサラダ油を深さ1cm位まで入れて温めておく。味が染み込んだ鶏肉に、片栗粉をまぶして十分に熱した油の中に。揚げ焼きにして竜田揚げを作る。竜田揚げが揚がったらバットに上げて油を切る。その間にフライパンの油を綺麗に拭き取り、醤油とみりんを入れて火にかける。フツフツと沸いてきたら竜田揚げをその中に戻し、タレとよく絡める。この時、ピリ辛がいいなら山椒とか七味をタレにお好みで。
さぁ、仕上げに移ろう。千切りにしたキャベツをマヨネーズと酢で和える。
「マヨネーズだけじゃダメなんですか?」
「マヨネーズだけだと竜田揚げにはくどい。お酢をちょいと足してやって、コールスロー風の味付けにするんだ」
パンにバターを塗り、そこにマヨネーズ和えにした千切り野菜。スライスしたキュウリを乗せ、その上に竜田揚げ。軽くマヨネーズをかけてから、もう一枚のパンでサンド。軽く押し潰して馴染ませてからカットして完成。
「竜田揚げが甘辛くてジューシーです!」
「これならお酒にも合いますね!」
ふむ。しかし重いのが続いてるな。ここいらで1つ、野菜メインのさっぱりするサンドイッチも作ろうか。
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