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Blue Rose

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第五十話 入試テストその十二

「帰って幸せになって来い」
「幸せにですか」
「長崎にいた時も幸せだったか?」
「はい」 
 嘘のない顔でだ、優花は担任に答えた。
「凄く」
「なら長崎にいた時と同じかそれ以上にな」
「幸せにですか」
「なれ」
 こう言うのだった。
「いいな」
「はい、それじゃあ」
「神戸にいた時もよかったと思うがな」
「そうでした」
 このこともだ、優花は答えた。
「ここにいた時と同じだけ」
「だったらな」
「戻ってもですか」
「また幸せになれ」
 担任は今度はこう言ったのだった。
「いいな」
「そうなります」
「絶対になれ、それでだ」
「それで?」
「文学部だが」
 今度は学部の話をするのだった。
「八条大学は色々と資格も取れるからな」
「文学部でもですね」
「それだったら学校の先生や博物館の学芸員とかな」
「そうした資格をですね」
「取れる、あと図書館の書士にもなれる」
「全部取るつもりです」
「そうか、じゃあ頑張れ」
 担任はまた優花に言った。
「そしてだ」
「その資格で、ですね」
「人生を開いてもいいしな」
「就職ですね」
「それも出来る、だからな」
「はい、やっていきます」
「そうしろ、とにかくおめでとう」
 合格自体への祝辞もだ、担任は優花に言った。
「よかったな」
「有り難うございます」
「向こうに戻ってもだ」
「元気にやっていきます」
「それじゃあ卒業までな」
「宜しくお願いします」
「こちれこそな」
 二人で話してだ、そしてだった。
 優花は担任との話の後で龍馬に携帯で連絡を入れようとした、合格のことを知らせる為だがその携帯にだ。
 既に龍馬からのメールが入っていた、その内容は。
 自分の合格を知らせるものだった、優花はそのメールを見てくすりと笑って自分のこともメールで知らせた。
 そのうえでだ、この日は幸せに過ごし。
 その後でだ、学校から帰ってその龍馬に電話をした、するとだった。
「メール見たぞ」
「あっ、そうなの」
「ああ、すぐにな」
 電話の向こうから笑顔で言ってきたのだった。 
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