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提督はBarにいる。

作者:ごません
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ブルネイ春のサンドイッチ祭り!その1

 
前書き
 はいはい皆様お久し振りです。本編に帰って来たぜこの野郎バカ野郎!(菅野少佐風の挨拶)

今回からまた飯テロジャンジャンやってくんで宜しくお願いしますm(_ _)m今回のレシピは……まぁタイトル見たらバレバレですねwそれではどうぞ! 

 
 俺は今、特製のレバーパテを仕込んでいる。理由は簡単、もうすぐ我が鎮守府の春の一大イベントである『お花見会』が近いからである。隙あらば酒を飲もうとするウチの連中が、花見等という酒を飲めるイベントを逃す筈がない。大規模作戦の真っ最中だろうが、酒の為ならアスファルトに咲く花のようになれる連中だ。当然、要求されるツマミの質も高いし量も多い。とは言え俺を筆頭に料理の腕自慢が揃う我が鎮守府、抜かりはない。皆で分担して作っているのだ。俺の今年の割り当てはサンドイッチ。それも、定番のタマゴサンドやツナサンド、ハムチーズサンド等は料理の苦手な娘でも作れるというので、手間の掛かる変わり種担当。まぁ、いつもの事だな。それで今、サンドイッチに使うレバーパテを作っているのだ。

《春ゴボウ香るレバーパテ》※分量4人分

・鶏レバー:250g

・ゴボウ:50g

・マッシュルーム:3個

・玉ねぎ:50g

・ローリエ:1枚

・タイム:1枝

・生クリーム:100cc

・白ワイン:大さじ3

・塩:小さじ2

・黒胡椒:適量

・オリーブオイル:大さじ1

・にんにく:1片

 さて、作っていこう。鶏レバーは血抜きはしなくてもいいが、出来るだけ新鮮な物を用意しよう。その上で、血の塊や白い筋などを包丁で取り除く。マッシュルーム、ゴボウはそれぞれ薄切りにして、ゴボウは水に晒して灰汁抜き。ザルにあけて水気を切っておく。玉ねぎとにんにくはそれぞれみじん切りに。

 フライパンにオリーブオイルを引いて熱し、にんにくを炒めて香りを出す。香りが立ってきたらレバーを入れて炒め、表面の色が変わってきたら玉ねぎ、タイム、ローリエを加えて更に炒める。タイムやローリエはレバーの臭み消しだな。一緒に炒める事でハーブの香りが移り、適度に風味として香りを和らげ仕上げてくれる。玉ねぎが透き通ってきたらマッシュルームとゴボウも加えて更に炒める。

 8割方レバーに火が通ったら、白ワインと生クリームを加えて3分位強火でグツグツと煮る。塩、胡椒で味を整えつつ更に煮込み、水気が無くなってきたら火を止めて粗熱を取る。粗熱が取れたら滑らかになるまでフードプロセッサーにかける。

 ペースト状になったら器に移し、冷蔵庫で2~3時間冷やせば完成だ。勿論、今作った量だけじゃ全然足りない。レシピに起こして手の空いてる奴等と分担して量産するぜ。





 さてさて、サンドイッチに使うレバーパテは出来たが、もう少し寝かせないといけない。ならばその間に作れるサンドイッチの作り方をアシスタントしてくれる艦娘に教えながら作ってしまおう。ちょうど手伝いの艦娘も来たみたいだしな。

「やっほー提督、お手伝いに来ました~!」

 そう言って元気よく入ってきたのは照月。その後ろに秋月と初月が続いている。

「お、今年は秋月型の3人が手伝ってくれるのか。宜しく頼むな」

「はいっ!秋月、精一杯お手伝いします!」

「うん、僕はあんまり料理はしないから戦力にはならないかもしれないけど、頑張るよ」

 安心しろ初月、サンドイッチを大量に作るときには分担した方が早いし、流れ作業だからそんなに難しい事はねぇよ。

「うし、じゃあ役割分担するぞ。初月はパンにバターやマーガリン、マスタードなんかを塗る係だ」

「秋月は挟んだサンドイッチをカットする係、俺と照月でサンドイッチの具を作るのと挟む係だ」

「「「了解です!」」」

 まぁ、とは言え最初の内は作り方を教えつつの練習だから、そんなに量は作らんがな。

「それで提督、まずは何のサンドイッチですか?」

「ふふふ、人参嫌いに食べさせる人参サンドだ」

《人参嫌いにこそ食べて欲しい!人参サンド》※分量2人前

・サンドイッチ用食パン:4枚

・マーガリン又はバター:適量

・人参:中くらいのを1/2本

・マヨネーズ:大さじ1

・砂糖:小さじ1/2

・塩(出来れば岩塩):少々

・レモン汁:少々

・クリームチーズ(あれば):適量

 さぁ作るぞ。まずは初月、パンにバターを塗ってくれ。片面だけだぞ?

「わ、解ってるさそれくらい!」

 ならいい。その間に俺と照月で人参ペーストを作る。照月はクリームチーズをボウルに入れて、柔らかくなるように練っておいてくれ。俺はその間に人参をすりおろすからな。

「うん、解った!」

「そういえば提督、何で人参サンドなんですか?」

 秋月が作業の様子を眺めながら、首を傾げている。

「ウチの鎮守府……特に駆逐艦に多いんだが、人参嫌いが居てな。この機会に治してしまおうと思ってな。よし、人参がおろし終わったから、こいつとクリームチーズを合わせて……と」

 クリームチーズと人参が混ざったら、そこにマヨネーズ、砂糖、塩、レモン汁を加えて更に混ぜる。味を引き締めたいならお好みで黒胡椒をちょいと混ぜても美味いぞ。

 後はこいつをパンに塗って、挟んで。カットしたら完成だ。

「さぁ出来上がり。食ってみな」

「い、良いんですか!?」

「これは試作品だからな。作り手が味も理解してないとか有り得ねぇだろ?」

 じゃあ、と3人がそれぞれ1切れずつサンドイッチを手に取り、かじりついた。

「ん!美味い!」

「ホント!人参とマヨネーズとチーズ混ぜただけなのに、すっごく美味しい!」

「クリームチーズは入らなくても美味いんだがな。人参嫌いに合わせて、食べやすくしてある」

 秋月は一言も発せずにハムハムと夢中で食べている。何となくハムスターとかウサギみたいな小動物っぽいな。




「さて、お次は玉子サンドを作るぞ」

「え、でも玉子サンドは別の班が作るんじゃ無かったか?」

「チッチッチ、甘いぞ初月。俺が作るのは普通の玉子サンドと違う……名付けて『たまトマサンド』だ」

《ホロホロとろける!たまトマサンド》※分量サンドイッチ用食パン10枚分

・サンドイッチ用食パン:10枚

・ゆで玉子:2個

・トマト:1/2個

・マヨネーズ:大さじ2

・塩、胡椒:適量

・マーガリン又はバター:適量

 さぁて、作っていくぞ。何と言ってもポイントはトマト。トマトが入る事でマイルドな玉子サンドに酸味と食感がプラスされて1ランク上の味に化けるぞ。と言ってもそのままトマトを混ぜると水っぽすぎてサンドイッチがベチャベチャになってしまう。だから、ヘタを取って半分に割ったら、種を取り除いて皮を剥いて、粗くみじん切りにしてから加える。

「取った皮と種はどうすればいいかな?提督」

 取っておいてくれ。後でトマトグラタンにでもして賄いで食べるから。……おっと、話が逸れたな。後は玉子を潰して塩、胡椒、マヨネーズで味付けをして玉子サラダを作る。お好みでカラシを入れてもピリッとして美味いよな。そこに粗みじん切りにしたトマトを加えて更に混ぜる。

 薄くバターを塗ったパンに玉子サラダを塗り、挟んだら具材を馴染ませる為に少し置いてから切る。これで完成。


「うん、トマトの酸味と旨味が玉子を引き立てるな」

「玉子とトマトって合うんだねぇ!」

「中華でも玉子とトマトの炒め物とかあるしな……ってか、秋月腹減ってんのか?」

 今度の玉子サンドも、秋月は無言でパクついている。

「あ~……今日秋月姉、寝坊しちゃって。朝ごはん食べそびれたんです」

「珍しいなぁ、いつも早起きの秋月が寝坊なんて」

 恥ずかしいのか、秋月は顔を真っ赤にしている。……が、サンドイッチを食べる口が止まる気配はない。

「昨日から姉さんは心配してたんだよ。『提督のお手伝い、ちゃんと出来るかな』って」

 初月がカミングアウトしたせいで、秋月が盛大に噎せ返っている。

「ははは初月っ!?何でバラしちゃうの!もう!」

「良いじゃないか、別に恥ずかしがる事でもない。そうだろ?提督」

「そうだな、真面目にそういう風に考えてくれるのは有り難い事だ。けど、寝坊するまで思い詰めるのは頂けねぇな」

「は、はい……」

 秋月は怒られたと思ったのか、シュンとしている。何だろう、すげぇかわいい。

「まぁ、次回からは気を付けろ。今日は沢山サンドイッチ作るから、頑張って食べてくれよ?」

「はっはい!秋月、頑張ります!」

『実は提督の側にずっといるから緊張しちゃうかも、とか言って一晩中悶えてたなんて言えないよねぇ』

『姉さんの名誉の為だ、黙っておこう』

 実は秋月、隠れ提督LOVE勢なのを妹達にも隠しているのだが、バレバレだったりする。しかし姉が自分で思いを伝えたいと思っているのを尊重して黙っている事にしたらしい。照月と初月は良くできた妹達なのである。





「さて、お次は海鮮かな。海老を使ったサンドイッチを作ろう」

 飲兵衛だらけの我が鎮守府、当然、ツマミになるサンドイッチも要求される。こいつはそんな一品だ。

《オニオンチーズのシュリンプサンド!》※分量2人前

・食パン:4枚

・ボイル海老:75g

・お好みのチーズ:25g

・チャイブかスプリングオニオン(又は万能ネギ等でも可):20g

・レタス:2枚

・マヨネーズ:大さじ2~3

・マーガリン又はバター:適量

 さぁて、作るぞ。食パンにバターを塗っておくのはまぁ当然として。ボイルした海老とスプリングオニオンを粗くみじん切りにして、マヨネーズと和えておく。このスプリングオニオンってのは玉ねぎの事じゃねぇ。イギリスだとオニオンってのは玉ねぎ以外にも細ねぎの事を指し示す言葉でもある。日本で手軽に真似するなら、アサツキとか万能ネギを使うと楽だな。そこに加えるのがチーズ。お好みのチーズでいいんだが、匂いが少な目の塩気の強いチーズがオススメだ。俺の個人的推薦はチェダーチーズ。こいつの塊をおろし器なんかで削って海老とネギの@-g奴に加えて更に混ぜる。最悪ベビーチーズでもイケると思うが、ベビーチーズの場合は削るんじゃなく賽の目に刻んで混ぜよう。

 後は食パンにレタスを敷き、和えた海老マヨネギチーズを乗せてパンで挟み、馴染ませてからカット。


「ネギとチーズって相性良いんだ」

「薬味とチーズの味が海老を引き立ててるよね」

 うんうん、中々好評。さて俺は酒との相性をチェックしないとな。チョイスしたのはギネス。元々このレシピはイギリス生まれの為、イギリス生まれの酒と非常に相性が宜しい。ガブリとサンドイッチに噛み付き、モシャモシャと噛み砕く。口一杯にマヨネーズとチーズ、それと海老の旨味が広がった所で、ギネスを流し込む。

「くぁ~っ!堪らんなぁこれは」

「あ、提督ビール飲んでる!ずるい!」

「僕達にもおくれよ!」

 解った解った、やるから騒ぐな。ただし、飲みすぎるなよ?




 さて、ビールも入って上機嫌になってきた所で、お次のサンドイッチだ。今度も大きく分ければ玉子サンドだ。

「えぇ~!?また玉子サンドですか!?」

「まぁまぁ、文句言うのは食ってからにしな秋月。お次の玉子サンドは『カルボナーラサンド』だ」

《パンなのにパスタの味!?カルボナーラサンド》※分量2人前

・食パン:4枚

・ゆで玉子:2個

・ベーコン:2枚

・パルメザンチーズ:大さじ2

・マヨネーズ:大さじ2

・黒胡椒:適量

 さて、作っていこう。まずはベーコンを細かく刻んで、フライパンでカリカリになるまで焼いていく。その間にゆで玉子をフォークで細かく潰し、パルメザンチーズ、マヨネーズ、黒胡椒を加えて混ぜ合わせておく。

 カリカリベーコンが出来たらキッチンペーパーを敷いた皿に取り、余分な脂を吸わせて油切りする。しっかりと油が切れたら玉子サラダに加えて更に混ぜる。しっかりと油切りするのが重要で、そうしないとくどくなってしまう。

 ベーコンを混ぜたら一旦味見して、塩、胡椒で味を整えたらパンに塗り、挟んで馴染ませたらカットして出来上がり。今回の奴はバターは塗らなくてOKだ。

「玉子が濃厚~っ!」

「うん、カルボナーラの味だ」

「な?玉子サンドでも美味かったろ?」

 3人はしきりに頷いている。文句を言っていた秋月が一番がっついていたのは……まぁご愛嬌だな。
  
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