レーヴァティン
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第三話 生きるか死ぬかその十
「テントなり調理具なりな」
「そうしたものを運ぶものもな」
「馬車なり何なりか」
「こうして歩いていくだけだとだ」
「どうしようもないか」
「草枕の日々だ」
つまり野宿だけだというのだ。
「そうなる」
「やれやれだな」
「そう考えるとまずはだ」
「ああ、モンスター倒して金を手に入れて」
「旅道具を揃えてだ」
「そうしてからだな」
「神殿に行くべきだ」
英雄は久志にこの手順を述べた。
「俺も今そこまで考えたがだ」
「今になって、っていうんだな」
「今まで考えられなかった」
「いきなり別の世界に来てあれこれだったしな」
「仕方ないか」
「俺もそうなんだよ」
久志は英雄に口を尖らせて述べた、二人共再び道を歩いている。
「今やっとな」
「ここまでか」
「考えられる様になったんだよ」
「そこまでの余裕が出て来たな」
「やっとな、しかしな」
「考えてみるとだな」
「あの村を拠点に少し戦いを繰り返してな」
モンスター達とのそれをだ、久志は本当に今になってそうすればよかったと思った。
「そうすべきだったか?」
「そうだったな、実際に」
「旅道具を揃えてから出発すべきだったか」
「神父さんの世話になるのは悪いと思ったが」
「世話にならないならそれはそれで方法があったんだよ」
今になってどんどん気付いてきた、久志は自分のその迂闊さに舌打ちした。
「ったくよ、俺も馬鹿だな」
「それを言うと俺もだ」
「そうなるか?けれどな」
「今言っても仕方ないな」
「ああ、じゃあな」
「先に行くぞ」
英雄は前の道を見て久志に告げた。
「いいな」
「そうするしかないか」
「そして村を探すが」
「どうしようもなくなったらか」
「飯を食わないでだ」
そのうえで、というのだ。
「野宿だ」
「やれやれだな」
「今日は諦めろ」
「そうするしかないか、じゃあな」
「行くぞ」
「ああ」
英雄の言葉に頷いて彼と共にだった、久志は道を前に進んだ。途中再び人面鳥が出て大型の蝙蝠ややけに凶暴なムササビ、大きな蟻等が出た。他にはスライムもいた。
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