マイ「艦これ」(みほちん)
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第33話(改1.4)<陸攻の突入>
前書き
海軍省の二式大艇が近づく中、美保鎮守府周辺では深海棲艦による新たな攻撃が始まった。
「や! また出た」
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マイ「艦これ」「みほちん」
:33話(改1.4)<陸攻の突入>
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既に太陽も、かなり昇った。
大淀さんが二人の参謀に戦況を説明している。
「本省と舞鶴の二式大艇が二機、由良沖まで来ています。別の一機の陸攻が中海側から美保空軍基地への強行着陸を試みています」
敵の戦闘機が飛び交う中で、かなり思い切った選択だ。
私は腕を組んで付け加えた。
「これが最初から囮任務なら、かなり無謀な飛行ルートを選択することもあり得ますね」
それを聞いた呉参謀は私に問いかけるように言った。
「あいつら由良沖の大艇から敵の注意を引きつけるために?」
すると神戸参謀が初めて悟ったように言う。
「では、あの飛び方は意図的に? 攻撃をかわして着陸を強行するとか」
そこで私は彼を見て応えた。
「この状況で、あの突進振りは、ちょっと異常でしょう」
再び双眼鏡で覗いた呉も「あれは無謀やなぁ」と改めて呟いたくらいだ。
既に一機の陸攻がかなり強引に旋回して着陸態勢を強行していた。そして滑走路まであと少しという瞬間。
「出た!」
呉が大声で叫んだ。私も双眼鏡を手にして改めて中海方面を覗いた。
意識しないと分かり難いが弓ヶ浜半島の松林の間から見える中海の水面に黒い影が出現しているのが分かった。
「深海棲艦か」
私は呟いた。
呉も双眼鏡を動かしながら応える。
「複数、えっと二体、三体。いや恐らく、もっと居ますな」
私は双眼鏡を外して考えた。今回の敵は妙に迷いが無い。自分が着任したときの空襲の時機や狙いもそうだった。
それに此度(こたび)の敵作戦行動は、なかなか不適格だ。地勢を正確に把握し恐らく我が軍の情報まで掴んでいる。
孫子の兵法ではないが闘う前から我々に心理的な圧力をかけてくるようだ。彼女らは想像する以上に知的なのだ。そもそも昨日の利根や日向に見せたあの余裕ある態度からして不気味だ。
その間にも中海の陸攻は敵が出現したにも拘らず真っ直ぐ空軍の滑走路へ降りようとしている。
呉から敵の出現場所を聞いた神戸が改めて双眼鏡を覗きながら心配している。
「また特攻ですかねえ?」
その問いに応える間もなく
「や! また出た」
呉が小さな叫び声を上げた。
私も慌てて双眼鏡を覗いた。中海から突然また別の深海棲艦が出現したのだ。
松林の木陰からは昨日、美保湾で見たのとは明らかに別の敵の姿が見えた。妙な触手が伸びて、まさに異形。
「グロテスクだな」
「ひっ」
神戸は双眼鏡から顔を背けた。その反応に私と呉は顔を見合わせた。まだ若い彼は肉眼で深海棲艦を見るのは初めてのようだ。
「し、失礼しました」
さすがの神戸も恥ずかしそうな顔をした。
その間にも陸攻は弓ヶ浜上空で周りから敵に囲まれていた。もはや着陸するのは無理と悟った機体が離脱を試みるのが見えた。
だが、あっという間に四方から敵の攻撃を受け満身創痍となった次の瞬間、機体は激しく炎上し爆発した。
「陸攻、美保空軍基地の滑走路に墜落」
大淀さんが報告する。
「あちゃ!」
呉が呟く。
自爆用の爆薬が満載だから威力は大きい。これでまた、しばらく美保空軍の滑走路は使えなくなる。
「操縦士は脱出した模様」
大淀さんが伝えた。
私は呆れたように言った。
「明らかに自爆前提だな」
「ただ作戦として脱出方法も予め想定しているようです。ですから単なる特攻ではないかと」
神戸が言い訳するように続けた。
でも、あまりにも無謀だ。
「あれは、どう見ても特攻だ」
私は吐き捨てるように言った。
以下魔除け
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後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府:第一部」の略称です。
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