オズのアン王女
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第九幕その十
「何が必要なのかしら」
「やっぱりいい選手を育てて獲得することかな」
神宝はその恵梨香にアドバイスしました。
「地道にね」
「苦手なチームを研究することよ」
ナターシャも親身です、実は五人共阪神を嫌いではないのです。
「そして攻略していくことね」
「チームが一つになって」
カルロスも真剣に考えています。
「そしてやっていくことも大事だね」
「本当に何で大事な場面でいつも負けるのかな」
ジョージはこのことが本当に残念です。
「阪神は」
「鯉に負ける虎はです」
大尉もそのお話を聞いて言いました。
「はじめて聞きました」
「私もーーです」
チクタクもでした。
「とてもーー不思議ーーです」
「それが阪神だからね」
「阪神タイガースですね」
「そのチームーーですーーね」
「だから」
ジョージも首を傾げさせます。
「何とも言えないね」
「けれどその阪神ってチーム面白そうね」
アンは阪神のお話を聞いて決して否定的ではありませんでした、むしろその逆でした。
「詳しく知りたいわ」
「じゃあ後でお話します」
「お願いね」
「実は我々も野球は好きだ」
カリフ王はノーム族のスポーツの事情もお話しました。
「水泳、ボクシング、アメフト、バスケとしているが」
「野球もですか」
「好きなのだ」
そうだというのです。
「地下にグラウンドを造ってだ」
「そのうえで、ですか」
「やっている」
「そうですか」
「結構なチームの数があってリーグもあるぞ」
「本格的ですね」
ジョージもお話を聞いて言います。
「それはまた」
「他のスポーツもそうだがな」
「アメフトとかもですね」
「リーグまである、余はこちらとホッケーが好きだ」
「アメフトはいいですよね」
「君も好きか」
「はい」
その通りという返事でした。
「ハードで」
「うん、身体と身体がぶつかり合ってな」
「ボールを巡って駆けて蹴って」
「確かに激しいスポーツだ」
「格闘技みたいに」
「しかしそれだけにいい運動になる」
カリフ王はにこりと笑って言いました。
「あれはいいスポーツだ」
「そうですね」
「よくしている、水泳もしているな」
「地下にプールを造って」
「泳いでいるのだ」
「何かオズの国の地下って何でもありますね」
「いやいや、あるのではなくてな」
そうではなく、というのです。
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