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吸血姫はアホ可愛い!・ω・`)

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47話「ロリへの愛は世界を救うか?⑲~苦しみの魔王➁~」

 
前書き
補足説明+ネタバレ全開ver
 http://suliruku.blogspot.jp/2017/03/47.html 

 
★★★


 数百万人にも及ぶ国連軍兵士達の悲鳴とともに、最初の拷問が――始まった。

「さぁ、どうする?夢の世界は僕の世界だ。君は魔法を唱える事もできないし、愛するメスとえっちな事もできない。ここで精神崩壊するまで苦しむんだ!心がキュンキュンする展開だねぇ!凄くワクワクするだろう?あ、家畜には理解できない感覚かなぁ?」

「くっ……!」

「おっと、精神が崩壊するってのは嘘だよっ!君の魂に精神ブロック剤を投入したからね!これはどれだけ苦しんでも精神が死なないっていう素晴らしい効力がある薬だよ!いつから存在するのか知らないけど、家畜を長持ちさせる最高のお薬だ!
赤ん坊のような柔い精神の持ち主でも、あっという間に屈強な精神になれて最強だよ!もちろん精神だけ強くなっても苦しみが長引くだけだけどね!
さぁ!死ぬことすら許されない永遠の苦しみを味わってほしい!まずはそうだなぁ!ブラドの絶望なんてどうだろう!自分がこれからどういう目に会うのが、それらの光景を見て理解して欲しいよ!」

苦しみの魔王の酷さに、ゲロのような匂いがプンプンしたような気がした。魂ごと同化したブラドを虐め殺して、その苦しみすら味わうつもりだ。俺は憤怒の気持ちとともに言葉を吐き出す。

「お前っ!ブラドとの約束を破るつもりか!?」

「おやおや?僕が契約したのは魂と同化して、永遠の存在にしてあげる。ただ、それだけだよぉー?
その後に虐めないとか、拷問しないとか言ってないけど何を勘違いしたのかなぁ?家畜が僕と一緒になれる訳がないだろう?魂がぶっ壊れる日まで、ブラドは永遠に僕に苛められ、美味しく食われる家畜に過ぎないのさぁ!」

最低な魔王の言葉と一緒に、夢の世界の光景が切り替わり、俺の目の前に若いころのブラドの姿が映し出される。白真珠によく似た銀髪の可愛い少年だ。だが、身なりはどことなく貧乏で、服が何日も洗ってない感じに汚れている。

「家畜君、ブラドはね。金持ちとか中間層とかいう階級の出身のように見えるけど、実は家は貧乏なんだよ。父親はアルコール中毒で母親を殴って虐待して、それはそれは素晴らしい天国のような環境だったそうさ。
最終的に母親がブラドを守るために、アル中の父親を包丁で刺し殺す感じの理想の教育環境だったんだよ。
ブラドの悪を憎む気持ちってのは、ここらへんから来るのかなぁ?と家畜君は思ったかもしれないけど、あの正義馬鹿は母親からの遺伝さ。
普通の家畜は金銭的に劣った家畜を虐めるから、貧乏なブラドは学校でも近所からも相当苛められたそうだけど正義に燃える熱い心って奴があったのさ!ああっ!良いよね!正義の心っ!それをへし折るのが大好きでたまらないよ!」

「やめろ……!人の過去を勝手に暴いて良いと思っているのか!?」

「ブラドと僕は同化した!だから他人じゃないよ!だから虐めて苦しめても良いんだ!家畜は僕に食べられるために生まれてきたんだからね!さぁ!ブラドの絶望をみなよ!悪党を根絶やしにするために、よりによって悪徳都市で公務員になって、腐敗を浄化しようとした輝かしい過去をさぁー!ははははははっ!うひひひひっ!こういう滑稽さは美味しくないけど笑えてくるねぇ!」

またもや光景が切り替わる。30代の若いブラドさんが投影されていた。この頃は白いスーツが好きじゃなかったのか。そこらへんで安売りしている青い紳士服を着ている。
その目には、白真珠と同じ明日への希望があった。どんな困難が来ようが自分なら克服できる。祖父と孫娘はどっちも酷すぎる環境で育ったにもかかわらず、正義の心をその魂に宿していたらしい。
その周りには、ブラドさんの妻と娘がいた。どっちも銀髪で白真珠によく似ている。オッパイが大きくて豊満で、女性的な魅力に溢れている銀髪の美女だ。たまらんオッパイだ。もう二度と、俺はオッパイを揉むずに酷い目に合うなんて最悪すぎる。

「さぁ!ここから絶望の始まりだっ!家畜君も知っているかもしれないけどっ!ブラドは悪徳都市を支配する連中に抗議し、大切な娘と妻を誘拐された事は知っているかなぁ?
美しいメスの家畜は、家畜社会ではどのような欲望の対象になるか分かるよねぇー?確か家畜は胸が大きいメスが大好きで、白い肌が大好物だった気がするよ?」

「やめろ……やめろー!ゲス野郎ー!」

俺は結末を知っている。白真珠が誕生する原因となった悲劇。あの愛らしい銀髪ロリ娘とよく似ている銀髪美女達が、悪党の餌食になる光景を見たくない。
目を瞑っても無駄だ。ここは苦しみの魔王が支配する夢の世界。目の前に――大勢の男たちに嬲りものにされている銀髪巨乳美女がいる。正気を失って恍惚感を浮かべたアヘ顔だ。
千年の恋も冷めてしまうような酷すぎる顔で……悪党達の欲望を解消するための肉人形と化していた。どれだけすごい美女でも、こうなったら台無し。俺は虚しい気持ちになる。この世は鬼畜陵辱エロゲーの類なのかもしれない。
そんな最低最悪な状況を、遠くからブラドさんが見ている。片手に持つ銃で、銀髪巨乳美女の頭を打ち抜き、その後、悪党どもを次々と射殺し、絶望に泣き震えているように見えた。

「家畜君、今の光景の意味がわかるかなぁ?
ブラドはね。誘拐された妻と娘を探すために、とんでもない苦労をしたんだよ。恐ろしい事に汚職にも手を染めて、財産を使い果たして探偵どもに金を注ぎ込み……ようやく愛する妻を見つけたら――ブラドは殺してしまったのさ。
自分以外のオス達に奉仕する淫乱な妻を見て、深い苦しみを感じて、その心を抑えきれず……ついつい、愛する妻を殺してしまったんだよ!どうだい!この絶望っ!絶望の感情は食えないけど、他の美味しい感情は最高級食材さ!取り返しのつかない事をしたブラドは、この瞬間、僕らを楽しませる食材と化したんだよ!
思い出すだけで魂が壊れるような苦しみの感情を出す家畜の誕生さっ!天然物の家畜は、事前に想像できない感じに美味しい味を出すから、驚きに満ち溢れているよ!」

「やめろっ!ブラドはお前の同胞になったんだろ!同胞の苦しみすらお前は食べるのか!?」

「美味しいから食うのさ!同胞?そんなもんは関係ないね!僕がどうやって何兆年もの間、死に絶えた宇宙で生き延びたと思っているんだい?
餓死する前に、友人という名前の家畜を一人一人を可能な限り苦しめて、美味しく食べて生き抜いたからさ!家畜がどれだけ苦しもうが僕にはどうでもいいね!美味しいんだもの!美味しかったら食べるだろう!
ほらぁ!ブラドが耐え切れずに妻を殺したように、僕は食欲って奴が抑えられないのさぁー!食いたいから食う!それでいいだろう!人生は楽しくないと駄目なのさ!」

「……そんな事で、よく魔王という地位が務まるな……」

「地位?そんなもん僕の利益のためにならないなら糞喰らえさ!一番偉い奴はどんなルールにも縛られないっ!ルールに縛られるのは家畜君が弱いだけっ!弱者は強者に食われるのが自然の摂理って奴だろうぉ?
いや、大宇宙の真理と言ってもいいかなぁ?僕みたいに永遠の存在になるには、情けとか容赦っていう概念は不要すぎていらないよ!」

だめだ。全く魔族の事が理解できない。やつは俺もブラドさんも……ただの食材としてしか見てないのだ。
こんな酷い性格のやつが、なぜ、他の魔族と共存できているのか謎すぎる……。

「それに君ら家畜だって、誰かを犠牲にして食事をしているだろう?それと同じ事だよ!僕は僕が生きるためならば、何兆年の付き合いがある友人でも、苦しめて苦しめて美味しく食べるよ!それが僕たちの生態だもの!むしろ、僕が全部食べてあげないと駄目さ!友人だものっ!僕の中で永遠の存在になってもらうためにね!あはははははっ!ゆひひひひぃっ!」

「なら……なんでほかの魔族を食わないんだ……?」

「考えてみなよ!僕たちにとって猛毒にしかならない感情ばっかり食べている他の魔族は猛毒中の猛毒!何の利益もないのに争う訳がないだろう!食べるものが全く違うんだからさぁ!
逆に一番美味しいのは、苦しみの魔族だね!栄養が凝縮されて美味い!美味すぎる!君ら家畜とは比べ物にならないっ!」

「……今まで何人の仲間や人間を犠牲にしてきたんだっ……!その口調だと……何度も何度も過去の世界にきて、時間をやり直していそうだな……」

「家畜君は今まで食べた豚や牛の数を知っているの?助けたいと思ったことはないの?
君、自分の命にすごい価値があると思い込んでいないかい?今まで食う立場だった君が、食われる立場に回ったんだよ!ねぇ!どんな気持ちっ!食われる立場になった癖に、頭が冷静なのは状況を理解してないからかなぁー?」

苦しみの魔王の言葉に、俺は返答しなかった。希望がない。一番頼りになる米軍が壊滅したとなると、逆転の目が見えない。俺が犠牲になっている間に、白真珠に安全な場所へ逃げて欲しかったが、それは望み薄だろう……

「さぁ!次は君の番だ!人は過去を暴かれると、凄く苦しむ生き物だからね!君の性癖や、黒歴史を散々、馬鹿にして、それからもっと苦しめて上げる!ははははははっ!」

ここでは俺は玩具に過ぎなかった……。苦しみの魔王は、蟻を容赦なく殺して遊ぶ幼児よりも邪悪で残酷で――無邪気だ。

 
(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)縞々パンティーが大好きな過去とか。

(´・ω・`)ロリ娘を愛してしまった禁断の愛とか

(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)そういう黒歴史が暴かれて大変なんですね。先生。

 
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