オズのアン王女
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九幕その六
「問題はないよ」
「卵は色々使いますけれど」
「お料理といえば」
「それでもですね」
「例えばケーキもそうだし、ケーキの木になるケーキならね」
卵を使うそれもというのです。
「普通に食べられるから」
「問題はないですか」
「そちらは」
「うん、他のお菓子もね」
全く、というのです。
「ないよ、卵料理は駄目だがね」
「じゃあオムレツとかは」
「言うまでもないんじゃないかな」
「そうですね」
ジョージも言われて頷きました。
「そうしたものは」
「どうしてもね、ただ何とかね」
「何とか?」
「このアレルギーが何とかなったらともね」
「思っておられるんですね」
「そうだよ、他の国の人達と同じくね」
「それがどうにか出来たら」
カルロスもカリフ王のお話を聞いて言いました。
「もう卵は怖くないですね」
「卵料理も美味しいんですよね」
神宝はその卵料理のことをお話しました。
「種類も多くて」
「その卵が食べられたら」
ナターシャも言います。
「やっぱり食べられないよりずっといいですね」
「オズの国なら何とかなりそうですが」
恵梨香はこの国が不思議の国であることから考えるのでした。
「どうなんでしょうか」
「そのことね」
ドロシーもそのお話に首を傾げさせてです、五人に答えました。
「どうなるのかしら」
「グリンダさんか魔法使いさんか」
「オズマかね」
ドロシーはジョージに答えました。
「魔法で解決出来るか」
「どうにかなりませんか」
「死ななくはなったから」
「そこからもですね」
「よくなるかも知れないけれど」
それでもというのです。
「私としてはね」
「何ともですか」
「悪いけれど言えないわ」
「そうですか」
「残念だけれどね」
「まあ卵を食べられなくても」
カリフ王自身が言うにはです。
「他のものを楽しめるからね」
「だからですか」
「それでいい」
こう言いつつお箸で鯉のお刺身を食べています。
「そう考えているよ」
「そうですか」
「カリフ王、そしてノームの人達がそうお考えならです」
大尉が言います。
「いいのでは」
「そうなんだね」
「はい、仕方ないことを諦めることもです」
それもまた、というのです。
ページ上へ戻る