転生とらぶる
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ガンダムW
1651話
小惑星の中は、予想していたよりもかなり設備が整っていた。
それこそ、1つのコロニーとして利用出来るのではないかと思える程には。
まぁ、サリィがバートン財団の者達から話を聞いてみたところ、トーラスの設計図自体はかなり前に……それこそ、OZで本格的にトーラスが運用される頃には既に入手していたらしい。
……何気にバートン財団って凄いところがあるよな。
まぁ、何だかんだとL3宙域では高い影響力を持っていたんだから、その辺りから手を伸ばしていったんだろう。
それとも、マリーメイアの線を使ったのか? ……いや、マリーメイアはデキムにとって何よりも大事な物だ。……そう、者ではなく物。
デキムにとってマリーメイアは、それこそ大事ではあるが肉親の情とかは全く覚えていない。
どこからどう見ても、役に立つ道具でしかないのだ。
だが、逆に言えば非常に役に立つ道具ではある訳で、そんな道具をトーラスの設計図を入手する為に使うかと言われれば、答えは否だろう。
つまり、バートン財団が手に入れたトーラスの設計図は、それ以外の方法で入手した物という事になる。
「まぁ、それでも地上に派遣するのには間に合わなかった訳だけど」
「うん? どうしたのよ?」
呟きが聞こえたのか、綾子が問い掛けるように視線を向けてきた。
「いや、バートン財団も随分とこの小惑星……トーラスの生産設備には力を入れていたようだと思ってな」
「そうね。正直なところ、これだけの規模だとは思わなかったわ」
最初にコロニーに例えたが、実際にはそこまでの大きさはない。
コロニーの5%……どんなに頑張っても10%には届かない程度の大きさ。
勿論この小惑星の中にある施設を動かす人数が住むには、十分な広さなのだろう。
某アクシズのような巨大さはないが、それでもこれだけの物を作り上げるのはバートン財団にとってもそれなりに労力や資源を必要とした筈だ。
「本当にこれをあっさりこっちに渡したのは、ちょっと信じられないけどな」
道路を歩きながら、上を見る。
当然ここはコロニーではないので、上には空の映像があったりはしない。
普通に岩盤があるだけだ。
それでも、簡易的なコロニーとして使おうと思えば、それは十分に可能だろう。
それだけに、こうもあっさりとこっちに譲り渡すとは、思えなかった。
勿論、連合軍と……それも最強の呼び声も高いシャドウミラーと戦うような事になれば、それこそ本物のコロニーを相手にしても、勝てる訳がない。
……いや、そもそもの話、コロニーを相手にしてって言っても、防衛する必要があるコロニーが大きい分、寧ろ向こうが不利か。
「まさか、連合軍の本拠地からそんなに離れていない場所にこんなのを作るなんて、バートン財団ってのは随分と大胆だな」
デュオも呟きながら周囲を見回していた。
この小惑星の中に入るまでは、俺の特別訓練が嫌だとか言っていたデュオだったが……中に入った事により、それは取りあえず忘れる事にしたらしい。
騒がれないって意味では、こっちの方も気楽なんだけどな。
「それだけ本気だったんだろう」
デュオの言葉にそう返したのは、予想外な事に五飛。
原作だと五飛はバートン財団に協力してたし。多少ではあっても、何か思うところがあるんだろう。
……いや、そうでもないか?
そもそも五飛がバートン財団に協力していたのは、世界国家の兵士がいらないという政策に納得が出来なかったからだ。
完全平和主義とまではいかないが、それに近い思想故の行動。
プリベンターという組織があったのが、完全平和主義ではなかった証だろう。
もっとも、プリベンタ-の存在は裏に隠されたもので、表には出ていなかったらしいが。
ともあれ、国に兵士はいらないと言われ、それが納得出来なかった五飛はバートン財団に協力した。
この辺り、世界国家の状況から五飛を引き入れたのは、デキムが決して無能だった訳ではない証だろう。
無能でなくても、小物であるのは変わらないんだが。
「アクセル代表!」
通路の先で、サリィが手を振って俺達を待っているのが見えた。
シャドウミラーと連合軍の間に挟まれて色々と苦労してはいそうなんだが、それでも特に疲れたところは見せない。
結局有能なのは間違いないんだよな。
「悪いな、遅れたか?」
「いえ、問題ありません。今は占領するために連れてきた人達が、降伏した人達から色々と話を聞いているところですし」
トーラスそのものは何機か連合軍にもあったが、その生産設備というのはなかった。
それをこれから連合軍が使っていくのだから、色々と調べたり、聞く事はあるんだろう。
「MDの方はどうなった? 本格的な制御システムはあるのか?」
バルジの謎の消滅により、そこから逃げ出したOZの兵士達は、MDのトーラスを引き連れてOZの基地へと逃亡した。
だが、逃亡が遅れて逃げ出す事が出来なかった者もいるし、バルジの消滅で受けた衝撃が大きく、自分から投降した者もいる。
そんな者達から持たされたMDのトーラスだったが、MDのシステムは当然バルジにあった。
有人機の方からもある程度の調整は出来るが、残念ながらそれはある程度でしかない。
根本的にMDの調整をするのであれば、どうしてもシステムの大本の部分が必要だった。
そしてこの小惑星ではトーラスを作っているのだから、そのシステムがあるのかもしれない。
そんな思いで尋ねると、サリィは頷きを返す。……複雑な表情で。
「ええ。システムは見つけたのですが……その、プロフェッサーGと老師Oが……」
「……なるほど、そう来たか」
いや、勿論原作からドクターJを含む5人の科学者達がMDを嫌っているというのは分かっていた。
自分達で使うのでもなく、OZが使っているという事にすら嫌悪を示していたのだから。
それを考えれば、仮にであっても自分達が協力しているシャドウミラーが雇われている連合軍にもMDを使って欲しくはないのだろう。
だが、連合軍がMDを使わないというのは、人的被害がこれまで以上に大きくなるという事もでもある。
また、パイロットを育てるのにはかなりの時間と金が掛かるが、MDであれば製造さえしてしまえば、次の瞬間には問題なく一線級の戦力として使用が可能だ。
その辺りを考えれば、ありがたい戦力であるのは間違いないのだろう。
「連合軍としては、MDの導入は半ば決定事項です。……というか、連合軍の戦力でMDと戦うとなると、被害が大きすぎます」
「だろうな」
その言葉には、俺も納得せざるを得ない。
勿論連合軍の兵士が武器の集中運用をしてMDの逃げ場がない状況にして倒すというのであれば、MDと戦う事も出来るだろう。
だが、それよりももっと簡単で経済的な方法が……MDだ。
性能が同じであれば、数の多い方が勝つ。
OZとバートン財団、連合軍では、国力という意味では連合軍が一番上だ。
いや、OZもバートン財団も国ではないんだから、国力という言い方はおかしいかもしれないが。
オペレーション・デイブレイク当時はOZも国力は高かったのだが、連合軍を相手に押し負けており……更には、バルジの消滅という事もあって、OZから離れて行く者も増えているらしい。
それでもヨーロッパの王侯貴族が集まって出来たのがロームフェラ財団だけに、未だに財力は侮れないものがあるのだが。
ともあれ、兵士の数という面でも連合軍の方が多い。
つまり、兵士1人にMDを指揮させれば、総合的に部隊数は連合軍の方がOZよりも上になる。
そして同じMDを使っている以上、総合的な戦力は連合軍が勝るのは確実だった。
それを分かっていながら、プロフェッサーGと老師OはそれでもMDを使用する事を許容出来ないのだろう。
色々と無意味な事だとは思うが、それでもそんな性格のまま今まで生きてきたのだから、今更性格を変えようもないのか。
「なら、あの2人には構わずにMDについての話は進めてくれ。……俺達シャドウミラーは、あくまでも外様の存在だ。その雇い主が自分達で判断した事に、どうこう言うつもりはない」
「……いいんですか? 本当に?」
「ああ。あの2人は色々と言うだろうが、それでこちらの戦力が増えるのなら問題はないだろう」
どうしてもMDを使わせるのが嫌なら、平均的な技量のMSパイロットでも普通にMDと戦える事が出来る性能を持ったMSを開発しろとでも言ってみるか?
……もしかして、ビルゴを作ったりはしないだろうな?
いや、幾ら何でもあの2人でビルゴを作るのは無理か。
ビルゴの最大の特徴であるビーム砲は、ドクターJの協力がなければ作るのは難しいだろうし。
バリアは……そう言えば、誰が主導したんだ?
5機のガンダムには、バリアを装備している機体はなかった。
だとすれば、全く新しい概念を5人で考えたのか?
盾を持ってるガンダムは結構多いけど……いや、盾という意味なら全機が持ってるか?
なら、その辺りから発展させていった可能性も高い。
「アクセル代表がそう言うのであれば、そうさせて貰いますが……本当にいいんですね?」
「好きにしてくれ。あの2人も自分達がMDに対抗出来るMSを作るのは無理なのに、それでもMDを使うなとは言わない……訳でもないだろうが、それでも妙な真似はしないだろ」
原作でリーブラが主砲を1発撃つごとに不具合を起こしていたように、妙な真似をする可能性もないではないが……そんな時は、悪いがしっかりとその身で償って貰う事になるだろう。
「あー、ほらほら。物騒な話はそのくらいにして。今は俺達もトーラスの生産設備って奴を見てみようぜ」
話を逸らすかのように言ってきたのは、デュオ。
まぁ、自分の恩人を相手に物騒な話をしていたのは事実だし、色々と思うところがあったのだろう。
俺も別にどうしてもあの2人をどうにかしたい訳ではないので、出来れば向こうには大人しくしていて欲しい。
それを分かっていても、自分達の思うように動くのがあの科学者達なんだろうが。
「へぇ……これがトーラスの生産設備か。思ったよりもしっかりとしてるな」
「そりゃそうでしょ。ここで暮らしていた人数はそれなりにいるんだ、そんな中で間に合わせの施設を作っても、効率が悪いし」
綾子が少し呆れた表情でそう告げてくるのに、俺は確かにと頷く。
目の前にある機械は、次々と部品を作りだしてはトーラスを生み出していく。
かなり金の掛かった施設であるのは間違いない。間違いないんだが……それでも、バートン財団にすれば、いざという時は切り捨てる事が可能だったのは間違いないんだろう。
今も口にしたように、この施設はそれなり以上にしっかりとした設備だと思うんだが。
結局それを接収した連合軍がこの施設を使ってトーラスの量産を行う事になるんだから、バートン財団にはいっそ感謝した方がいいのかもしれないな。
……もし本当に連合軍がバートン財団に感謝の言葉を贈れば、デキムが憤死する可能性もあるが。
ああ、いや。そうだな。
「サリィ」
「はい? 何でしょう?」
「この小惑星の接収が済んだら、世界中にバートン財団……いや、デキムへ今回の件で感謝のメッセージを通信か何かで表明したらどうだ?」
「それは……」
俺の言葉に、サリィが多少ではあるが引き攣った笑みを浮かべつつ、それでもすぐに否とは言えない。
まぁ、色々と悪ふざけじみた挑発行動ではあるが、それでもどこかに隠れたデキムに対してダメージを与えられると考えれば、決して悪い選択ではないのだから当然か。
本拠地のX-18999コロニーを捨ててからのデキムの行方は全く分かっていない。
そうである以上、連合軍としては俺の意見を安易に却下は出来ないといったところか。
挑発でデキムがそう簡単に引っ掛かってくれるとは思えないが……それでも、この件が失敗しても、連合軍には特に何か被害がある訳でもない。
つまり、駄目で元々なのだ。
だからこそ……
「分かりました。上の方に掛け合ってみます」
「うわぁ……」
サリィが頷いた瞬間、デュオがそんな声を出す。
「どうした?」
「……いや、デキム・バートンだっけ? そいつに同情するよ。全世界で晒し者になるんだぜ? 間違いなくバートン財団はこれからの行動をやりにくくなるぜ?」
「ふんっ、自分の中に正義があれば、そのような状況であっても問題なく行動出来る筈だ」
五飛がそう告げるが、デキムに正義の心などというものがある筈もない。
あるのは、ただ純粋に地球を自分の思うがままにしたいという征服欲の類だろう。
……もっとも、敵としては相手が弱い方がいいのだから、俺に文句はないのだが。
それこそ、出きればもっと小物になって欲しいと思ってしまうのは、仕方のない事だろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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