博打地蔵
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第二章
「もうすぐに借金生活突入よ」
「そうなるね」
「お兄ちゃん確かに私生活は駄目過ぎるけれど」
それでもとだ、また言う彩加だった。
「無駄使いをしないことは立派よ」
「まあお金をかける趣味を持っていないことは確かだね」
前は煙草を吸っていて酒は今も飲んでいるがだ。
「ライトノベル買って漫画読んでゲームして」
「ゲームも課金はしないわね」
スマホやパソコンのゲームのそれである。
「それは」
「課金してもね」
耕太は冷静にだ、妹に話した。
「そのゲームも消えたりするじゃない」
「まあね、ネットゲームとかね」
「サービス終わってね」
「それで消えるから」
「そうだよ、だからね」
そうしたゲームにはというのだ。
「課金をしてまでしないよ」
「それでお金溜まってるの」
「そういえば食べるものも」
それもだった。
「コンビニとかインスタントで済ませて」
「安かったっていうのね」
「そうだしね、お給料結構いいし」
優秀なスタッフとしてだ。
「お金は溜まるね」
「使わないから」
「うん、石鹸とかタオルとか歯磨き粉も使わなかったし」
入浴も歯磨きもしないから当然だ。
「本当にお金は溜まったね」
「そっちは使うのよ」
妹のこの指摘は厳しかった。
「というか使わなかったことは駄目過ぎるわ」
「やっぱり?」
「そうよ、まあとにかくお金を溜めてるとね」
「いざという時とかにね」
「助かるからね」
「パチンコとかね」
耕太にとってはだ。
「何が面白いのかな」
「そうよね」
「全くだよ」
「まあとにかくこれからは健康に清潔によ」
再びこう言う彩加だった。
「長生きしたかったらそうしなさい」
「お金を溜めても」
「そうよ、早死にしたら意味ないから」
例えお金があってもというのだ。
「いいわね、このままの生活でいうのよ」
「というか彩加無理にそうさせてるわね」
「当たり前でしょ」
妹は怒った顔で兄に言った。
「清潔、健康、無駄使いをしない」
「その三つがなんだ」
「普通の生活の第一歩だから」
「厳しいなあ」
「厳しいんじゃなくて当然よ」
今度はむっとした顔で兄に言う。
「これからもいいわね」
「うん、じゃあね」
「そうよ、これからもよ」
まさにと言ってだ、そのうえでだった。
耕太は彩加に無理にでも生活をあらため続けさせられていた。それで彼は確かに健康的になったが。
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