転生とらぶる
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ガンダムW
1646話
老師OがD-120コロニーにやってきた日の夜……ベッドの上に寝転がりながら、俺は珍しく1人で雑誌を読んでいた。
ちなみにこの雑誌は前に綾子とデートに行った時に市街地で買ってきた物だ。
このコロニーで有名な店について紹介されている記事が、中々に面白い。
凛と一緒に寄った喫茶店も、何気に隠れた名店として名前が載っていた。
……ぶっちゃけ、表通りで堂々と営業していたし、どこをどうすれば隠れたって表現になるのかは分からないが。
まぁ、俺達が店の中に入った時には殆ど客がいなかったのは事実だから、その辺が隠れたという扱いになるのかもしれないが。
ともあれ、そんな風に雑誌を読んでいると……部屋のブザーがなる。
待ち人がようやく来たらしい。
「入っていいぞ」
「失礼する」
俺の声に答えるように部屋の扉を開け、中に入ってきたのは老師O。……それと五飛だった。
まぁ、シェンロンガンダムについての強化を話し合うという用事もあったのだから、こうしてやってくるのは当然か。
そうして部屋の中に入った2人は、俺の勧めに従って適当に用意してあった椅子に座る。
「ほら、取りあえずこんなのしかないが」
部屋の冷蔵庫から取り出したのは、ペットボトルに入ったウーロン茶。
一応士官部屋という事で、シャドウミラーに与えられている部屋はそれなりに広い。
冷蔵庫の類もあるんだが……それでも、小さい冷蔵庫なんだよな。
冷凍庫のついていない冷蔵庫だ。
それだけに中にあまり入れることは出来ず、こうして飲み物をある程度入れておくのが精々だった。
「こんなので悪いな」
「いや、構わんよ」
老師Oが俺の言葉にそう返し、五飛も小さく頭を下げてペットボトルの蓋を開ける。
俺も自分用に、こちらはペットボトルの紅茶を取り出し、一口飲む。
「さて、こうして老師Oにやってきて貰ったのは幾つか理由があるが、その中の1つが、五飛とデュオのガンダムを強化して欲しいという事だ」
「今のままだと、力不足だと?」
「はっきり言えば、そうだな」
「……俺はそうは思わん。今のままでも、十分にOZのMSと戦えている」
俺の言葉を否定するように五飛が呟く。
まぁ、五飛はシェンロンガンダムにナタクという愛称を付ける程に気に入っている。
そう考えれば、この態度はおかしなものではないのだろう。
この辺も原作との違いだよな。
トールギスのようにガンダムと渡り合えるMSがOZにはなく、五飛本人もトレーズと生身で戦いをしておらず、負けてはいない。
……その代わり、凛や綾子、そして俺には何度となく負けているが。
ともあれ、MS戦ではデュオ……それに最近では綾子も含めるが、同レベルの相手と共に訓練している事で、原作よりも技量は確実に上だ。
それは、MDを相手に戦っても圧勝しているのが、証拠だろう。
だからこそ、五飛にとってシェンロンガンダムは今のままでも十分だと、そう思っているらしい。
「五飛が自分の機体に愛着を持っているのは分かるが、それでも強化出来るうちに強化した方がいい。今までは大丈夫だったからといって、これからも大丈夫とは限らない。それは、五飛が一番分かっていると思うが?」
「それは……」
言葉に詰まる五飛。
自分の力を理解はしているのだろうが、それでも出来れば……そう思っているのか。
「ガンダムを開発した科学者としては、今のシェンロンガンダムを更に強化する事は可能か?」
「……ふむ、少し難しいところだな。無論アイディアはあるし、シェンロンガンダムを開発した時に技術的に不可能だった事が可能になっている点もある。だが……大々的な改修をしても、そこまで性能が上がるとは思えん」
表情を変える様子もなく呟く老師O。
「なら、どうすればもっとシェンロンガンダムを強化出来ると思う?」
「儂だけではなく、他の視点を持っている者の意見が欲しいところだ」
「例えば……他のガンダムを開発した科学者達の、か?」
「率直に言えばな」
やっぱりか。
原作でもデスサイズヘルとアルトロンガンダムは、他の科学者達がいてこその改修だった。
勿論、デスサイズとシェンロンガンダムを基にしている以上、プロフェッサーGと老師Oが中心になったのは間違いないだろうが。
あるいは、時間を掛ければデスサイズヘルとアルトロンガンダムになるのかもしれないが……
「今、デュオがプロフェッサーGを迎えに行ってるし、地上にはハワードもいる。その3人で協力して、何とかならないか」
「……不可能ではない、と思う。だが、確実にとは言えんな」
「そうか。……まぁ、この件は俺達だけじゃなくて、プロフェッサーGが到着してから決めた方がいいだろう。大人しくデュオと一緒に来てくれればの話だが」
その辺が問題なんだよな。
性格が捻くれている……という程ではないが、それでもやっぱり素直という訳ではない。
大人しくデュオとヒルデに連れられてやってくればいいんだが。
最悪の場合、ハワードのみと協力してという事になる、か?
「まぁ、シェンロンガンダムについてはそれでいい」
「ふむ、次はトールギスについてだったか? ……まさか、あの機体を乗りこなす者がいるとは思わなかったが」
「色々と厄介な機体ではあったが、そこまででもなかったな」
ぶっちゃけ、機体の加速度という意味では、スーパーバーニアを持つトールギスであっても、ニーズヘッグの足下にも及ばない程度の性能でしかない。
そんなニーズヘッグを恒常的に操縦していた俺にとって、トールギスというのは容易に使いこなせる機体だった。
スーパーバーニアを改修した状態であっても、正直こんなもん? ってのが素直な感想なのだから。
「……五飛、お前の上官は色々と桁外れのようだな」
「残念ながら」
「おい、何でそこで残念ながらってのが出てくるんだよ。……まぁ、それはいいとして、トールギスの件は、正直今のところこれ以上の強化はしようがないんだよな。いや、勿論本格的に強化しようと思えば強化出来るだろうが。元々の設計そのものが古いし」
「……20年前に設計された、本当の意味で最初の戦闘用MSだからな。その辺りは仕方がない」
感慨深げに呟く老師O。
時の流れを感じているのか、それとも他にも色々と思うところがあるのか……
「ともあれ、トールギスをこれ以上改修するのも、無駄ではない。けど、連合軍の余力もあまりないのは事実だ」
「ふむ」
俺の言葉に納得してるのか、それとも何かを考えているのか。
ともあれ、老師Oは何も反論せずに俺に話の先を促してくる。
「そこで、これだ」
取り出したのは、一枚のデータディスク。
ウィナー家から盗み出したデータだが、そのデータディスクはこの世界で使われている物に入れ替えてある。
老師Oのような科学者に、技術班が作ったコンピュータの類を見せればどうなるのか、分かったものではないし。
一応大丈夫だとは思うが、そこから俺の正体に辿り着く可能性も皆無とは言えない。
「それは?」
「見ていれば分かる。一応五飛にも関係のある代物だぞ」
「俺にか?」
今までは黙って俺と老師Oの会話を聞いていた五飛だったが、まさかここで自分に関係のある物が出てくるとは思わなかったのだろう。
驚きの視線をこっちに向けてくる。
「ああ。ガンダムのパイロットなら全員にな」
「何?」
五飛に続き、老師Oまでもが不思議そうな表情をこちらに向けてくる。
そんな2人の視線を向けられながら、俺は部屋の中にあるコンピュータにデータディスクを挿入する。
すると、次の瞬間モニタに表示されたのは1枚の設計データだった。
それを見た老師Oは、驚愕の表情を浮かべる。
今までシャドウミラーの面々と会話をしても、ここまで驚くような様子は見せなかった。
それを思えば、老師Oがここまで驚愕の表情を見せるのは珍しいと言ってもいいだろう。
「このデータは……ウイングガンダムゼロ……それも、この仕様はH教授のものか!?」
仕様で分かるのか。
まぁ、ウイングゼロはそれぞれ違う仕様を考えていたらしいからな。
そう考えれば、老師Oが一目でこれを誰が考えたウイングゼロの設計データなのかが分かるのは理解出来る。
「老師O、H教授とは?」
「巨大なヒートショーテルを持ったガンダムを開発した者の事だ」
「ヒートショーテル? ……っ!? ウィナー家の!?」
シャドウミラーに合流したデュオからきちんとカトルについて聞いていたのか、それとも単純に俺がL4宙域にあるコロニーに寄った時の事を覚えていて、そこから予想したのか。
ともあれ、五飛はしっかりと俺がこの設計データをどこで入手したのかを悟ったらしい。
驚愕の視線をこっちに向けてくる五飛だったが、俺はそれを気にした様子もなく老師Oの方に視線を向け、口を開く。
「驚くのはまだ早い。こっちも見てくれ」
表示されているウイングゼロは、TV版の設計データだ。
その隣に、次は劇場版の設計データを映す。
「っ!? これは……2種類の仕様を……」
「老師O?」
五飛が老師Oの様子に、思わずといった様子で尋ねる。
驚くとは思っていたが、俺もここまで驚くとは思っていなかった。
まぁ、こっちとしては向こうを驚かせるという目的を達成出来たんだから、問題は無いんだが。
「そんな訳で、このウイングゼロを……それも、両方の仕様のハイブリット型を開発したいと思っている。それに手を貸してくれないか?」
「……この2つを、か? アクセル、何故これが2つの仕様になっているのか。お前なら分かるのではないか?」
「恐らくだが、前者は飛行形態になって迅速に戦闘区域に移動出来るようにしている機体、そして後者はMS単体としての能力を求めた機体……といったところか?」
「そうだな。色々と大雑把だが、そのような分け方で間違いないだろう。だが、それを理解した上で、この2つを混ぜ合わせると言うのか?」
「ああ。簡単に言えば、MS単体の能力を求めたウイングゼロに、シールドと飛行形態を組み込んで欲しい」
言うまでもなく飛行形態を持っているのがTV版で、MS単体の能力を高めた方が劇場版だ。
「正気か?」
「そこはせめて、本気かと言って欲しいところなんだけどな。そもそもの話、この機体が最初に開発されたのは随分と昔だろう? 技術は日進月歩。日々進化している。当時は無理でも、今ならそんな事も可能なんじゃないか?」
「……可能かどうかで言えば、可能かもしれないという答えしかないな。だが、少なくても儂だけでやれというのは無理だ。他にも何人か人数がいる。1人の考えでは無理でも、何人も集まればそれが可能になるという事は珍しくないからな」
「具体的には何人いればいい?」
尋ねてくる老師Oに尋ねるが、それに返ってきたのは難しい表情。
「何人……明確には言えないな。場合によってはもう1人いればいいのかどうかも分からんし、ガンダムの開発者全員を集めても足りないかもしれない。……元々非常に高い完成度を誇っている機体を更に改良するのだから、全く読めない。だが、やはり最善なのは全員が揃っている事だろうな」
「……なるほど」
ウイングゼロを開発したのは、オペレーション・メテオに参加したガンダムの開発者5人に、地球にいるハワード。
つまり、6人なのだが……老師Oはここにいるし、ハワードは地球にいてシャドウミラーに対しては協力的だ。
デュオがプロフェッサーGを連れてくる事に成功すれば、それでようやく3人。
それでも半分か。
ウイングガンダムを開発したドクターJ、ヘビーアームズを開発したドクトルS、サンドロックを開発したH教授。
出来ればこの3人を見つける事が出来ればいいんだが……
H教授がウィナー家の庇護の下からいなくなっているというのは、ちょっと予想外だった。
ドクトルSは本物のトロワ・バートンの件もあるし、間違いなくバートン財団から離れている筈だ。
ドクターJに至っては、見つける手掛かりが全くない。
……さて、本当にどうしたものやら。
「とにかく、この設計データは老師Oに渡す。シェンロンガンダムの改修作業と並行して、ウイングゼロの開発の件も進めてくれ。勿論可能な限りでいい。プロフェッサーGが来れば、幾らかは楽になるだろうし」
「……ふむ。まぁ、OZとの戦いに役立つ事になるのは間違いないだろうし、引き受けさせて貰おうか。だが、先程も言ったように、この件は非常に難解で時間が掛かる。それを理解して欲しい」
「ああ、分かっている。幾ら何でも、この仕事を明日にでも完成させろなんて無茶は言わないよ。ただ、あまり時間がないのも事実だというのは承知しておいて欲しい。幸い、今はバートン財団の件やバルジの件もあって宇宙は膠着状態に入っているが……いつまでも、このような事態が続くとは思えないからな」
「うむ」
「ああ、それと分かってると思うけど、ウイングゼロの設計データは連合軍の人間には見せないようにしてくれ。……一応役に立つかどうかはわからないけど、設計データの中にはサンドロックのも入ってる」
「分かっている。……正直、このデータをどうやって入手したのかは気になるが……H教授がここにいないというのがその答えなのだろう?」
「別に俺はH教授に手を出したりはしてないぞ? 勧誘しようとはしたけど、既にL4コロニーからは出奔してたし」
「では、どうやってこのデータを入手したのか……いや、聞くまでもないか。それでも敢えて聞くが、ウィナー家を攻撃したりはしてないのだな?」
「当然だろ。俺を何だと思ってるんだ」
まぁ、盗みに入ったんだから、攻撃してない……訳じゃないんだろうが。
ともあれ、取りあえず老師Oにウイングゼロとアルトロンガンダムについて任せる事になったのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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