Blue Rose
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第四十七話 成長その五
「お医者さんと同じでね」
「話せないことがあるのね」
「当然会社のことは君にも話していないよ」
交際相手である優子にもというのだ。
「そしてこうした話はあえて真実は聞かないから」
「わかってくれたうえで」
「うん、それじゃあね」
「お願いね」
こう言ったのだった。
「そしてね」
「僕達のことは」
「そろそろいいかしら」
優子はここでもあえてはっきりと言わなかった、そうしたのだ。
「一緒になりましょう」
「それじゃあ」
「うん、そのお話もね」
「していくんだね」
「これからは」
「じゃあお互いに言わないことは守って」
「そうしていきましょう」
こう二人で話した、そしてだった。
優子は交際相手に優子のことを知ってもらい秘密にすることを約束してもらった、そのうえで自分達の話も進めていった。
そのことを優花に話すとだ、電話の向こうの彼女は姉ににこりと笑って言った。
「おめでとう、姉さん」
「有り難う、そう言ってくれるのね」
「ええ、本当によかったわね」
「いい人で本当によかったわ」
「私あの人にはまだ会ったことがないけれど」
「冬休みと春休みはこちらに戻って来るでしょ」
「その時になのね」
優花もそこから先のことはわかった。
「私達は」
「ええ、会ってね」
「わかったわ」
優花は姉ににこりと笑って答えた。
「そうさせてもらうわ」
「そして貴女もね」
「私も」
「いい人を見付けてね」
こう言うのだった。
「もっとも結婚だけが幸せじゃないけれど」
「それでもいい人と一緒になれたら」
「それだけで素晴らしいことだから」
だからだというのだ。
「貴女もね」
「そうした人と一緒になって」
「幸せになってね」
「わかったわ」
こう姉に答えた。
「じゃあ私も」
「いい人に出会って」
「私が探して」
「後は神様にお願いしてね」
「縁結びの神様ね」
「そう、絶対に出会えるから」
優花にとって運命の人と、というのだ。
「いいわね」
「ええ、そうなるわ」
「そうしてね、それで貴女今相当成績いいみたいね」
「自分でも驚いてるの」
成績のことを聞かれるとだ、優花はこう姉に答えた。
「神戸にいた時よりも」
「成績がよくなっていってるの」
「本当にこのままだとね」
「八条大学の法学部合格出来そうなのね」
「そうかも」
「そこまでよくなったのね」
「神戸にいた時と同じ勉強時間で勉強の仕方だけれど」
「お酒飲む時間が減ったからかしら」
その理由についてだ、優子はこう考えた。
「だからかしら」
「それもあるかもね」
「そう、やっぱり」
「神戸にいた時はよく飲んでいたから」
「飲んだらお勉強出来なくなるから」
酔って頭に入らなくなる、それでだ。
「だからね」
「その分ね」
「お勉強をして」
「それもあるし」
「まだあるのね」
「そう、後何かいいストレス解消が出来ているのよ」
このこともあるというのだ。
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