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こんなチートでもありですかい?そうですかい。

作者:わいわい
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第2話。変人と『魔法使い』

泣き疲れて寝てしまったシロちゃんを背負い、おじさん・・衛宮切嗣と雨により焦土と化した町並みを歩く。

歩いている途中で切嗣さんのことは聞いた。曰く、『魔法使い』らしい。しかも『エミヤ』。主人公に関係あるのか?息子とか?でも髪黒いぞ?

しかし、魔法使いか。・・・・確かこの世界には第一から第六の魔法があったな。でも魔術師達が目指す最終到達地点だったはず。

こんな簡単に魔法使いに会えるか普通?つうか魔法使いってFateに居たっけ?そうか・・・・イレギュラーってやつか。

「どんな魔法が使えるの?」
「色々使えるよ。」

色々使えるらしい。マジか。やべぇなこの男。もしかして世界最強じゃね?俺が別に頑張んなくてもいいかもしれない。

後で『アンリ・マユ』倒してもらおう。てか俺ら保護してもらおう。この世界物騒だしな。

「そういえばどこに向かってるのん?」
「僕が拠点としていた場所に向かうつもりなんだけど・・」
「俺らは行く場所がないですからね。厚かましいですが、ご一緒させて貰ってもええでしょうか?」
「いいよ。というかそのつもりだったし。」

第一関門突破~!助けたからハイ、さようなら。だったら危なかった・・





こうして俺らは新都にあるという拠点に着いたのだが・・・・。そこは安価なビジネスホテルといった場所だった。誘われるがままに中に入る。

703と書かれた扉を切嗣がノックすると、待ち構えたように扉が開かれ、一人の女性が立っていた。

美人なんだが、冷淡という言葉が真っ先に出てくるような顔。失礼極まりないのだが、そんな言葉がぴったりの女性だ。

女性が切嗣に目線を合わせると、切嗣は「終わったよ。」と一言言うだけで、女性の方もうなずくだけ。

何やこの空気・・・・耐えられへん。

重苦しい空気に辟易していると、女性の方が俺を見てビックリした後、こちらをにらんでくる。な・・なんや怖いな姉ちゃん・・・・

「ああ。彼らは僕が助けた子でね・・・・」
「・・・・」

ああ・・・・なんか一層目つきが厳しくなってるわ。やめてっ、これ以上胡散臭い奴を見るような眼をしないでっ!

何故かは知らんがこの体になってから、始めて会う人のほとんどが俺のことを胡散臭そうに見てくる。なんて言うの?こう・・眼の端がすっ・・って細くなんねん。

なんや、俺がなんかしたんかい。存在が胡散臭そうってか?・・・・やばい泣きそう。

「彼らをね。保護しようと思うんだ。」
「・・何故ですか?」
「彼らがこうなったのも僕が原因でもある。なんていうか・・・・責任を感じてね。」

おお!マジか!!神は俺たちを見捨ててなかったようだ!!

「私はあなたの決定にどうこう言うつもりはありません。」
「・・・・そうか。で・・だ、君はどうする?」
「どうするって聞かれましてもね・・・・」
「君たちには2つの選択肢がある。孤児院に預けられるのと、初めて会ったおじさんに引き取られるの。君達はどっちがいいかな?」

孤児院か・・それもありだと思うが、なんかいじめとか酷いって話しを聞いたことがあるから抵抗感がでかいんだよね。ハイパー偏見だけどさ。

一方始めて会ったこのおじさんは何と言っても・・・・



『魔法使い』何だよね。『魔法使い』



大事なことなので2回言ってみました。ぶっちぎりでこっちでしょ。運が良ければ魔法教えてもらったりして・・。そう上手くいかないか。

とりあえず返す言葉は決まってる。シロちゃんはまだ寝てるけど俺が決めちゃっていいよね?やはり子供だけじゃ衣食住は確保できないのですよ。

「と、言う訳で宜しくお願いします。」
「・・何がと言う訳なのか分からないけど、宜しく。」

こうして、俺たちは『衛宮 晋吾』『衛宮 士郎』になったのだった。

ん?エミヤシロウ?あれ?・・・・・・・・主人公じゃん。晋吾は目の前が真っ暗になった!!





気が付いたらホテルの一室から和室に変わっていた。ここ何処?

「気づいたようだね。」

体を起こすと切嗣がいた。切嗣曰く、あの後俺は、疲労で倒れてしまったらしい。

いっ・・言えない。シロちゃんが主人公であることに戦慄を感じていたらブラックアウトしてしまったなんて・・・・

マジかよ・・あの厨二っぽい主人公が俺のシロちゃんだなんて・・・・

やらせはせん!やらせはせん!やらせはせんぞーーー!!絶対に厨二にはさせん!

決めた。俺のシロちゃん教育方針。彼にはスポ根を目指してもらいたいもんだ。熱くなれよーー!!

しかし、この俺が動じるなんて・・俺の中ではシロちゃんはかなりの位置に居るらしい。・・・・ってそうだ!!

「シロちゃんは!?」
「大丈夫。隣の部屋でぐっすり寝ているよ。」

ほっ・・。よかった~。ん?よくよく考えてみるとシロちゃんと離れて寝るのなんて記憶にないぞ?・・別にシロちゃんだけがブラコンじゃなかったのか。俺も大概だな。

「二ぃ・・ニイちゃーーーん!!ニイちゃんどこーーーーーー!!ウワァーーーーン!(大泣き!)」
「シロちゃ――――ん!今行くぞーーーーー!!」

らぶらぶだったりする。





まぁこうして切嗣・・『親父』と暮すようになってから2週間が経つ。シロちゃんに親父と暮すようになることになると伝えたら、

「ニイちゃんと一緒ならいい。」

とのことなので、3人で暮らすことになった。戸籍とかの役所関係は親父がやってくれたようで、俺らは養子という扱いだそうだ。

よってシロちゃんと話しあった結果、『お父さん』と分けたいとのことなので、親父と呼ぶことに。

本来3人の家庭なのだが、いつの間にかにいびり立っている人物がいる。それは・・・・

「こんにちはー♪あっそびに来たよー」
「やぁ、いらっしゃい大河。」

藤村 たいがー。その人である。

「むっ。何やら不穏な気配が・・」
「気のせいッスよ。」

ばれてはいけない。なぜなら彼女は剣道4段の腕前。まさかの特段。しかもこの間稽古を見せてもらったら、5段のおっちゃんを圧倒してた

いやいや、ドンだけだよ女子高生。それでいいのか女子高生・・・・。

ぶっちゃけいじられて突っ掛かるシロちゃんを見ていると、気が気でない。・・・・やられそうになったら俺がシロちゃんを助けるんだ。

何故彼女が遊びに来るのかと言うと、切嗣に惚れてるのだ一番なのだが・・実はこの家は彼女の実家・藤村組のものだったらしい。

そう・・『組』なんだ。まさかヤのつく皆さまとお知り合いになるとは思わんかった。

しかも何故か知らんがやたらと気に入られてるし。何でやねん。まぁ、顔は怖いけど気のいい人達ばっかやからええけどの。

それにしても気になんのわ。親父だわ。時々帰ってこんし、帰ってきたら帰ってきたらでめちゃめちゃ落ち込んどるし、今度聞いてみるか。





「と、言うことで聞きに来たで。」
「・・晋吾は急にくるね。」
「思い立ったらなんとかや。で、どうしたん?なんかあったん?」

親父は苦笑いしながら、困ったような顔をする。

「・・実はね。君たちのお姉ちゃんに当る子がいるんだ。」
「ほ?親父子供いたん?」
「そうだよ。」
「マジか。じゃ、なんでいないん?」
「実は・・おじいちゃんが返してくれなくてね。」

どんだけ孫好きなおじいちゃんや。

「それで落ち込んでたん。」
「まっ、そんなとこだね。」
「なんや。親父、爺ちゃんと仲悪いんか。ようわからんけどもしかして婿養子って奴か?」
「ちょっと違うけど・・似たようなものさ。」

はー、なんかゴチャゴチャとした家庭の事情があるんかのー

「正直言うとおじいちゃんの家も魔法使いでね。ちょっと会えないように悪戯されてるんだ。」
「マジか。意地悪やな爺ちゃん。」

茶目っけあふれるってレベルじゃねえよそれ・・。あっ、魔法使いで思い出した。

「そうや。魔法。魔法や。」
「?」
「俺に魔法教えてくだせい。(土下座)」
「・・・・教えて欲しい?」
「むっちゃくちゃのめっちゃくちゃ。」
「・・・・辛いよ?」
「痛いのはやや。けど丈夫やで?これでも我慢強いほうや。シロちゃんも。」

親父は目をつぶり、そうか・・と頷き。

「じゃ、明日から魔法を教えてあげる。士郎も望んだら教えてあげるつもりだ。」
「おお!あんがと親父!!俺、頑張って姉ちゃんを爺ちゃんから取り返したるわ!!そんでみんなで暮らそうぜ!!」

親父は今度は目を細め、何か幸せの風景を見ているかのように・・・・

「ああ・・そうだね。みんなで一緒に・・・・」

微笑むのであった。 
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