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Three Roses

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第三十六話 葬儀その九

「貴女達のご夫君方も同じですね」
「はい、そうお考えです」
「そうなったわ」
 二人は微笑みマリーに答えた。
「何とか説得して」
「そうしたお考えに至ってもらいました」
「家は残ることだし」
「確かに元は同じ国ですので」
「この国に臣従する」
「その様にお考えになってます」
「それは何よりです」
 この国もこう考えているからこそセーラとマリアをそれぞれの国に送ったのだ。両国の後継者達を説得する為にだ。
「ではです」
「はい、それで」
「その様にしていきましょう」
「この国にも色々と過去がありますが」
「それでも」
「そちらも行います、葬儀の直後で」
 まさにそれが終わればというのだ。
「お二方に授けます」
「そして四国統一にですね」
「さらに向かうのね」
「そうなります、この国だけでなく」
「四国全てが統一され」
「争いもなくなり王国とも対することが出来る」
「そうなるのです、我が国だけでは」
 例え四国の中で最も強い国であってもというのだ。
「やはりです」
「限界がありますね」
「どうしても」
「過去何度もです」
 それこそというのだ。
「苦しい時がありましたね」
「何度どころではありませんでした」
 セーラは目を伏せてだ、マリーに答えた。
「常にでした」
「王国と対して辛い状況だったのは」
「そうでした、だからこそ大陸の領地も失いました」
 かつて持っていたそれもというのだ。
「一時は王国の半分以上を領有出来ても」
「我が国だけだったので」
「大陸のその領地も維持出来なくなり」
 海の向こうのその国のだ、海はこの国にとって護りであるが攻めるにあたっては障壁にもなってきたのだ。
 そしてその障壁を無視出来る力はだ、この国だけではだったのだ。
「失いましたね」
「はい、結果として全てを」
「そのことを思いましても」
 やはりというのだ。
「四国を全て合わさないと」
「そうね、下手をすれば」
 マリアも言う、彼女が言うことはというと。
「王国により各個で」
「飲み込まれます」
「そうなるわね」
「力が弱い国ばかりですと」
「大国に対することは出来ない」
「はい、この国は王国と一国で争うには今は」
「力が足りないわね」
「はい、四国合わせてです」
 そうしてというのだ。
「人口や国力を見ますと」
「何とか五角ね」
「それ位です」
「だからこそ統一しても」
「帝国と手を結びます」 
 そうするというのだ。
「王国はそれだけ強いです」
「はい、確かに」
「それはその通りね」
 セーラもマリアも言う、このことを。
「だからこそ」
「四国は統一されるべきね」
「もう一度、先の長きに渡った戦争の頃は大陸に領地もあり」
 王国の領地の半分までもだ、そこまで広大な領地を持ちしかもその領地の分だけ王国も弱まっていたからだ。 
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