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ジョジョの奇みょんな幻想郷

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第一部 ケイオスクルセイダーズ
プロローグ ビギンズデイズ
  1.幻想入り

 さて、まず最初に紹介しておこう。彼の名前は慶条丞一。今年で十八歳になるただのスタンド使いだ。スタンド使いの時点で既に『ただの』という言葉からはズレているが気にしてはいかない方針でいくつもりだ。
 もっとも、この世界に荒◯信彦先生作『ジョジョの奇妙な冒険』がある上でのスタンド使いだ。そして、生まれ持ってからのスタンド使いでもある。そして、そのスタンド自体も類に見ない特徴のものだった。自我が強い。そしてしゃべるのだ。原作をみても、第四部の『エコーズAct3』や『チープトリック』等決して多くない。そして忘れてる方も多いだろうが『スタープラチナ』も自我を持ちしゃべるスタンドだったが、『スタープラチナ』がしゃべったのはたったの一回だけだし、『エコーズAct3』も吹き出しをみると、漢字とカタカナ表記になっている。だが、丞一のスタンドは、話す言葉があまりにも流暢なのだ。

『丞一さん!丞一さん!遂にきましたね!シーザーの星5!これはなんとしても手に入れなければなりませんよ!』

 と、このように普通の人間のようにしゃべり、しゃべるだけが取り柄の『チープトリック』の箔をとるようなスタンドなのだ。
 そして、何よりもこのスタンドはなんと女なのだ。
 第六部の『ストーンフリー』のような女性的な体型ではなく、女なのだ。銀髪碧眼の美少女なのだ。
 スタンドの名前は『暗きもの(ダークワン)』。クトゥルフ神話の這い寄る混沌ニャルラトホテプの異名から取った名だ。通称『ニャル子』。
 本音を言うとニャル子さんから取っただけなのだが。そこはご愛嬌だろう。
「金がないんだよ。お前も知ってるだろ?俺は幼い頃に親が他界してて、引き取ってくれそうな親類もいなくて、唯一残っていた義姉も何かいつの間にかいなくなっていて、生活には困ってはいないけど、無駄使いは出来ないっていう状況を」
『随分と説明口調でしたね』
「まあな。さてと、ニャル子。今いつで俺は今どこにいるんだ?」
『今は学校終わって、家に帰っている途中じゃないですか。どしたんですか?』
 ダークワンの哀れんだ視線受け流し、自分でも何故聞いたのか分からなかった。何故かそのような義務感に襲われたのだ。ていうか、ネタの固まりであるこいつにだけにはいわれたくなかった。
「さてと、家についたな。さて今日は寝るとするか。明日は土曜だから寝坊も心配ないし」
 帰宅部の学生で、課題が余裕があるとき家に帰ったら何をするか。それは寝ることだ。寝ることで、疲れも何もかも吹っ飛ぶのだ。
 故に満場一致で昼寝決定だ。 
 誰だってそうする。
 丞一だってそうする。
『何いってらっしゃるんですか?ライダー観ましょうよ』

「私的には、お昼寝がしたいわぁ」

『って、どぅわぁ!!??あ、あんたいつもいつもどっから出て来やがるんですか!丞一さんはこれから私とライダーを鑑賞するんですよ!』
「いや、鑑賞はしない。だが、ほんとにいきなり現れるのは止してくれよ、ご近所に見られたらどうするんだ──────紫さん」
 丞一はいつの間にか話の輪の中にいた女性に苦笑を浮かべて喚起した。
 彼女は八雲紫。金髪の女性で、見た目は丞一と同じくらいの女性。別嬪さんでその妖美な雰囲気がさらに彼女を引き立てている。
 妖美とは、『妖』しく不思議な『美』くしさ、という意味だ。この言葉ほど、八雲紫の特徴を表したものはないだろう。
「何しに来たんですかって言っても夕飯をたかりに来ただけか。麻婆豆腐しか作れそうなのないですけど。妖怪とかってタマネギ大丈夫でしたっけ?」
 妖しい怪物と書いて『妖怪』。そう、八雲紫は妖怪なのである。
「別に大丈夫よ。犬じゃないんだから」
「じゃあ、寝てから作るんで、適当にくつろいでてください」
「そうさせてもらうわ」





夕飯まで、『キングクリムゾン』!




「ごちそうさま」
「お粗末様です」
 夕飯を食べ終えた丞一に紫は本題を切りだした。
「で、もう分かってると思うけど聞くわ───────どう?幻想郷に来ない?」
「毎度毎度、家に来たら飯たかってそれ言うだけでそれ以外の用で来たことないのに、わざわざ何故いうんですか?」
『丞一さん。あれですよ。あれ。言ってもらわないと話についてこれない、とかそんな理由じゃないですよ』
「お前はお前で何いってるんだ」
 色んな人に怒られてしまうではないか。
「どうかしら?」
「忘れられたものたちの楽園、でしたっけ?」
「平たくいえばね」
 丞一は思案した。いきなり環境の変わる世界につれて行かれるのだ。悩まないわけがない。だが、魅力的な相談でもあった。周りの環境を変えるのも長い人生の中では面白い一手になるだろう。
 紫はそんな丞一を見て、勝った、といわんばかりに笑みを浮かべ、そして告げた。
「─────あなたの探し人もそこにいるかもよ?」
「………行かせてもらっていいですか?」
「いいわよ」
「で、それな当たって相談なんですけど」
「どうしたの?」
「紫さんっての能力ってだいたいのものだったら運ぶこと出来るじゃないですか?」
「境界を操る程度の能力でね。ええ出来るわよ」
 紫の能力『境界を操る程度の能力』。あらゆるものの境界を操ることが出来る。例えば、現と幻の境界、可視と不可視の境界、二次元と三次元の境界、etc.etc.底の知れない能力だ。紫がいきなり現れるのも能力を使って空間の境界を操り、『スキマ』という異空間から突然現れるからだ。
「しかもそれで人とか神社とか神隠ししてるって、前教えてくれたじゃないですか」
「そんなこと言ったかしら。まあでも確かにしているわね」
「俺んちごと幻想入りできませんかね?」
「出きるわよ」
「おお!マジですか!それは有り難い」
「これを使えばあなたでも持ち運び可能よ」
 そういうと紫はスキマを出し、漁り始めた。そして取り出したのは、なんかボタンがある、カプセルだった。
「………何ですか?これ」
「?ほいほい容器よ」
「いや、そんな知らないの?みたいに言われても知りませんよ」
「私の能力で物体と粒子の境界を操ってこの容器に入れるのよ。ボタンを押して投げると落下地点で数秒後に実体化するわ」
「何ですか!?そのハイテク技術!」
「ただし、実体化させるときにはスペースが必要になるからそこだけ注意してね」
 たいがい何でもありなんだなこの人は、と丞一は思った。





家収容中





「じゃあ、行くわよ」
「はい」
 紫に促され、スキマへと入っていく。
 そして、そこには何も残らなかった。




「とーちゃくっと。」
「ようこそ幻想郷に。」
 丞一と紫が降り立った場所は辺り一面木だらけの場所だった。
「そういえば紫さん。此処、何処ですか?」
「人里の外れの森よ。ここから北東へ行くと、博麗神社という場所に着くわ。そこに行きなさい。ここでのルールやあなたの新たな能力について教えてもらえるわ。後、あなたなら大丈夫だろうけど、一応『宵闇の妖怪』の縄張りだから。バイバーイ」
「それではー……ってちょっ!」
 その時にはすでにスキマは消えていた。丞一は聞きたいことが満載だった。宵闇の妖怪とは何か、どんな妖怪なのか、そして、どっちが北東か。方位磁石もなしにどうやって見知らぬ土地を歩けと言うのだ。
 しかもさらりと大事なことを言っていた。いつの間にか能力──おそらく、程度の能力だろう──に目覚めていた。そんな大事なことを昨日免許取りに行ったぜみたいにさらりと言われた。
「はぁ。まぁいっか」
 どうしようもないと踏ん切りをつけ、太陽の沈み具合で進むことにした。でるときが午後の四時くらいだったため、だいたい南西くらいの位置に太陽は下がっているだろう。
 すると、後ろから気配を察知した。振り向くとそこには女の子がいた。
 金髪で赤い眼、赤いリボンをしていた。しかし、このときはまだ知らなかった。
「なんだ、子供か。どうしたんだ?こんなところで」
「─────あなたは食べてもいい人間?」
「………………………………………は?」
 この女の子が紫のいっていた宵闇の妖怪なのだと。









 
 

 
後書き
どうも、かりーぱんです。ここでは基本オリキャラ、設定追加キャラの簡単なプロフィールを書いていきます。


 慶条丞一。
 18歳
 種族:人間(スタンド使い)
 スタンド能力:重力操作
 幻想郷の管理者『八雲紫』が目にかけている少年で彼女の手によって幻想入りした。いわゆるオタクという人種でありとくにジョジョの奇妙な冒険が好きでよくネタに走る。ぶっきらぼうだが優しい一面もあり正義感が強い性格。ニャル子曰くツンデレ。
 スタンド『暗きもの(ダークワン)
 通称『ニャル子』。ぶっちゃけた話『這いよれニャル子さん!』のニャルラトホテプ星人のニャル子。性格もそのまんま。だがしかし、原作のクロックアップはまだ使えない模様。 
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