ヒカリアン・フォーエバー
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第二話「永遠の”のぞみ”と”ひかり”」
そしてその日が来た・・・。
前書き
今日でもう5年目なんですね。早いもので・・・。
3月16日。
基地内ではラストランに向け、朝から車両の最終チェックが行われた。
そして午前10時少し前頃・・・。
のぞみ「・・・そろそろだな。車両に戻って・・・。」
コンコン・・・。
のぞみ「どうぞ。」
テツ「俺だ。」
のぞみ「・・・テツユキ君か。」
テツユキは神妙そうな顔で入ってきた。
テツ「のぞみ・・・昨日はごめん。あんなこと・・・。」
のぞみ「いいや。心にもないことだとすぐに分かったことだ。これっぽっちも気にしちゃいないよ。」
テツ「・・・ウソつけ。」
のぞみ「ああ、ウソだ。君のことを気にかけて、昨日はあやうく寝不足になるところだった。」
テツ「プ」
のぞみ「ハハハハ・・・。」
二人とも軽く笑い転げてしまった。
テツ「真面目になったと思ったらそんな冗談・・・安心したよ。それで・・・。」
再び神妙な顔に戻る。
テツ「俺、のぞみに伝えたいことがあるんだ。ミナヨのことは・・・今日は一緒に乗るよ。」
のぞみ「・・・そうか。分かった。」
のぞみがほっとした顔になった。
のぞみ「テツユキ君、ミナヨちゃんの席は・・・。」
テツ「分かっているよ・・・東京駅で会おうな。」
のぞみ「ああ。」
ミナヨのスマホにメールが入った。テツユキからだった。
「昨日は言い過ぎた。ゴメン。のぞみにも心配かけた。やっぱ一緒に乗ろう。
俺の席番号は1号車1D・・・。」
博多方面の先頭車の一番前、右側から二番目の席だ。300系の座席は左3列、右2列となっている。
ミナヨはしばらく黙って見ていたが、やがて返信を打ち始めた。
「私こそ、今までごめんね。私の席は1号車1E。あなたの隣・・・。」
岡山車両基地
ケン「・・・何だかまだ信じられない。僕、研修生なのに本線上を・・・。」
ひかり「君の技術ならできる。それにもしものときはフォローすると言っているだろう。」
7「テツユキのヤツは小学生の頃から本物の新幹線運転してやがったからな。ケンタもだが。」
ケン「ははは・・・。」
ひかり「ははは・・・それはそうと・・・こだ爺の予言が引っかかる。」
ケン「ユーロの作戦?」
ひかり「『私達ふたりをいっぺんに・・・。』私とのぞみを一度に始末するとなると・・・。」
7「ふたりが並ぶ駅、つまりこの先の岡山駅がターゲットだと・・・?」
博多駅
W「ライトニングウエストより管理司令室へ。今のところ異常なし。
これから折り返して新大阪へ・・・。」
こだ「ほへい。」
W「ワッ、こだ爺!」
こだ「お前さんも頑張っておるようじゃな。わしも今日と言う今日は、寝てばかりおられんわい。」
W「こだ爺・・・俺、正直に言いたいことがあるんだ。」
こだ「ん?」
W「俺、のぞみをすごい恨んだ時期があったんだ。俺がこっち(山陽)だけで働くことになったとき・・・。」
こだ「8両編成に減らして、各駅停車。時速は300キロ出さない・・・かね。」
W「うん。何でって聞いたらさ、『お前は設計が東海道の駅に合わない』とか『ビジネスマンが乗るのに不向き』とか言われて・・・ショックだった。
『お前は邪魔だ』って言われているようなものだった・・・。」
こだ「そうかもしれんの・・・じゃが、それでもお前さんは生き残ってきた。ひかりと共にな。」
W「ああ。こっちに来てからはひかり隊長から指導受けて・・・もう慣れたよ。それに・・・。」
こだ「子供達からは大人気。」
W「そうそう。この前博多でのぞみとばったり会ったらこんなこと言っていたよ。
『東京には500系を見たがる子供がいっぱいいる。私は影薄いのかな・・・。』ってさw。」
こだ「ホホホホホ・・・それでいいんじゃ。や、もう出発の時間じゃぞい。」
W「いけね。また後でね、こだ爺・・・。」
東京某所
女子アナ「今日、新幹線の歴史上に輝くふたりの英雄が線路を去ろうとしています。
新幹線100系電車は昭和60年、0系に代わる二代目のひかり号として誕生し・・・。」
ドジラス「本当に引退しちゃうなんて・・・ボディで言ったらおいら達の方がずっと古いのに・・・。」
ウッカリー「新幹線と機関車を一緒にしてどうするんだよ・・・。」
ブラックエクスプレス(やっと登場)「・・・。」
ウカ「親分、それでどうするんです?ユーロ男爵の作戦。参加しないの?」
ちゃぶ台の上にはこんな手紙が置かれていた。
「ブラックエクスプレス君と子分くんたちへ。
君たちの永遠の敵、のぞみとひかりがまもなく引退する。
多くの人々が集まるこの機会を逃す手はないと私は考えている。
どうだろう。のぞみとひかりに無事な引退をさせないよう、私の作戦に協力してくれないかね?
ユーロより」
ウカ「みんなの思い出乗せたのぞみとひかりを攻撃したら、それはみんな、いやーーーーーーーな思いをするよね。」
ドジ「でも、それでいいのかな・・・?」
ウカ「ドジラスは行かなくていいよ。JHRに頼まれて、こっそりイベント列車ひいてるんだろ?」
ドジ「あ、ばれちゃってた?」
ウカ「バレバレ。」
ブラ「少し黙っていろ。」
ドジ&ウカ「親分・・・。」
女子アナ「あ!今、ホームに入ってきました。300系のぞみ号、最後の勇姿です・・・。」
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