渚怺のチュートリアル
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プロローグ
雪の街から#6
樹生「お~ぅい。生きてますか大丈夫ですかぁ??」
正直死にかけています。(精神が)
樹生「何だか死にかけのフグって感じですねぇ・・・(ぼそっ)」
多流人「この際なんでもいいです・・・とにかく現実と向き合いたくないです。」
渚怺「わがままですねぇ。」
多流人「言うな・・・大胆誰のせいだと思ってるんだよぉ!?」
実際誰のせいでもないと思う。
ただ強いて言うなら、
こんな茶番惨劇に遭遇してしまった俺自身に非があるように思える。
渚怺「取り合えず、新しい家まで私が案内してあげるよ☆」
多流人「い、いや・・・」
なんとなく嫌な予感がした・・・
何が起こるかわかったもんじゃない。
適当に理由を付けて丁重に断ることにした。
だが、焦りが裏目に出てしまった。
多流人「いろいろとまずいですよ・・・」
自分でも突っ込みたい。
’’いろいろ’’ってなんじゃい??って・・・
渚怺「まずいことなんてないよ☆遠慮しなくてもいいよ☆」
樹生「私も、そのほうがいいと思いますよ。」
多流人「あぁ・・・はい・・・・・」
で・・・
結局一緒に帰ることになった。
ひとまずケーキを食べ終わり、樹生に連れられて二階の和室にやってきた。
仏壇や掛け軸などが置いてある。
俺は部屋の隅に掛かっている掛け軸に目をやる。
多流人(・・・・・・・・・)
樹生「あぁ、その掛け軸は父の趣味で買ったものです。大した物ではないですよ。」
少しだけ興味があった。
俺自身、骨董品にはあまり興味がなかったが、なんとなく見とれてしまう。
そういえば、何で連れられたんだっけ?
樹生「そうだ多流人さん。」
多流人「ん?なに?」
樹生「連れて帰るって言っても、渚怺さん今日20:00までシフトが入っているんですよ。」
???????
樹生の話はこうだ。
一緒に帰ると言っても、当事者の渚怺が20:00までバイトをしているのである。
そのため、
’’バイトが終わるまでここでくつろいでてほしい。’’
と渚怺から伝言があったという。
腕時計を見る。
多流人(あと4時間余りあるのかぁ・・・)
その間、
俺は何もすることなく客間でごろごろしていなくちゃならない。
ふと俺は思う。
多流人「この時間で町の観光をしたかったんだがなぁ・・・」
樹生「迷って人様の迷惑になることが目に見えているので・・・敢えてです。」
出来ればここから出てほしくないようだ。
仕方ないか。
そうすることにした・・・
仕事に戻る樹生を見送った俺は荷物を置く。
しかし暇である。
辺りを見渡しても、あの掛け軸が目に留まるだけで、特に気になるものはない。
窓際のテレビの電源を入れる。
何かやってはいないものか。
チャンネルを回すが、たいして面白そうなものはやっていない。(時間が時間だからかもしれないが)
下からは渚怺の声が聞こえる。
忙しそうだ。
何だろう。
何となく寂しいこの雰囲気は・・・
俺は少々迷っていた。
ボーっとしてるより、下でバイトを手伝ったほうがいいような気がしていたからだ。
生き生きとした俺を想像する。
多流人「・・・・・・・・・」
このままおとなしく寝るか。
あるいはバイトを手伝うか。
決めた。
足が本能のままに動き出す。
そして・・・
あれから、俺は暇だからと適当に理由をつけて渚怺たちと一緒に働いた。
渚怺「お~~!っけぇぇぇぇー!!!」
樹生「宜しくお願いします。」
お客さんの注文を取り、
レジを動かして、
皿洗いまでした。
前の所でたまたま接客業をしていたせいか、
思って以上にシフト通りに動けた。
渚怺・樹生「・・・・・・・」
渚怺と樹生はびっくりしていたみたいだが・・・
なんにせよ、
何事もなく20:00になった。
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