ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
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28部分:南へその四
南へその四
「助太刀するぞ!」
同時にフェルグスもひょっこり出て来た。
「お、面白そうだな」
観客席は大騒ぎとなった。ラナとマナは必死に止めようとするが怪我人の傷を癒すくらいしか出来ず騒ぎに油を注いでいるだけであった。
「・・・どうしよう?」
ロナンがポツリと三人に言った。
「・・・ってどうするのよ」
タニアが言った。そこへ相手が現われた。
「おっ、やってるねえ」
ホメロスだった。アーサー、アミッド、アズベルも一緒でsる。
「どれ俺も」
軽くウィンドを放った。それはタニアの足下を掠めた。
「何すんのよ!」
タニアはムッとして矢をホメロスに放った。彼はそれを首を捻ってそれをかわした。
「きつい御言葉」
「あんたが悪いんでしょう!」
「じゃあ相手になるぜ、お嬢ちゃん」
「望むところよ!」
「止めろーーーっ!」
瞬く間に弓と魔法、四対四の撃ち合いが始まった。そこに今度はペガサスナイトの面々がやって来た。ペガサスには乗っていない。
「ミーシャ姉様、あれ!」
カリンが現場を指差す。
「解かってるわ、止めさせましょう!」
「はい!」
ヨハンとヨハルヴァ兄弟が来た。
「馬鹿な事は止めるんだ!」
「これ以上暴れると承知しねえぞ!」
ダゲダとマーティも出て来た。
「何か凄い事になってますよ」
「腹ごなしに丁度いいな」
賭博場から出て来たリフィスとシヴァ、サフィが歩いて来た。
「へへへ、勝った勝った」
リフィスは小銭の入った袋をジャラジャラと鳴らせ満足そうである。
「どうせイカサマだろう」
シヴァが一言言った。
「いいじゃねえかよ、これも芸のうちだ。おい、あっちで皆楽しい事やってるぜ」
「うむ」
「行こうぜ。行って遊ぼうぜ」
「ちょ、ちょっとリフィスさん・・・・・・」
サフィの言葉も聞かずリフィスは騒ぎに飛び込んだ。シヴァは近寄ったところで火球が顔の横を掠めたので無言で剣を抜きその中へ入って行った。サフィも皆を止めようとするがそれよりも怪我人を癒す方に忙しかった。
何時の間にかディーンもエダいる。スルーフも来た。役者は全員揃った。
「解放軍というのはあれだな」
「・・・・・・ああ」
「残念ながら」
大乱闘と指差し問う赤髪の男にハルヴァンとオーシンは情無い声で答えた。
「ちょっとあんたはそこにいてくれ。俺達も止めに入る」
「すぐに帰って来るから」
「ああ」
最早めいめいが片っ端から切りつける、射つ、撃つ、突く、殴る、蹴る、噛む、引っ掻くの出鱈目な乱闘になっていた。椅子が、喰い残しの骨が、剣の鞘が、杖が、僧侶達は誰が怪我人か解からず誰彼構わず杖を振っている。その中一人ポーーーッと立っていたユリアが騒ぎの中へ歩いて行った。
そこへ一斉に剣が、槍が、斧が、魔法が、弓が襲い掛かるが全てユリアの足下や至近で止まった。
「ユリア!?」
「危ないからどいてなさい!」
「いえ、危なくなんかないです」
ユリアはにこりと笑い言った。
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