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ラヴソング

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第三章

 二人でCDショップに行ってその曲のCDを買った、そのうえで彼女と遊んだ後で部屋に帰って曲を聴いてるとだ。 
 この日は仕事があった彼が帰って来てだ、その曲を聴いて私に言ってきた。
「ああ、その曲最近よくかかってるね」
「ええ、だからね」
「買ったんだ、CD」
「それで聴いてるの」
 こう彼に答えた。
「こうしてね」
「そうなんだね」
「いい曲ね」
 聴きつつだ、私は彼にこうも言った。
「今日街中で聴いて思ったわ」
「そうだね、じゃあ晩御飯の後で聴こうか」
「一緒にね、あと晩御飯はね」
「うん、何かな」
「ガパオライスよ」
「それなんだ」
「それとサラダよ」
 この二つの組み合わせは大好きだ、サラダにはパイナップルも入れて甘味も加えた。
「その二つ食べて」
「お風呂に入ってゆっくりして」
「それからまた聴きましょう」
「そうしながら」
「それでお酒はどうするの?」
 私は彼に微笑んで聴きながら飲むお酒のことも尋ねた。
「そっちは」
「別にそれは」
「いいの?」
「今は飲む気分じゃないから」
 だからだというのだ。
「僕はいいよ」
「そうなのね、そういえばこの曲はね」
 聴いているとだ、どうにも。
「お酒を飲みながらって感じじゃないわね」
「そうだね」
「むしろ一緒にいたくなるわ」
 飲まないでだ。
「ずっとね」
「それじゃあ」
「そう、晩御飯を食べたら」
 それからのことをだ、私は彼に言った。
「一緒にお風呂入りましょう」
「あっ、そうしたいんだ」
「聴いてたらそんな気分になったから」
「一緒にいたくて」
「そうなったから。駄目かしら」
「そうだね、最近お風呂一緒に入ってないし」
 寝ているベッドは一緒でもだ、お風呂に入るのは最近一人一人でだった。彼もそのことに気付いて私に対して答えた。
「じゃあね」
「一緒に入って」
「それからだね」
「曲もね」
「一緒に聴こうね」
「そうしようね」
 こう二人で話してだ、そしてだった。
 私は彼と一緒に御飯を食べて一緒にお風呂に入って一緒に曲を聴いた。今聴いている曲はそうした気持ちにさせてくれる曲だった。
 それでだ、また友達と一緒の時にこう話した。
「あの曲聴いてると彼と一緒にいたくなるわ」
「あら、そうなの」
「ずっとね」
 こう彼に話した。
「そうした気持ちになるわ」
「そうなのね」
「貴女はどうなの?」
 喫茶店で一緒にコーヒーを飲みながら彼女に尋ねた。
「あの曲聴いてて」
「そういえばそうかしらね」
「相手と一緒にいたくなるわね」
「そうなるわね、ただね」
「ただ?」
「私もう子供いるでしょ」
 実は彼女はこの前結婚してもう子供がいる、話にこのことを出してきた。
「それで子供に注意がいくから」
「どうしても」
「あんた位じゃないかもね」
「そうなのね」
「子供がいるとね」 
 どうしてもというのだ。
「そっちを重点的に見ないといけないから」
「旦那さんよりも」
「だからね」
「こうした曲を聴いても」
「ずっととまではいかないわ」
「そんなものなのね」
「ええ、ただ夜は」
 子供が寝たらとだ、私に笑って言って来た。
「それもいいわね」
「ずっと一緒にいるのも」
「それもね」
「いいわね」
 その時は恋人同士に戻ってというのだ、彼女も笑っていた。そのうえで私にこうしたことを言ってきた。
「子供が寝て二人だけいなったら」
「曲の通りにね」
「恋人同士よ」
 私達の様にとだ、彼女は私に笑って言った。そして私もそうしようと思った。今夜は彼と。


ラヴソング   完


                           2016・7・24 
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