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レッツゴーKY

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第一章

                 レッツゴーKY
 俺はある日高校のクラスメイト達に言った。
「俺は決めた、ファンキーに生きるぜ」
「ファンキー加藤さんみたいにか?」
「えらいことになるぞ」
 クラスメイト達はファンキーと聞いてこう返してきた。
「不倫してな」
「友達なくすぞ」
「ついでに評判暴落だぞ」
「よそに子供まで作ってな」
「ファンキーでもゲスの極みになるぞ」
「死ぬまで言われるぞ」
「そういうファンキーじゃねえよ」
 ついでに言うとゲスの極みでもない、しかし考えてみれば文字通りにゲスの極みという人も珍しいことだ、
「だからこうな、我が道を行ってあえて空気を読まない」
「そんな生き方がしたいのかよ」
「唯我独尊って感じで」
「そうだよ、雲の様に生きるんだよ」
 蜘蛛じゃない、平仮名で同じでも漢字は違う。
「これからはな」
「今までと全然変わらないな、それじゃあ」
「御前のこれまでとな」
「勝手気ままに生きてな」
「やりたい放題じゃねえか」
「北の将軍様にな」
「そんな風に生きてるじゃねえか」 
 今度はこんなことを言ってくれた。
「じゃああの爆発させた刈り上げヘアにするか」
「それで丸々と太って変なファッションするんだな」
「コートに山高帽」
「マトリックスもどきでいくか」
「あんなファッション出来るかよ」
 冗談じゃない、特にあの髪型はない。女の子達にキャーキャー言われるだろうが俺の狙いの言われ方じゃない。
「絶対にな」
「じゃあどういうファンキーなんだよ」
「加藤さんでもゲスの極みでも将軍様じゃないってな」
「最近の妖怪時計のクズか?」
「よくあんなの考えられたな」
「だから言ってるだろ、雲なんだよ」
 俺が考えているファンキーはだ。
「空気を読まないでな、あえてな」
「我が道を行くか」
「そんな生き方か」
「そうだよ、自由に生きるんだよ」
 この世の下らないしがらみとか一切無視してだ。
「そうしていくんだよ」
「だから御前はこれまで通りだろ」
「ずっと好き勝手にやってるだろ」
「ゲーセン行って髪の毛脱色して好きな格好してな」
「アイドルのおっかけしてな」
「全然変わらないだろ」
「凄い自由だろ、今でも」 
 何か指摘されまくる、しかし俺の考える自由は違っていた。
 何もかもしがらみを越えたものだ、俺はそうした生き方をすることにした。
 それでだ、街に出てだ。
 遊び倒した、夜遅くまでそうした。そして家に帰るとお袋が玄関で待っていてだ、俺が家に帰るといきなりアックスボンバーを浴びせてきた。
 そのうえでだ、俺に角を生やして言ってきた。
「この馬鹿息子!何時だと思ってるのよ!」
「何時って時間なんか気にするかよ」
 俺は吹き飛ばされたが立ち上がって言い返した。
「俺は自由なんだよ」
「自由?」
「そうだよ、時間にも縛られないんだよ」 
 お袋にも言った。
「これからはな」
「そうなの、じゃあ今度から門限の九時を破ったらね」
 部活で遅くなるのでこれ位の時間になっている。 
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